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平成16年度 観光の状況に関する年次報告

第3章 訪日促進を中心とする国際観光交流促進施策

第8節 世界の国々との観光交流強化の取組

2 国際機関等への協力を通じた国際観光促進



  (1) ASEAN+3域内の協力

日ASEAN首脳会議が平成16年11月30日、ラオス(ビエンチャン)で開催された。会議の中で小泉総理は、愛・地球博を契機にさらに日・ASEAN間の観光交流拡大に努力したい、ビジット・ジャパン・キャンペーンを推進したい旨発言した。
また、アセアン諸国及び日本、中国、韓国間の観光交流の促進を図るための共通の課題、提案等について各国観光担当大臣が討議する場として、ASEAN+3観光大臣会合が平成14年から毎年1回定期的に開催されている。
平成17年1月には、第4回会合が開かれ、スマトラ沖地震からの復興方策について議論が行われ、我が国からは「観光復興総合プログラム」として被災国の観光復興に積極的に協力していく方針を発表し、各国から歓迎の意が表された。
また、「愛・地球博」をはじめとする我が国の実施する観光に関連するイベントがASEAN+3地域の観光交流を促進するものとして改めて認識された。
「観光復興総合プログラム」の概要
1)観光地の被災状況調査と風評被害防止
被災観光地の被災状況を正確に把握するとともに、受入れに問題のない地域については、被災国と協力して、風評被害の防止を図るための措置について検討を行う。
2)被災観光地復旧・復興等施策の実施
観光客の受入体制が万全でない地域については、被災国からの支援要望に基づき、その復旧・復興に向けて、観光当局として最大限の支援を行うほか、ODA等の手法の活用も図る。

  (2) 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターに対する協力

東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター(日本アセアンセンター)は、日本・ASEAN諸国間の貿易、投資及び観光の促進を目的として設立された国際機関であり、我が国及びASEANの9か国が加盟し、資金拠出等を行っている。
観光分野について同センターは、我が国からASEAN諸国への観光促進を目的に、「アセアン観光フェア」の開催、「アセアン・ツーリズム・フォーラム」(ATF)へのミッション派遣、ASEAN諸国における日本観光セミナー、旅行業界向けのプロモーション、メディアを通じた観光プロモーション等の各種事業を実施している。
平成16年度は、新規事業として旅行業者向けに「ASEAN観光促進セミナー」を開催し、ASEAN地域への旅行の促進を図った。

  (3) 南太平洋経済交流支援センターに対する協力

南太平洋経済交流支援センター(通称:太平洋諸島センター)は、我が国と太平洋地域の国際機関である太平洋諸島フォーラム(略称PIF。太平洋地域の16の島嶼国・地域で構成する地域協力機構)が設立し、資金拠出を行っている国際機関である。同センターは、我が国と島嶼国との貿易・投資・観光の促進を目的としており、見本市への参加、島嶼国産品展示会・セミナーの開催、出版物の発行等を実施している。

  (4) (財)アジア太平洋観光交流センター(APTEC)による協力

(財)アジア太平洋観光交流センターは、世界観光機関(WTO)唯一の地域事務所であるアジア太平洋センターの活動を支援するとともに、アジア太平洋地域諸国との国際観光交流の促進を図るための事業を行っている。
平成16年度は、「日本-中央アジア文化・観光交流促進シンポジウム」の開催に大きな貢献をしたほか、堺観光交流促進ワークショップなどの観光交流による地域国際化の促進事業や観光に関する学術研究の支援等に取り組んでいる。
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