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平成13年度観光の状況に関する年次報告

第9章 観光に係る安全確保対策

第1節 ●日本人海外旅行者の安全確保

2 事故・事件への対応と安全対策



  (1) 迅速かつ適切な援護と積極的な情報提供・広報活動

事故・事件に遭った日本人に対しては迅速かつ適切な援護に努める一方,外務省「海外安全相談センター」を通じて情報提供,広報活動を行った。
1) 「外務省海外危険情報」として,渡航或いは滞在に当たって通常以上の特別な注意が必要な国・地域の治安状況等を5段階の危険度に区分しインターネット「外務省・海外安全ホームページ」に掲載したほか,我が国旅行業界や都道府県の旅券発給窓口等を通じ一般国民に広く周知を図った。13年は237件に上り,うち主なものは表9-1-2のとおりである。

表9-1-2 主な渡航情報発出一覧



2) 「海外安全相談センター情報」として外務省ホームページを通じ日本人旅行者をねらった犯罪手口及びその防犯対策や,テロ情勢,流行病の発生状況等を提供した。13年は計344件に上り,うち主なものは表9-1-3のとおりである。

表9-1-3 主な海外安全相談センター情報発出一覧



3) 180カ国以上の「国・地域別海外安全情報」を外務省ホームページを通じ提供するとともに「国別・海外安全情報FAXサービス」,「海外安全テレフォンサービス」及び成田空港,関西空港,名古屋空港の出発ロビー等に設置された「海外安全情報タッチビジョン」を通じ提供した。
4) 海外旅行中の安全・防犯のためのポイントを紹介したビデオやテロ予防のノウハウを紹介するビデオの作成・貸出を行った。
また,海外旅行のトラブル防止のポイントを取りまとめた小冊子や,テロを予防するための小冊子の配布を行った。
5) 国民一人一人の海外安全意識を高めるため,毎年「海外安全週間」を実施している。13年度は6月18日から24日までと11月19日から25日までの2回実施し,ポスターやチラシ,カレンダーを作成して全国的に配布すると共に,新聞,雑誌,インターネット等を活用した広報活動や福岡市及び札幌市での海外安全セミナー等の実施により,海外安全意識の啓発強化を図った。
6) 海外修学旅行安全対策として,都道府県等からの依頼を受けて,安全対策に関する資料を学校に送付するとともに,旅行先を管轄する在外公館に旅行計画書を配付した。

  (2) 国際観光振興会による情報提供

国際観光振興会は,日本人海外旅行者の安全確保のための情報提供として「海外旅行情報」,「目でみる安全な旅のヒント」,「安全な楽しい旅のために」などを旅行者に配布しているほか,一般消費者向けに「海外旅行安全セミナー」を実施している。また,各海外観光宣伝事務所においては,日本人海外旅行者に対する旅行の安全に関する情報の提供と相談・案内業務を行っている。さらに,同会が中心となり,現地の日本の旅行業者,航空事業者等とともに日本人旅行者の安全対策のための体制を整備し,総合的なノウハウの蓄積を行っている。

  (3) 旅行業者を通じた啓発活動

1) 渡航情報
「渡航情報」を,旅行業者を通じ,書面で交付することにより,旅行者に周知徹底を図っている。

  (4) 旅券に関する広報啓発

近年の海外渡航者数の増加に伴って,現在,有効な旅券は3,000万冊に上り,国民の4人に1人が旅券を所持する状況になっている。それに伴い,旅券に対する認識不足や不注意による旅券の紛失・盗難の件数が増えている。このような現状を勘案して,毎年「旅券の日」(2月20日)を中心に,旅券の重要性や国内外での旅券の紛失・盗難防止に関する認識を高めるため,全国の旅券事務所等と協力して広報啓発を行ってきている。平成14年は,女優の米倉涼子をポスター等のイメージキャラクターに起用した。
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