土地対策担当部長あて
記
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別表
九 宅地の造成等に要する費用の算定方法について
(1) 宅地の造成等に要する工事費について
ア 宅地の造成等に要する工事費とは、本工事費、附帯工事費その他の造成に直接必要とする工事費のほか建物その他の工作物の移転費、除却費及び当該造成に伴い当然発生する道路、公園等の敷地に提供される用地取得費を含むものである。
宅地の造成に直接必要とする工事費の範囲は、別記三に掲げるとおりである。
イ 工事費の適正額の判定は「土木請負工事工事費積算要領」(建設省官技第三四号、昭和四二年七月二〇日)、「土木請負工事工事費積算基準」(建設省官技第三五号、昭和四二年七月二〇日、一部改正建設省官技第四四号、昭和四四年五月九日)、「昭和四九年度建設省建設工事積算資料について」(建設省官技第二〇九号、昭和四九年九月一一日)等に準じ設計書、積算明細書等により行うものとする。
(2) 公共公益施設負担金について
いわゆる公共公益施設負担金とは、宅地の造成に伴う公共施設又は公益的施設に係る負担(現物による提供を含む。)のことであるが、この取扱いは法の趣旨からして当該宅地の造成に必要とされる範囲に限られるべきものと考える。したがって、知事はこの額の認定にあたっては的確な判定が必要であるとともに、場合によっては公共公益施設負担金を課している市町村等の調整を行い最終的な額の認定をすることも必要となるものである。
(3) 販売費及び一般管理費について
宅地の造成及び販売段階における販売費及び一般管理費に該当する費用項目は、別記四に掲げるところであるが、現実の積算においては、各年ごとの標準的投下費用(土地取得費及び造成費)に当該年に対応する保有等期間を乗じて得た額の合計額に四パーセントを乗じて得た額を基準とすることができるものとする。
(4) 宅地の造成等に充当する資金に要する費用
この費用に該当するものは、以上の宅地の造成等に要する費用を調達する借入れ資金に対する利子相当額及び自己資金に対する報酬相当額であり、いわゆる適正利益として扱われる範囲のものである。適正利益は、各宅地造成によりそれぞれ異なるものであるが、現実の積算においては、原則として(1)から(3)までの合計額に別記六により算定した宅地の造成等に要する資金に対する適正利益率を乗じて得た額を基準とすることができるものとする。
一〇 土地の管理に要した費用について
遊休土地の買取り価格は、法第三三条の規定により、令第二二条の算定方式による基準価格を基準とし、当該土地の取得の対価の額及び当該土地の管理に要した費用の額を勘案して算定することとされている。この趣旨は、遊休土地の買取りが結果的に投機的取引の容認につながることのないよう、基準価格そのものではなく、当該土地の原価を考慮した価額とするものであり、したがって、土地の取得の対価の額及び土地の管理に要した費用の額を勘案する場合とは、当該土地の原価が当該土地の基準価格を下回るときに限られるものである。
土地の管理に要した費用とは、草刈り、除草、囲障の新設補修見廻り、防災工事等の直接的な費用及び公租公課、出張費等の間接的な費用である。
なお、当該土地について宅地の造成等のための費用を負担した場合には、当該費用を土地の管理に要した費用として勘案することとなる。
第三 その他
一 価格審査における実務上の手続について
価格審査は、局長通達第五、第七及び第八並びに本通達第二により行うべきものであるが、実務上の手続としては、おおむね次の方法により価格審査事務を進めることとしてさしつかえないものである。
(1) 届出の場合
ア 固定資産税評価額倍率方式を適用して価格を算定すべき場合にあっては、第二の一による算定を行い、著しく適正を欠くおそれがないものと認められる場合には勧告又は価格修正指導をしない。
イ 標準地比準方式を適用して価格を算定すべき場合にあっては、別添二の住宅地及び商業地の価格の簡便算定方法による概略試算を行い、著しく適正を欠くおそれがないものと認められる場合には勧告又は価格修正指導をしない。この場合において、アに準じて行う試算も参考になるものと思われる。
ウ 独自評価により価格を算定すべき場合にあっては、相続税評価に係る倍率、鑑定評価先例、精通者意見等を参考としてその地域のおおよその価格水準を把握し、著しく適正を欠くおそれがないものと認められる場合には勧告又は価格修正指導をしない。
エ 大規模取引に係る届出又は事前確認については、鑑定評価書が添付されている場合においても、原則として、アからウまでの方法による審査を行うものとする。ただし、添付された鑑定評価書の内容について、標準地又は基準地の公示価格又は標準価格に比準して適正に価格算定が行われているか否か、取引事例比較法、収益還元法、原価法等が適切に適用されているか否か等の検証を行い、当該鑑定評価書の内容から基準価格が判定できる場合にあっては、これにより審査を了して差し支えない。
オ 届出価格が著しく適正を欠くおそれがあると認められるときは、第二において述べたところにより、基準価格の判定を慎重に行ったうえ、勧告又は価額修正指導を行うか否かを判断するものとする。この場合において、勧告又は価額修正指導を行うときは、原則として、一又は二以上の鑑定評価書を徴し、基準価格の判定を行うものとする。
(2) 許可申請の場合
ア (1)のアからウまでに準じる方法による審査を行い、適正を欠くおそれがないものと認められる場合には許可する。
イ アの審査により、許可申請価格が適正を欠くおそれがあると認められる場合には、(1)のオに準ずる方法により、許可するか否かを判定するものとする。
二 価格審査における窓口事務について
許可申請書又は届出書は市町村長を経由し、都道府県知事に当該市町村長の意見とともに送付されることとなるが、この場合において、市町村は次に掲げる事項を調査し、併せて報告するものとする。
(1) 基準価格の算定方法として、固定資産税評価額倍率方式、標準地比準方式又は独自評価による方法のうち妥当と認められるもの。
(2) 固定資産税評価額倍率方式を用いて基準価格を算定することが妥当であると認められる場合、許可申請又は届出に係る土地の単位面積当たりの固定資産税評価額並びに適用すべき倍率及び当該倍率の算定方法。
(3) 標準地比準方式を用いて基準価格を算定することが妥当であると認められる場合、許可申請又は届出に係る土地と類似の利用価値を有すると認められる標準地又は基準地の公示価格又は標準価格並びに価格比準のための各比較項目の調査。
(4) 許可申請又は届出に係る土地に関する権利が土地に関する地上権又は賃借権である場合は近傍類地に関する当該権利と同種の権利に係る地代又は借賃、権利金、権利の存続期間その他の契約内容並びに慣行借地権割合。
(5) 許可申請又は届出に係る土地が、規則第九条に規定する要件に該当する一団の土地の区域内に所在し、かつ、当該一団の土地に係る土地の所有者のうち相当数の者が同時に許可申請又は届出をした場合、(局長通達第七の事前指導に依る場合を除く。)令第七条第二項(令第八条第二項、及び第一八条において準用する場合を含む。)の規定により相当な価額を算定することとなるが、この場合における状況類似地区の区分及び代表地の選定の適否。
三 限定価格について
隣地買収等に関係して求められる限定価格については、政令における基準価格とは認められないこととなったが、限定価格に係る取引により現に行われている土地利用の単位が拡大されること等により土地の効用が増大する場合においてはその経済価値の増加すると認められるものを「適正を欠く」又は「著しく適正を欠く」の運用上特に配慮することができるものである。
この場合において運用上特に配慮することができると考えられる経済価値の増加分の取扱いについては、次によるものとする。
(1) 借地権と底地との併合を目的とする取引のうち、借地人が底地を買い取る場合の経済価値の増加分は、賃貸借契約等による使用方法の制約(例えば堅固な建物の建設が可能な地域で非堅固な建物の借地権が設定されている場合)等が併合により解除され、その結果、当該制約等による減価部分が回復されることとなるので、当該回復部分に相当する額を考慮して判定する。また、地主が借地権を買い取る場合の経済価値の増加分は、当該経済価値の増加分のうち適正と認められる額を借地権へ配分するが、この配分額の判定にあたっては名義書替料の額を考慮しなければならない。
(2) 隣地買収等の隣接地の併合を目的とする取引に係る経済価値の増加分は、当該経済価値の増加分のうち、併合される土地が併合後の土地の効用の増大に寄与する割合を標準として適正と認められる額を当該土地への配分とする。
四 消費税額の取扱いについて
価格審査において、消費税の課税対象となるものの額については、消費税額(消費税額と地方消費税額を合わせた額)に相当する額を含む額とする。
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附 則 (平成元年一月二六日 元国土利第六号、元国土地第一七号) 1 改正後の規定は、平成元年四月一日以後の届出及び事前確認申請について適用する。ただし、4、5又は6に該当する同年四月一日以後の届出及び事前確認申請については、この限りでない。
2 平成元年三月三一日までの間に、同年四月一日以後に引渡しを行うため、予定対価の額に消費税額に相当する額が含まれることとなる届出又は事前確認申請を行おうとする場合には、下記によるものとする。
(1) 届出書又は確認申請書に同年三月三一日以前に引渡しを行う場合の額を下段に、同年四月一日以後に引渡しを行う場合の額を上段に( )書きで記載させること。
(2) 同年四月一日以後にのみ引渡しを行う場合は、届出書又は確認申請書にその場合の額のみを( )書きで記載させること。
(3) 届出書又は確認申請書に( )書きで記載された予定対価の額については同年四月一日以後に引渡しを行うものに限って有効である旨を不勧告通知書及び確認書に附記すること。
(4) 同年三月三一日以前に勧告を行う場合には、勧告書に同年三月三一日以前に引渡しを行う場合の勧告事項と同年四月一日以後に引渡しを行う場合の勧告事項を併記すること。
3 平成元年二月一八日以前に届出又は事前確認申請が行われ、審査中であるが、同年四月一日以後に引渡しが行われるため、消費税の転嫁のみにより当該届出又は事前確認申請に係る予定対価の額を増額して契約を締結しようとする場合には、新たな届出又は事前確認申請が行われることとなるが、この場の届出又は事前確認申請の取扱いについては、下記によるものとする。
(1) 従前の届出又は事前確認申請を取り下げたうえで、新たな届出又は事前確認申請を行わせること。
(2) 届出書又は確認申請書に同年三月三一日以前に引渡しを行う場合の額を下段に、同年四月一日以後に引渡しを行う場合の額を上段に( )書きで記載させること。
(3) 同年四月一日以後にのみ引渡しを行う場合は、届出書又は確認申請書にその場合の額のみを( )書きで記載させること。
(4) 不勧告通知書及び確認書には、当該不勧告通知又は確認に係る届出書又は確認申請書に( )書きで記載された予定対価の額については同年四月一日以後に引渡しを行うものに限って有効である旨を附記する。
(5) 同年三月三一日以前に勧告を行う場合には、勧告書に同年三月三一日以前に引渡しを行う場合の勧告事項と同年四月一日以後に引渡しを行う場合の勧告事項を併記すること。
(6) 事務処理については、従前の届出又は事前確認申請との関連において可及的速やかに了するよう努めることとし、手続についても簡素化に努めること。
(7) 添付図書については、既に提出されたものをもって代えることができるものとすること。
4 不勧告通知がなされ、かつ、当該不勧告通知に係る契約における引渡しが平成元年四月一日以後に行われるため、消費税の転嫁のみにより当該不勧告通知に係る予定対価の額を増額して契約を締結しようとする場合には、新たな届出が行われることとなるが、この場合の届出の取扱いについては、下記によるものとする。ただし、昭和六三年一二月二九日以前又は平成元年二月一九日以後に当該不勧告通知に係る契約が締結された場合については、この限りでない。
(1) 届出書の記載事項のうち、同年四月一日以後に引渡しを行う場合の額については、( )書きで記載させること。
(2) ( )書きで記載された箇所以外については、従前の審査結果を活用できるものはこれを用いること。
(3) 新たな不勧告通知書には、当該不勧告通知に係る届出書に( )書きで記載された予定対価の額については同年四月一日以後に引渡しを行うものに限って有効である旨を附記すること。
(4) 事務処理については、可及的速やかに了するよう努めることとし、手続についても簡素化に努めること。
(5) 添付図書については、既に提出されたものをもって代えることができるものとすること。
5 確認を受けて締結しようとする契約における引渡しが平成元年四月一日以後に行われるため、消費税の転嫁のみにより当該確認に係る予定対価の額を増額して分譲を行おうとする場合には、新たな事前確認申請が行われることとなるが、この場合の事前確認申請の取扱いについては、下記によるものとする。ただし、新たな事前確認申請を行おうとする日の翌日から起算して従前の確認に係る有効期間の満了日の日までの期間が一〇日間に満たない場合については、この限りでない。
(1) 確認申請書の記載事項のうち、同年四月一日以後に引渡しを行う場合の額については、( )書きで記載させること。
(2) ( )書きで記載された箇所以外については、従前の審査結果を活用できるものはこれを用いること。
(3) 新たな確認書には、当該確認に係る確認申請書に( )書きで記載された予定対価の額については同年四月一日以後に引渡しを行うものに限って有効である旨を附記すること。
(4) 新たな確認の有効期間については、従前の確認に係る有効期間の満了日をもってその満了日とすること。ただし、同年三月三一日以前の申請に基づき従前の確認の有効期間が延長された場合には、当該延長された有効期間の満了日をもって、新たな確認の有効期間の満了日として取り扱うこと。
(5) 事務処理については、可及的速やかに了するよう努めることとし、手続についても簡素化に努めること。
(6) 添付図書については、既に提出されたものをもって代えることができるものとすること。
また、確認を受けて締結された契約における引渡しが平成元年四月一日以後に行われるため、消費税の転嫁のみにより対価の額を増額し、当該確認に係る予定対価の額を超えて新たに契約を締結しようとする場合には、新たな届出が行われることとなるが、この場合の届出の取扱いについては、4の(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)を準用することとする。ただし、昭和六三年一二月二九日以前又は平成元年三月一日以後に当該確認に係る契約が締結された場合については、この限りでない。
6 勧告がなされ、かつ、当該勧告に基づき締結しようとする契約における引渡しが平成元年四月一日以後に行われるため、消費税の転嫁のみにより当該契約に係る対価の額が勧告事項に記載された許容上限価額を超える場合には、当該勧告に従わないことになり、公表される場合があるため、あらかじめ、その転嫁された消費税額に相当する額が適正であるか否かを判断することが必要であるので、都道府県又は政令指定都市の担当課において勧告を受けた者から相談を受け付けるものとする。
また、勧告がなされ、かつ、当該勧告に基づき締結された契約における引渡しが平成元年四月一日以後に行われるため、消費税の転嫁のみにより対価の額を増額し、当該勧告事項に記載された許容上限価額を超えて新たに契約を締結しようとする場合には、新たな届出が行われることとなるが、この場合の届出の取扱いについては、4の(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)を準用することとする。この場合においても、都道府県又は政令指定都市の担当課において当該届出を行う者からの相談を受け付けるものとする。ただし、昭和六三年一二月二九日以前又は平成元年二月一九日以後に当該勧告に係る契約が締結された場合については、この限りでない。
7 2、3、4及び5に係る価格審査並びに6の取扱いに当たっては、適正な消費税額に相当する額を勘案するものとする。
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附 則 (平成八年八月二六日 八国土利第一九一号、八国土地第二六三号) 1 改正後の規定は、平成九年四月一日以後の届出及び事前確認申請について適用する。
2 平成九年三月三一日までの間に、同年四月一日以後に引渡しを行うため予定対価の額に消費税と地方消費税を合わせた税率五%が適用される場合の税額に相当する額が含まれることとなる届出又は事前確認申請を行おうとする場合には、下記によるものとする。
(1) 届出書又は確認申請書の予定対価の額の欄に、消費税率三%が適用される場合の額を下段に、消費税と地方消費税を合わせた税率五%が適用される場合の額を上段に( )書きで記載させること。
(2) (1)のうち、平成八年一〇月一日以後にのみ契約の締結を行い、かつ、平成九年四月一日以後にのみ引渡しを行う場合は、届出書又は確認申請書の予定対価の額の欄に、消費税と地方消費税を合わせた税率五%が適用される場合の額のみを( )書きで記載させること。
(3) 届出書又は確認申請書に( )書きで記載された予定対価の額については、消費税と地方消費税を合わせた税率五%が適用される場合に限って有効である旨を不勧告通知書及び確認書に附記すること。
(4) 平成九年三月三一日以前に勧告を行う場合には、勧告書に消費税率三%が適用される場合の勧告事項と消費税と地方消費税を合わせた税率五%が適用される場合の勧告事項を併記すること。
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別記一 <別添資料>![]() |
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別記二 土地と建物を一括譲渡する場合の建物の譲渡価額相当額の算定について <別添資料>![]() |
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別記三 宅地の造成等に要する工事費 <別添資料>![]() |
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別記四 販売費及び一般管理費 <別添資料>![]() |
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別記五 販売費及び一般管理費の積算例 <別添資料>![]() |
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別記六 適正利益率の算定方法について <別添資料>![]() |
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