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平成13年度観光の状況に関する年次報告

第8章 観光基盤施設の整備

第1節 ●旅客輸送施設の整備

2 道路の整備と公共交通機関等による輸送サービスの向上



  (1) 道路

1)高規格幹線道路と地域高規格道路
高速自動車国道については,13年度に東北横断自動車道,酒田~酒田みなと等新たに計8区間を供用し,全体供用延長は6,959kmとなった。
一般国道の自動車専用道路については,13年度までの供用延長は387kmとなっている。また,高速自動車国道と並行する一般国道の自動車専用道路については,13年度までの供用延長は507kmとなっている。
また,高速道路等のサービスエリア・パーキングエリアとその周辺地区を一体的・計画的に整備を図ることにより,地域の活性化に資する地域拠点整備事業を進めており,供用中15か所,事業中4か所となった。また,平成10年の高速自動車国道法の一部改正により民間事業者による商業施設等と高速自動車国道との連結が可能となり,供用中2か所となっている。
さらに,全国的な高規格幹線道路と一体となって,高い走行サービスを提供できる規格の高い幹線道路網を形成する地域高規格道路については,路線の指定(候補路線110路線,計画路線186路線),区間の指定(調査区間約1,163km,整備区間2,873km)を踏まえて整備を推進した。
加えて,車載機にリアルタイム情報を提供することがVICSの特徴であるため,全国の高速道路と37都道府県へサービスを拡大した他,ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)の本格運用を開始する等ITS(高度道路交通システム)の導入・展開を推進した。

東北横断自動車道(酒田~酒田みなと)開通式




ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)




表8-1-1 高規格幹線道路等の整備状況



2)一般国道と地方道
一般国道及び地方道において,道路ネットワークの整備を進めた。
地形的な制約により相互の交流が遅れている地域間の交流を促進し,地域の活性化を図る「交流ふれあいトンネル・橋梁整備事業」を推進した。
主要な幹線道路等において,安全で快適な道路交通環境及び地域交流の核を形成するため,物産館等の地域振興施設と休憩施設を一体的に整備する「道の駅」の整備を推進した。
また,まちづくりと一体となったみちづくりを実施し,面的に質の高い道路空間整備を行う「くらしのみちづくり事業」を推進した。
加えて,案内標識の整備を推進するとともに,外国人利用者の利便性の向上を図るため,案内標識に英語併用表示を行った。

表8-1-2 一般道路の整備状況



3)有料道路
日本道路公団による一般有料道路については,首都圏中央連絡自動車道(八王子~鶴ケ島)等継続38路線の事業を促進するとともに,新たに首都圏中央連絡自動車道(つくば~江戸崎)の整備に着手し,仙台東部道路等7路線を供用した。
また,地方道路公社による一般有料道路は,継続16路線の整備を推進するとともに,新たに中部国際空港連絡道路等4路線の整備に着手し,福岡前原道路(II期)等3路線を供用した。
4)都市交通対策
都市内道路の体系的な整備を図り,連続立体交差事業や交通結節点等の整備を促進,安全な歩行空間整備を推進するほか,TDM施策を推進し,都市内交通の円滑化を進めた。
さらに,駐車需要が集中する地区において,駐車場の位置,利用状況等の案内を行う駐車場案内システム,駐車場の位置等に関する情報と交通渋滞の状況等に関する情報とを運転者に一体的に提供し,空き駐車場へ誘導する駐車誘導システムの整備を推進した。
5)一般自動車道
一般自動車道は,観光振興に重要な役割を果たしており,13年12月末現在,33事業者,44路線(総延長411.6km)が供用されている。このうち,国立公園区域内に20路線,国定公園区域内に12路線,県立公園区域内に6路線あり,これらの路線は全路線の約86%を占めている。

  (2) バスターミナル

バスターミナルは,バス輸送の効率化と道路交通の円滑化の観点からはもとより,観光の拠点として各都市でその整備が進められている。「自動車ターミナル法」の一般バスターミナルは,13年12月末現在で25か所が供用されている。

  (3) バス・タクシー

貸切バスは,団体での旅行やパック旅行等の移動手段として重要な役割を果たしている。また,特定のゾーンにおける標準的な観光コースを定めた行先別運賃・料金の設定,ハイグレードな車両や特殊な装備を有する車両の導入等による利用者ニーズへの対応が行われ,小グループによる旅行,レジャーの増加に対応した小型バスの拡充が図られている。
乗合バスも観光地を経由する路線の設定,数か所の名所・旧跡等の観光をパッケージにした定期観光バスの運行,都市間を結ぶ高速バス路線網の充実など,観光地を訪れる者の移動に大きな役割を果たしている。12年度末現在高速バスは,158事業者,1,617系統が運行されている。
タクシーは,時間,距離等に縛られない個別的な輸送機関としての性質を有しており,観光に適した時間制運賃や一定の観光コースを運行する観光ルート別運賃の設定,観光型乗合タクシーの運行等により,利用者利便の向上を図っている。

リフト付バス




  (4) レンタカー

レンタカー事業は,豊富な車種を揃え,利用者の使用目的にかなったサービスを提供すること,料金の低廉化等により,年々着実な伸びを示し,12年度末現在の保有車両は29万8,000台と対前年比6%増であり,過去10年間で約1.6倍の伸びを示している。
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