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平成14年度観光の状況に関する年次報告

第8章 観光に係る安全確保対策

第6節 遭難の状況と防止対策の推進

1 山岳遭難の防止対策



  (1) 概況

平成14年中の全国における山岳遭難は,発生件数1,348件,全遭難者数1,631人で,前年と比べ,発生件数で128件(10.5%),遭難者数で161人(11.0%)増加した。
遭難の特徴としては,1)遭難者に占める中高年登山者の比率が依然として高いこと,2)体力及び技術の不足をはじめ,気象判断の誤りや装備の不備,登山計画書の未提出等の登山の基本的な知識や技術を欠いたことによる遭難が多いこと,3)遭難が発生した際に自救能力のないパーティが多いこと,4)ツアー登山では,参加者自身の体力・健康などの問題やガイドの人員不足,経験不足により,ガイドが登山者に同行していながら遭難するケースが多いこと等が挙げられる。

  (2) 防止対策

山岳遭難の防止のために,山岳救助隊等を設置して救助体制を確立するとともに,山岳遭難の発生実態の把握及び分析を行い,インターネットをはじめ,各種の広報媒体を通じて,国民に登山の留意事項,山岳情報等を積極的に提供して,安全登山の啓もうに努めたほか,関係機関,団体等と連携して,登山道における危険箇所の点検,道標の整備及び登山者に対する安全登山の指導を行うなどの諸対策を推進した。
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