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平成17年度観光の状況

第7章 交通機関等の利便向上

第1節 旅客輸送機関等による観光の利便向上

2 自動車による観光の利便向上



  (1) バス・タクシー

貸切バスを利用した観光客は料金の低廉化等により年々増加しており、16年度の貸切バスの輸送人員は2.91億人と対前年度比4.7%増となっている。
タクシーについては、昨年に引き続き、一定期間外国人旅行者向けに電話通訳コールセンター(英語・中国語・韓国語)を開設し外国人旅行者の便宜を図るとともに、通訳ニーズ等についての調査を実施した。

  (2) レンタカー

レンタカー事業は、利用者の多様な使用目的に対応した豊富な車種揃え、カーナビ等車内装備の充実、料金の低廉化等により年々着実な伸びを示している。

  (3) 道路

外国人旅行者をはじめとする地理に不案内な観光客が、道路を通行して迷うことなく目的地に到着するためには、分かりやすい道路案内標識の整備が重要である。そのため、主要な幹線道路の交差点及び交差点付近においてルート番号等を用いた案内標識の設置や歩行者系の地図標識を活用した多言語表記の実施を推進した。

▲分かりやすい道路案内標識の例



  COLUMN 7 走りやすさマップ  

現在の地図は、道路を国道と県道といった「道路の種別」で識別しているが、実際の道路ユーザーにとっては、道路の種別より、むしろ道路の幅やカーブの大きさといった「道路の走りやすさ」が重要な情報となる。
そこで、ユーザーの視点に立って、現地の道路事情に詳しくない観光ドライバーへの情報提供を行うとともに、道路網の整備状況を把握し、整備計画への活用を図ることを目的として、「道路の走りやすさ」について、道路の幅、カーブの大きさ・多さ、歩道の有無、すれ違いができるかどうかなどにより、主要な道路を6つのランクで評価を行い、道路の走りやすさを色で表現した「走りやすさマップ」を作成する。今後、観光関係者や道路利用者の意見や感想を聞きながら、より良いものに改善し、「走りやすさ」と「わかりやすさ」を追求したマップをつくり、観光を後押ししていく。
平成17年度に全国の17モデル地区及び九州全域にてマップを作成し、平成18年度には全国展開を行う。

▲走りやすさマップ



カーナビゲーションに道路交通情報をリアルタイムに提供するVICSについては、全都道府県でサービスを提供しており、情報提供エリアの拡大、情報内容・精度の改善・充実により、観光地周辺等での安全で快適な道路交通環境の確立に努めるとともに、3メディア対応型VICS車載機の導入等についても積極的に推進した。
ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)については、基本的に全国のすべての料金所にサービスを拡充するとともに、ETCを活用した多様で弾力的な料金施策を実施した。
地方道においては、地域の課題に対応して複数事業を一括して支援する地方道路整備臨時交付金を活用して「観光」の発展を目標とする事業を支援し、地域の自主性と創意工夫を生かした観光施策の推進を図った。
観光地へのアクセス向上等の観点から、各地の観光の振興にも重要な役割を担う高規格幹線道路をはじめとする道路網の整備を行った。特に、高規格幹線道路については、平成17年度に東九州自動車道(北九州JCT~苅田北九州空港)等新たに106kmを供用し、供用済延長は8,836kmとなった。
都市内道路の体系的な整備を図り、連続立体交差事業や交通結節点等の整備等、公共交通機関の利便性向上及び安全な歩行空間の整備を推進するほか、TDM(交通需要マネジメント)施策を推進し、交通の円滑化を進めた。
また、駐車需要が集中する地区において、駐車場の位置、満空状況、駐車場までの経路、交通渋滞等に関する情報を運転者に一体的に提供し、空き駐車場への誘導を行う駐車誘導システムの整備を推進した。
  COLUMN 8 自動車の新たな地域名表示ナンバー(いわゆるご当地ナンバー)の導入について  

従来、自動車のナンバープレートに表示されている地域名は、自動車を使用している地域を管轄する運輸支局や自動車検査登録事務所の名称等を表示してきたが、地域振興や観光振興に大きな効果があるとする自治体の熱意や強い要望にこたえるため、運輸支局等の新設の有無に関わらず、18の地域を新たにナンバープレートに表示する地域名として加え、平成18年10月10日から交付※を開始することとした。
これらの18地域では、「運転マナーの向上運動」、「アイドリングストップ運動」、「低公害車の普及促進」等、「ご当地ナンバー」の導入を契機とした各種施策の展開を計画しており、また「平成の大合併」により新たに1つの自治体となった地域では、「ご当地ナンバー」を地域の一体感を醸成するためのシンボルとしたいという思いもあるようである。
「ご当地ナンバー」は、地域振興や観光振興だけでなく、地域への愛着や誇り等の意識を高めることにも効果が期待されている。
(注) ご当地ナンバーは、新車登録や転居に伴うナンバー変更等の際に、順次交付されるほか、現在使用中の自動車についても、希望により交換出来ることとする。
※(「つくば」ナンバーのみ平成19年2月13日から交付)
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