平成17年度観光の状況
第2章 観光の現状
第1節 国民の観光の動向
2 国民の海外旅行の動向
平成17年の海外旅行者数は約1,740万人となり、これは過去最高を記録した平成12年の約1,782万人に次ぐ人数となった。前年に比べると約57万人の増加で、対前年比3.4%増であった(図2‐1‐2)。
図2-1-2 日本人海外旅行者数の推移
月別にみると1月から4月は前年同期と比べて増加しているが、5月以降は総じて減少傾向であった。
新型肺炎(SARS)の流行による海外旅行の手控えが続いていた反動に加え、円高の進行により、海外旅行に割安感が働いたものと考えられる。
5月からは竹島領有権をめぐる日韓間の対立や中国各地で発生した反日デモの影響により、中韓両国への旅行を避ける傾向が強まった(図2‐1‐3)。
図2-1-3 日本人海外旅行者数の月別推移(平成17年)
なお、日本人海外旅行者数の国際ランキングを国際比較できる平成15年でみてみると、日本の1,330万人は世界で15位であり、アジアの中では第3位である(図2‐1‐4)。
図2-1-4 外国旅行者数国際ランキング(平成15年)外国旅行者数アジアランキング(平成15年)
データがほぼ出揃っている平成16年の日本人の海外旅行の旅行先(受入国・地域統計)をみると、上位5位は、アメリカ、中国、韓国、タイ、香港の順となっている。アメリカは、同時多発テロが起きた平成13年以降続いていた、毎年10%以上減の日本人海外旅行者の減少傾向を回復し、中国をはじめとする主要アジア諸国もSARSの影響により大幅な減少に転じた前年から大きく回復した(表2‐1‐5)。平成17年の統計はまだ得られていないが、旅行会社の主催する海外パッケージ旅行では、各方面とも反動増によりプラスに転じた中で、特に台湾は、初めて100万人を超え好調であった。
表2-1-5 日本人海外旅行者の各国別訪問者数(受入国(地域)統計)
海外旅行者の旅行日数をみると、平成17年は、5日以内が59.5%、10日以内が26.6%と前年に比べ5日以内の比率が増えている(図2‐1‐6)。
図2-1-6 日本人海外旅行者の滞在期間比率推移
平成17年の日本人の海外旅行者の性別構成をみると,男性は全体の56.0%にあたる970万人、女性は全体の44.0%にあたる761万人であり、女性の比率がわずかに増加した(図2‐1‐7)。平成16年からの旅行者数の増加率をみると、男性で約2%増、女性で約4%増であった。
図2-1-7 日本人海外旅行者の性別構成比の推移
年齢階層別にみると、男性の場合、30歳代が218万人(男性全体の22.4%)と最も多く、次いで40歳代215万人(同22.2%)の順となっているのに対し、女性の場合には20歳代が189万人(女性全体の24.9%)と最も多く、次いで30歳代162万人(同21.5%)の順となっている(図2‐1‐8)。
図2-1-8 日本人海外旅行者の性別・年齢階層別推移
平成17年の日本人海外旅行者の出国の際の輸送モードをみると、総数1,740万人のうち、1,719万人、全体の98.8%が航空機を利用している。空港別利用状況では、新東京国際空港(成田国際空港)利用がトップで、出国日本人全体の55.0%を占め、次いで関西国際空港利用が22.2%となっている。海上輸送は、21.6万人で、全体の1.2%となっている(表2‐1‐9)。
表2-1-9 出国日本人の旅客輸送の状況
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