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平成15年度観光の状況に関する年次報告

第7章 観光に係る安全確保対策

第1節 日本人海外旅行者の安全確保

2 事故・事件への対応と安全対策



  (1) 迅速かつ適切な援護と積極的な情報提供・広報活動

事件・事故にあった日本人に対して,迅速かつ適切な援護に努める一方,事故防止のため外務省海外安全相談センター等より情報提供,広報活動を行った。
1)国では「渡航情報(危険情報等)」の提供を行っている。危険情報は,渡航・滞在に当たって特に注意が必要な国・地域について,4つの区分(表7-1-2(注)参照)で治安情勢と安全対策の目安を表記し,外務省「海外安全ホームページ」を通じて情報提供を行ったほか,国内旅行業界や都道府県旅券担当窓口を通じ,国民に広く周知を図った。平成15年の危険情報発出数は273件に上り,うち主なものは表7-1-2のとおりである。
2)「スポット情報」として,各国・地域の治安情勢や事件・事故の詳細を速報的に発出するとともに,国際テロの動向など複数の国にまたがる広い範囲で注意が必要な情報を「広域情報」として発出した。15年の「スポット情報」発出数は435件,「広域情報」発出数は61件に上り,主なものは表7-1-3,表7-1-4のとおりである。
3)各国の一般的な犯罪状況や出入国に関する注意事項等を取りまとめた情報(「安全対策基礎データ」)や,「海外安全ホームページ」を始め,「海外安全FAXサービス」等を通じ提供した。
4)海外旅行中の安全・防犯のためのポイントを紹介したビデオの作成・貸出を行った。また,海外旅行のトラブル防止のポイントを取りまとめた小冊子の作成・配布を行った。
5)国民一人一人の海外安全意識を高めるため,年末年始の渡航シーズンを前にした12月に「海外安全キャンペーン」を実施した。
6)海外修学旅行安全対策として,都道府県等からの依頼を受けて,安全対策に関する資料を学校に送付するとともに,事前に旅行先を管轄する在外公館に旅行計画書を送付した。(15年の届出件数は577件)

表7-1-1 日本人が被害者となった主な事故・事件一覧




表7-1-2 主な危険情報発出一覧




表7-1-3 主なスポット情報発出一覧




表7-1-4 主な広域情報発出一覧




  (2) 旅券に関する広報啓発

旅券(パスポート)に対する認識不足や不注意による紛失,盗難の軽減を図るため,2月20日の「旅券の日」を中心に全国都道府県旅券事務所や関係省庁と協力し,旅券及びその管理の重要性についての広報啓発を行った。また,米国が出入国管理強化政策の一環として「機械読取式でない旅券」所持者に対し査証免除を停止する旨決定したことに対応して,「機械読取式旅券」への切り替えを希望する場合は,残存有効期間の長さにかかわらず申請を受け付けることとし,その手続きの広報を行った。
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