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平成18年度観光政策

第3章 魅力ある観光地の形成に向けた取組

第2節 自然環境の保全と観光への活用

4 海の環境保全と観光への活用



  (1) 海の環境保全

東京湾について平成15年3月に策定された「東京湾再生のための行動計画」に基づき、8都県市及び関係省庁の連携により総合的な水質改善施策を講ずる。また、大阪湾についても、平成16年3月に策定された「大阪湾再生行動計画」に基づき、9府県市及び関係省庁の連携により、大阪湾の再生への取組を推進する。さらに、他の閉鎖性海域についても「全国海の再生プロジェクト」として海の再生を推進する。
エコ・コースト事業として、生態系や自然景観等周辺の自然環境に配慮した海岸整備を実施する。
自然環境に優しく美しい港の実現のため、水質・底質を改善する汚泥しゅんせつ・覆砂等の事業を推進する。また、良好な環境を創造する干潟・藻場等の海浜及び緑地の整備事業を推進する。
海上環境事犯に対する監視取締体制及び油・有害危険物質等の流出事故に対する防除体制を強化するとともに、漂流、漂着ごみの調査を関係機関とともに実施し、海洋環境の保全に関する指導・啓発を行う。
廃棄物の不法投棄事犯等について重点的に監視取締りを実施するほか、廃船の不法投棄事犯の発生の抑制及び適正処理の促進を目的として「廃船指導票」を用いた指導を行う。
さらに、港湾環境や景観を阻害する放置艇の解消を図るため、規制措置と係留・保管能力の向上とを両輪とした対策として、船舶等の放置等禁止区域の指定を促進するとともに、既存の静穏水域等を活用した簡易な係留・保管施設(ボートパーク)の整備を推進する。
流域別下水道整備総合計画の策定を進め、下水道の整備及び高度処理の推進を図るとともに、合流式下水道にあってはその改善を推進する。漁港区域における漁港水域環境の保全や漁業集落排水施設の整備等を推進する。下水道等の各種生活排水処理施設の整備を進めるとともに、各家庭からの汚濁負荷を削減するため、住民意識の啓発、住民による実践活動等を推進する。

  (2) 海の観光への活用

1)海辺の自然学校、海辺の達人養成講座の実施
豊かな自然環境が残された静穏な水域であるとともに、マリーナや緑地及びそれに付随する駐車場や管理棟等の利便施設並びに水族館や海事博物館等の研究・文化施設等の豊富な港の自然環境を生かして自然体験・環境教育を行う「海辺の自然学校」、「海辺の達人養成講座」を全国で支援する。
2)港湾景観の形成
港湾が持つ特色、景観資源を活用し、良好な景観形成を図ることを目的とした港湾景観形成モデル事業を実施する。
また、親水性に富む緑地整備、海域の生態系や自然環境の保全・再生・創造に資する臨海部の森・大規模な緑地等の整備を港湾環境整備事業の一環として積極的に推進する。
3)ボートパーク等の整備
海洋性レクリエーションの振興と公共水域の適正な利用促進を図るため、プレジャーボートの活動拠点として、簡易な係留・保管施設(ボートパーク)の整備を推進する。また、第三セクターや民間事業者によるマリーナ整備に対して、日本政策投資銀行等による長期・低金利の融資等の支援を行う。
4)みなとの博物館ネットワーク・フォーラムの展開
海や港に関わる様々な文献等を所蔵・展示する「みなとの博物館」で構成される「みなとの博物館ネットワーク・フォーラム」の展開に協力する。
5)フィッシャリーナの整備
フィッシャリーナの整備を推進するとともに、簡易な係留施設、総合交流施設の整備、強い水産業づくり交付金の活用により都市と漁村の交流に資する整備を推進する。
6)漁港環境の形成
漁港内における快適な環境を保全・創造するため、親水施設等の整備を行う漁港環境整備事業、漁港交流広場整備事業を推進する。
7)海岸環境の整備
安全で、利用しやすく親しみの持てる海岸の創造、さらには、自然と共生し快適で潤いのある海岸環境の保全と創出を図る海岸環境整備事業を全国で計画的に実施する。
8)ビーチ利用促進モデル事業の実施
マリーナ等の整備と連携しつつ、大規模なビーチ、遊歩道等の整備を重点的に促進する「ビーチ利用促進モデル事業」を推進する。
9)みなとまちづくりの推進
「みなと」の資産を再評価し、地域の交流や賑わいの拠点として有効活用を図るため、市民が主体となって計画づくりや「みなと」の施設を利用したイベント等を開催し、市民に親しまれる活力のある「みなと」空間を形成する「みなとまちづくり」を推進する。
10)みなと観光交流促進プロジェクトの推進
「みなとの観光交流」、「海からのアクセス」、「都市と観光地の施策との連携」等の観点から、地域が一体となって、ソフト・ハードの連携施策を重点的、一体的に実施し、港を核とした地域の観光振興を図る「みなと観光交流促進プロジェクト」を推進する。
11)コースタル・コミュニティ・ゾーンの整備
地域住民が海と親しみ、集い、憩える場としてコースタル・コミュニティ・ゾーンの整備を推進する。
12)海と緑の健康地域づくり-健康海岸-の実施
砂浜の保全・復元、遊歩道の整備等、健康増進のために利用しやすい海岸づくりを推進する。
13)いきいき・海の子・浜づくりの実施
自然・教育活動の場(自然体験、環境教育等)、マリンスポーツの場として利用しやすい海岸づくりを推進する。
14)快水浴場百選の普及・啓発
水辺の自然と親しむことの重要性の増大や、環境政策の新たな展開も踏まえ、人々が水に直接触れることができる個性ある水辺を積極的に評価して選定された、快水浴場百選について、普及・啓発等を促進する。
15)自然豊かな海と森の整備-白砂青松の創出-
海水浴、森林浴を同時に楽しめるなど、「白砂青松」で代表される自然豊かな海と森の整備対策事業を推進する。
16)岬のオアシス構想の推進
地元自治体が実施する公園化事業と連携する「岬のオアシス構想」を推進する。
17)都市と農漁村の交流促進や観光振興に資する海岸づくり事業
都市と農漁村の交流に資する施設の防護、又は景観や利用に配慮した海岸保全施設の改良を実施するなど都市と農漁村の交流促進や観光振興に資する海岸づくりを推進する。
18)プレジャーボート利用の活性化と適正化
プレジャーボート利用者が、海から、誰でも、気軽に、安心して立ち寄り、利用できる場として活用できる、ビジターバース等を備えた沿岸施設の展開に向けて、地方自治体・民間事業者との調整・連携を実施する。
19)未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選の普及
都市と漁村の交流を促進するため、漁村に残る歴史的、文化的な施設を地域資源として活用する「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」について、ホームページ等により普及を促進する。
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