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平成16年度 観光の状況に関する年次報告

第8章 観光に係る安全対策

第3節 観光地、宿泊施設における安全対策の推進

3 観光地における安全対策



  (1) 林野火災防止対策

全国山火事予防運動(平成17年統一標語「小さな火 山に捨てると 大きな火」)を3月1日~7日まで実施し、ポスター、テレビ、新聞等を用いた広報活動や林野火災防御訓練等を通じて、火の不用意な取扱の注意を喚起し林野火災の防止を訴えるとともに、公益性の高い保養地において防火管理道を整備した。
また、林野火災の主な原因である人的失火を抑制し、林野火災を低減する「林野火災の有効な低減方策検討会」を開催し、検討を進めるとともに、林野火災発生時には近隣都道府県のヘリコプターによる消火活動を積極的に実施するなど迅速かつ広域的な対応力の強化を推進した。

  (2) 自然災害、集中豪雨、砂防、地震・火山対策

観光地の周辺の森林において、山崩れ、雪崩等の災害を防止するため、周辺の景観に配慮しつつ、治山事業等を実施し、安全の向上と併せて観光資源の質的向上に寄与した。
インターネットや携帯端末等を利用し、リアルタイムの観測情報を国民に提供するとともに、河川の流況などのライブ映像等を災害対策基本法上の指定公共機関であるNHKに提供することにより、TV報道を通じて、各家庭に情報が提供されるよう努めた。
豪雨や、地震・火山噴火等に起因する土砂災害のおそれがある観光地について、土砂災害を防止するため、砂防設備等の整備等のハード対策や、ITを活用した情報基盤の整備、火山ハザードマップの作成・公表の支援、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の設定等のソフト対策を推進した。
  COLUMN 23   

新潟県中越地震による観光への被害対策と今後の課題
平成16年10月23日に発生した新潟県中越地震を受けた上越新幹線の不通やいわゆる風評被害等によって、新潟県旅館組合に加盟している宿泊施設では予約のキャンセルが約42万件に上る(同年12月15日現在の同組合による試算)等、観光客の減少によって、新潟県内の観光は大きな被害を受け、その影響は第1次産業や食品業界・飲食店等にも広がることとなった。
このような情勢を受け、同年12月1日には、新潟県商工会議所連合会が中心となって「新潟県観光復興会議」が発足し、県内観光関係者や自治体、北陸信越運輸局、北陸地方整備局等の参画の下、新潟県の観光復興に向けた取組が進められた。
観光復興に向けて地域一丸となった取組を進めるため、各種シンポジウムの開催(観光立国シンポジウム(平成17年2月28日)等)の他、復興から更なる発展を目指して、1)全国規模のものを含め各種の総会、セミナー等の平成17~18年度における新潟県集中開催、2)官民一体となった国内キャンペーンの推進、3)ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)による外国人観光客の誘致拡大(平成16年度緊急対策としての台湾向け観光TV番組の撮影や韓国・台湾へのミッション派遣、平成17年度の新潟県VJC事業の重点実施等)に取り組んだ。
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