上下水道

水道施設整備事業の評価の実施について(平成21年4月21日健水発第0421001号厚生労働省健康局水道課長通知)

健水発第0421001号

平成21年4月21日

各都道府県水道行政主管部(局)長 殿

厚生労働省健康局水道課長

水道施設整備事業の評価の実施について

今般、平成16年7月12日付健発第0712003号健康局長通知の別添「水道施設整備事業の評価の実施について」(以下「実施要領」という。)の一部が改正されたことに伴い、平成19年7月30日付健水発第0730003号当職通知の別添「水道施設整備事業の評価の実施について」(以下「実施細目」という。)の一部を別紙新旧対照表のとおり改正し、平成21年4月21日から適用することとしたので通知する。

ついては、貴管内水道事業者及び水道用水供給事業者(以下「水道事業者等」という。)への周知方よろしくお願いする。

なお、今回の実施要領及び実施細目の一部改正は、平成16年7月以降、上記局長通知等に基づく評価が数多く実施され、評価制度が確実に定着し、その趣旨に対する理解が進んできていること、その一方で、簡易水道の改良、管路の更新のような小規模かつ緊急に実施する必要のある事業も対象に含めており、その実施数も相当数あること等の状況を踏まえて行ったものである。このほか、水道事業以外の公共事業においても評価制度が定着してきており、改正にあたっては、その実施状況も参考にしている。

また、この一部改正により、事前評価及び事業採択後5年目の再評価において、その実施を要しない場合も今後生じるが、この場合であっても、事業期間が長期にわたり、かつ当該水道の規模が相当程度拡大するようなものなどについて、評価を実施する必要があると水道事業者等が判断する場合には、当該水道事業者等に対し、積極的にこの評価制度を活用し、適切な水道事業運営に努めるよう、指導願いたい。


別添

水道施設整備費国庫補助事業評価実施細目

第1 評価の対象とする事業の範囲

評価の対象とする事業の範囲は、「水道施設整備事業の評価実施要領」(以下「要領」という。)第2(1)に該当する国庫補助事業であって次に掲げる事業とする。

1 簡易水道等施設整備費補助金の交付を受けて実施する事業
2 水道水源開発等施設整備費補助金の交付を受けて実施する事業

第2 評価の単位の取り方

1 簡易水道等施設整備事業

原則として簡易水道事業の事業単位、かつ、国庫補助事業の区分を単位として評価を行うこととする。

ただし、区域拡張に伴う水量拡張等(いわゆるアロケーション事業)、一連の目的を達成するために行う事業については、一括した単位とすることができるものとする。

2 水道水源開発等施設整備事業

原則として水道事業又は水道用水供給事業の事業単位、かつ、国庫補助事業の区分を単位として評価を行うこととする。

ただし、水道広域化施設整備事業と一連の目的を達成するために行う水道水源開発事業については、一括した単位とすることができるものとする。

第3 再評価時期

再評価時期については、原則要領の第2(3)に定められているとおり実施するものであるが、水道水源開発施設(海水淡水化施設を除く。)の整備を含む事業については、上記の評価に加え、本体着工前の適切な時期に評価を実施するものとする。なお、本体着工前の適切な時期又は本体着工後に評価を実施した場合は、以後10年間評価を要しないものとする。

第4 評価の内容

評価は、次の事項について、分析、検討し、事業計画の妥当性を検証することにより行うものとする。

1 事業採択前又は採択後の事業をめぐる社会経済情勢等の変化

[1]当該事業に係る水道事業者等の水需給の動向等

[2]水源の水質の変化等

[3]当該事業に係る水道事業者等の要望等

[4]関連事業との整合

[5]技術開発の動向

[6]その他関連事項

2 採択後の事業の進捗状況

工事着工のめど、供用のめど等について、事業内容に応じ、次の事項のうち必要なもの。

[1] 用地取得の見通し

[2] 関連法手続等の見通し

[3] 工事工程

[4] 事業実施上の課題

[5] その他関連事項

3 コスト縮減及び代替案立案等の可能性

[1] 「公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針」(平成12年9月)、「厚生労働省公共工事費用縮減対策に関する行動計画」(平成13年3月)、「水道施設整備事業コスト構造改革プログラム」(平成15年11月)に基づくコスト縮減方策。
 ただし事業のコスト縮減につながるものに限定せず、普及・浸透することにより社会的コスト等も視野に入れた長期コストを縮減させる施策や、事業実施の円滑化により事業便益の早期発現に資する施策等を幅広く含む。

[2]次の事項を考慮した代替案

ア.事業の迅速化(時間的効率性、事務経費の低減、事業資金の金利負担の低減)

イ.計画・設計から管理までの各段階における最適化(工事コストの低減)

ウ.調達の最適化(発注及び入札の見直し、技術競争、民間技術力の活用)

4 その他

事業の投資効果分析(なお、事業実施により得られる効用や事業を休止又は中止することの問題点の検証を行うことも、当該事業の投資効果の分析の一手法と考えられる。)

第5 評価の結果等の公表及び報告

1 評価の結果及びこれに基づく対応の公表及び厚生労働省への報告に当たっては、次の事項を明確にするよう行うこと。

(1)事前評価

新技術の活用、資源循環の促進、管理の見直し、費用対便益分析(費用便益比 (CBR:Cost Benefit Ratio、いわゆるB/C)の内容の明確化)、コスト縮減、代替案の検証

(2)再評価

[1] 事業を継続する場合:継続する必要性

[2] 事業計画を見直す場合:具体的な見直しの内容、見直しに至った経緯及び費用対便益分析における費用便益比の見直し

[3] 事業を休止する場合:休止に至った経緯(再評価時までの情勢の変化等)及び再開の目途並びに再開するための基準

[4] 事業を中止する場合:中止に至った経緯(再評価時までの情勢の変化等)

2 内閣府及び国土交通省の予算計上に係る事業についての評価の結果等の公表等の時期については、厚生労働省及び当該府省と調整すること。

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