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第I部 平成23年度の観光の状況

第3章 東日本大震災の影響と復興

第2節 観光分野における東日本大震災への対応

1 初動対応



  (1) 旅行者、宿泊施設、訪日外国人への対応

 地震発生後、関係者が連携して、国内旅行者の安否確認、旅館・ホテルの被害確認を行うとともに、災害救助法の制度を活用して旅館・ホテルにおける県境を越えた被災者の受入れを支援した。
 訪日中あるいは訪日を検討している外国人に対しては、日本政府観光局(正式名称:(独)国際観光振興機構(JNTO)、以下「日本政府観光局」)のホームページにおいて国内交通インフラに関する情報等の各種情報の提供を多言語で行った。また、同局の訪日外国人旅行者向け観光案内所であるツーリスト・インフォメーション・センター(TIC)において多言語による電話照会対応を24時間体制で行った。

  (2) 被災地の復旧


  1) 交通網の復旧

 災害復旧活動を実施する上で不可欠であり、さらに、東北地方への観光流動を早期に回復させる上でも重要である陸海空の交通網について、迅速に復旧がなされた。

  1) 道路

 震災発生翌日には、「くしの歯」作戦として、東北地方への広域幹線アクセスとなる東北自動車道と国道4号の南北軸を緊急輸送ルートとして確保し、津波被害の大きい太平洋沿岸部三陸地区に向けた東西方向の国道等について、震災発生4日後の3月15日には15ルートを確保するなど、迅速に道路啓開を推進した。

  2) 鉄道

 新幹線については、東北新幹線が4月29日までに全線運転再開された。在来線についても、津波により甚大な被害を受けた沿岸部の鉄道の一部区間については、復旧に向けた取組を進めているところであるが、JR東北線等の主要幹線をはじめとして、多くの路線で順次運転を再開している。

  3) 空港

 空港施設及び周辺地域が広範囲に浸水した仙台空港について、排水作業を迅速に進めること等により、4月13日には旅客便の就航が再開した。その他被害のあった空港についても、迅速に復旧し、福島空港は震災当日から運用を継続、茨城空港は3月14日から、花巻空港は3月17日から定期便の運行を再開している。

  4) 港湾・航路

 津波警報、津波注意報が解除された直後から航路啓開作業を開始し、3月24日までに主要14港湾すべてにおいて一部の岸壁を利用可能とした。被災地の港湾に寄港する中長距離フェリー(3航路)については、6月6日までに通常運航に復した。

  2) 被災地支援ボランティア活動への対応

 震災直後のボランティア活動に対応するために、政府としても、(一社)日本旅行業協会(以下、「JATA」)及び(社)全国旅行業協会(ANTA)に対し、積極的にボランティアツアーを造成するよう働きかけ、旅行業者によりボランティアツアーが造成された。

ボランティア活動の様子


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