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第II部 平成23年度の観光の状況及び施策
第4章 国際観光の振興
第1節 外国人観光旅客の来訪の促進
3 MICE(国際会議等)の誘致の促進
(1) MICE(国際会議等)の誘致・開催
1) MICE(国際会議等)の誘致・開催をめぐる動き
国際会議を我が国に誘致し、我が国において国際会議を開催することは、我が国の情報発信力の強化、地域活性化に加え、国際交流の拡大、観光立国の推進に資する重要な取組である。そのため、「前基本計画」において、「今後5年以内に我が国における国際会議の開催件数を5割以上伸ばし、アジアにおける最大の開催国を目指す」との目標が掲げられ、その達成に向けて国を挙げ取り組んできたところである。
平成22年の我が国の国際会議開催件数は、741件と世界第2位、アジアでは1位となり、「前基本計画」の目標を達成した。
このように国際会議の誘致・開催の推進については一定の成果を挙げてきたところであるが、シンガポール、韓国等のアジアの誘致競合国や米国、豪州等においては、国際会議のみならずMICE全般の振興に積極的に取り組んでいる。MICEは、ビジネス機会創出・イノベーション創出、都市の競争力・ブランド力向上といった幅広い意義を有し、これらの経済効果は極めて大きいことから、我が国としてもMICEの誘致・開催を推進していくこととした。
このようにMICE分野の国際競争が激化する中、平成23年7月に「MICE推進検討委員会」を開催し、「MICEの意義」、「MICE分野の国際動向」等について、今後の政策のあり方を検討した。この検討の内容を踏まえ、国及び関係主体が連携してMICEの推進に取り組んでいくこととしている。
図II-4-1-1 MICEの概要
2) MICE(国際会議等)の誘致・開催推進の具体的な取組
MICEの誘致・開催を推進するため、主に、以下の取組を実施した。
1) MICEの誘致・開催支援
訪日旅行促進活動と同じ枠組みの下で、MICEの開催国決定権者等への働きかけを通じて、MICE開催地としての日本の魅力をPRした。また、関係省庁が連携し、所管大臣等による招請状の発出、在外公館によるMICEの開催国決定権者等に対する働きかけ等の支援を実施した。さらに、その社会的な影響力の大きさから「観光分野のダボス会議」と称される第12回WTTCグローバルサミットの開催(平成24年4月)に向けて、関係省庁が連携し、同会議の情報発信や、参加者増加に向けての取組を実施した。
2) 国際会議等のキャンセル防止
東日本大震災の影響を受け、我が国でのMICE開催を見直す動きがある国際会議の主催者等に対して、国際会議等のキャンセルまたは外国人の参加者減少を防止するため、日本での開催維持を求めるレターの発出や、国際会議の本部等のキーパーソンの招請等による情報発信を行った。
表II-4-1-2 レターを発出した案件のうち、予定通り我が国で開催されることとなった事例
3) 国際ミーティング・エキスポ(IME)
平成23年12月、東京国際フォーラムにおいて、我が国で唯一の国際コンベンション見本市である「国際ミーティング・エキスポ(IME)2011」を開催した(日本政府観光局及び日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)と共催)。国内外の国際会議関係団体・企業、地方自治体、メディア等が一堂に会し、情報交換や商談会が行われた。
3) 沖縄におけるMICE(国際会議等)の誘致・開催の推進について
沖縄におけるMICE誘致・開催の取組については、「国際会議等各種会議の沖縄開催の推進について」(平成12年6月20日閣議了解)を踏まえ、これまでも政府として推進してきたところであるが、平成23年度においても、関係省庁と沖縄県が連携しながら、沖縄におけるMICEの誘致・開催を推進した。
4) 北海道におけるMICE(国際会議等)の誘致・開催の推進について
北海道におけるMICE誘致・開催の取組については、「国際会議等の北海道開催の推進について」(平成20年7月4日閣議了解)を踏まえ、各省庁との連携により政府としての取組を強化しつつ、東日本大震災による風評被害の払拭に向けて、北海道におけるMICE誘致・開催の取組を総合的に展開するため、政府、北海道、自治体及び民間企業等の連携強化を進めた。
平成23年9月には、札幌市で「国際微生物学連合2011会議」が開催された。
(2) 国際的な文化フォーラムの開催
平成23年12月に、東アジア諸国の文化芸術関係者同士のネットワーク強化を目的として、東アジア諸国の文化人、芸術家、学識経験者等を招へいし、「東アジア共生会議」を開催した。
また、平成24年2月には、「世界文明フォーラム」を開催し、ノーベル賞学者を含む世界的な学識経験者を招へいし、「世代間の公正」の実現に向けて、震災の教訓も踏まえた21世紀の目指すべき地球環境、経済・社会の姿や文化芸術の果たす役割等について討論を行った(世界文明フォーラムホームページ:http://www.bunka.go.jp/wcf2012/index.html)。
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