前(節)へ   次(節)へ
平成16年度において講じようとする観光政策

第3章 観光交流空間の形成に向けた取組み

第1節 観光地の魅力の向上

2 魅力ある観光地を演出する良好な空間形成



  (1) 良好な景観形成の推進

1)景観及び緑に関する法制の整備
全国各地で,観光地を含む都市,農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため,良好な景観の形成に関する基本理念及び国,地方公共団体等の責務を定めるとともに,良好な景観形成のための規制制度や支援措置等を盛り込んだ景観法案の新たな制定や,広告物と広告業に関する措置の両面からの取組みの充実を図るべく屋外広告物法の一部改正を図る。
また,景観上重要な構成要素の一つである都市における緑地の保全及び緑化等を推進するため,緑地保全地域における緑地の保全のための規制及び緑化地域における緑化率規制の導入,立体都市公園制度の創設等所要の措置を講ずるべく都市緑地保全法等の一部改正を図る。

  (2) 良好な街並みの形成

良好な都市景観の形成を図り地域特性を活かしたまちづくりを進めるため,地方公共団体による景観法案に基づく景観計画の策定を進めるとともに,風致地区等の地域地区,地区計画及び新たに設けられる景観地区など都市計画手法の活用を推進する。また,景観計画の区域内の景観上重要な建造物を景観重要建造物として指定し,積極的な保全を図る取組みを支援する。さらに,一部改正を行う屋外広告物法及び条例により,屋外広告物及び屋外広告業に関する措置の両面からの取組みを図る。
さらに,ふるさとの顔づくりモデル土地区画整理事業,歴史的建築物等活用型再開発事業,優良建築物等整備事業,都市山麓グリーンベルト整備事業を推進する。
また,住宅マスタープランの策定を通じ景観に配慮した住宅,街なみ整備等を推進する。

  (3) 良好な農山漁村空間の形成

都市住民にも魅力ある地域環境を形成するため,住民参加を図りつつ,地域の多彩なニーズに応じた総合的な整備を目的に都道府県や市町村が行う農村振興総合整備事業を補助する。
農村地域の地域資源を歴史的,文化的観点から再評価し,伝統的農業施設,美しい農村景観等の地域特性を活かした整備等を実施する。

  (4) 良好な水辺空間の形成

豊かで潤いのある水辺景観の形成を図るため水辺空間整備を実施する。特に,「河川の再生」,「水の都の再生」などの都市再生決定プロジェクトを推進する。
また,地域の自主性を尊重し,個性的なまちづくりを推進する治水事業としてふるさとの川整備事業や,桜づつみモデル事業を実施する。
さらに,多自然型川づくり,マイタウン・マイリバー整備事業,スーパー堤防整備事業,河川環境整備事業,水と緑のネットワーク,水環境対策ダム事業,自然再生緑地整備事業,緑化重点地区総合整備事業,新世代下水道支援事業,都市水環境整備下水道事業を推進する。
景観に配慮した港湾施設の整備を実施するとともに,港湾の特色を活かした美しい景観形成を促進するため,港湾景観形成モデル事業を実施する。
農業水利施設の有する水辺空間等を活用し,都市住民にも開かれた豊かで潤いのある快適な水辺景観の創出による農村の活性化を図るため,親水・景観保全施設や生態系保全施設の整備について支援する。
三大都市圏に存する都市等緑とオープンスペースの確保が課題とされる都市において,「緑の基本計画」に基づき,都市公園の整備,緑地保全事業に加え,新たに民有緑地の公開に必要な施設整備を補助対象とし,これらを総合的に支援する緑地環境整備総合支援事業を創設することにより,都市域における水と緑のネットワークの形成を推進する。
また,公園・河川・道路等の事業間連携により効率的・効果的に緑を生み出す取り組みである「緑の回廊構想」を推進する。

  (5) 良好な道路空間の形成

電線類の地中化や道路のり面の樹林化,植樹帯の整備,景観に配慮した舗装や道路構造物の整備等を推進し,地域の自然や歴史・文化を活かした道路空間を創出するとともに,緑豊かで安らぎとうるおいのある道路景観整備の推進を図る。
また,各地域が主体的に実施する観光を活かした地域づくりを支援するため,賑わいの道づくり事業,シンボルロード整備事業,身近なまちづくり支援街路事業を推進する。

  (6) 良好な砂防空間の形成

擬岩による護岸工事等,観光地の魅力を損なわないよう景観等に配慮した砂防事業を推進する。
前(節)へ   次(節)へ
All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport