平成14年度観光の状況に関する年次報告
第8章 観光に係る安全確保対策
第6節 遭難の状況と防止対策の推進
2 水難の防止対策
平成14年中における水難は,発生件数1,722件,死者数(行方不明者を含む。以下同じ)977人であった。
これを前年と比較すると,発生件数で9件(0.5%),死者数で81人(7.7%)減少した。死者のうち,中学生以下の子供は91人で,前年に比べ13人(12.5%)減少し,全体の9.3%を占めている。また,遭難して救助された者は1,041人であった。
水難の発生は,例年,6月から8月に集中しており,平成14年においても,この3か月で929件発生し,死者数は年間死者数の49.4%に当たる483人であった。
14年夏期の主な水浴場への人出は約3,874万人と,前年に比べ約229万人(5.9%)減少し,水死者数は47人(8.9%)減少した。
都道府県,市町村,警察,消防,海上保安庁及び学校等関係機関,団体の連携の下に,地域住民の水難防止意識の高揚を図り,重点的かつ実践的な水難防止活動を行っている。
関係機関等において,水難が発生しやすい危険箇所を調査の上,危険区域の設定,表示,柵やふたの設置等保全措置の促進,緊急救助体制の確立,救助用資機材の整備充実に努めたほか,特に幼児に対する保護者の監護及び小中学生に対する安全教育を徹底し,その実効を期した。さらに,海浜パトロールや船舶・航空機等による監視活動を強化し,水難防止の呼び掛け,遭難者の早期発見,救出救護に努めるとともに,各地で水難防止に関する広報を行ったほか,救急法講習会や各種の救助訓練を実施した。
また,マリンレジャー活動の活発化する時期及び海域を考慮した巡視船艇・航空機の効率的な運用により,迅速かつ的確な救助に努めた。
さらに,相模湾は全国的にもマリンレジャーが盛んである一方で海浜事故の発生頻度も高いことから,海上保安庁では地域に密着して事故の未然防止活動や安全情報の提供活動を行うために,平成14年4月1日横須賀海上保安部湘南海上保安署を発足させた。
近年,河川をフィールドとした活動が多様化していることから,河川管理者や地元自治体,水面利用者が一体となって,河川の安全利用を進めるための水面利用者マップの作成,安全講習の実施等を推進した。
また,河川施設等の施設の安全性について一斉点検を行い,応急措置が必要な箇所については,立入禁止や注意を呼びかける看板を設置した。
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