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平成17年度観光の状況
第6章 観光産業の育成・高度化
第4節 教育関連機関等における人材育成の強化
2 観光を担う人材育成への取組
(1) 旅行業における人材育成の促進
旅行者に同行して、計画通り旅行が円滑に実施できるよう行程管理や代替手配を行う、いわゆる添乗員に対する研修の実施機関について、「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」(平成14年3月閣議決定)に基づく旅行業法の一部改正(平成16年6月9日改正、平成17年4月1日施行)により、従来の指定制度を登録制度に改めた。
これにより、研修実施機関は改正前の12機関から19機関に増加し、これら相互の競争を通じて、研修サービスの水準の向上、受講生の利便性の増進等が図られ、添乗員の担い手の育成環境が大幅に改善された。
また、ホテル・旅館等の観光関係従事者の訪日外国人対応レベルの向上を図るため、「外国人旅行者接遇研修会」を全国20箇所で開催した。
このほか、従来より観光関係功労者表彰を行っているが、平成17年度には、観光関係事業の現業部門に現に従事する専業の添乗員として、観光産業の発達改善に寄与し、その勤務成績が際立って優秀で人格円満にして他の模範となり後進の指導育成に尽力があった者に対して、初の運輸局長表彰を行った。
(2) 観光カリスマ百選の選定と観光カリスマ塾の実施
従来型の個性のない観光地が低迷する中、各観光地の魅力を高めるためには、観光振興を成功に導いた人々の類まれな努力に学ぶことが極めて効果が高く、各地で観光振興の核となる人を育てていくため、その先達となる人々を「観光カリスマ」として選定し、国土交通省のホームページ(http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/top.htm)に掲載するなどして公表している。
「観光カリスマ」は全国各地で住民と一緒になって、隠れた観光資源を掘り起こし、その魅力を発信しており、地域や街が知恵と工夫をこらして、住民が誇りを持ち、外部の人からも訪れたいと思われる場所に変わろうと奮闘している。
また、平成17年度も引き続き、「観光カリスマ」を講師として迎え、その成功のノウハウ伝授、活動の現場体験、受講生によるワークショップ等をセミナー形式で集中的に行い、次世代の地域の観光振興を担う人材育成を目指す「観光カリスマ塾」を各地で開催した。
全国の自治体職員や、観光関係者等が受講生となり、観光カリスマの講義に熱心に耳を傾け、現地視察にも意欲的に参加するとともに、受講生同士の情報交換の場として活用された。
(3) 観光経営人材の育成
我が国では、「観光立国」実現のための諸施策に取り組んでいるところであるが、観光分野におけるアジア諸国との国際競争がますます激化する中で、観光立国を実現するためには、外客誘致に精通し、地域の観光マネージメントや国際競争力を持った観光関連産業の経営を担う人材の育成が急務となっている。
そのため、学識経験者や観光政策や観光関連産業に直接携わっている実務家等で構成する「観光マネージメント高度化のための人材育成検討会」を開催し、観光立国を担うこれからの人材像とその育成の在り方について検討を行った。
また、観光プランニングに必要な経営技術とサービス実務双方に精通した専門人材の育成に向け、「集客交流(観光)経営人材育成事業」として、産官学の叡智を結集した事業運営委員会を開催し、教育プログラムの開発に着手した。
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