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第II部 平成24年度に講じた施策(平成24年度施策)

第5章 国際競争力の高い魅力ある観光地域の形成

第1節 国際競争力の高い魅力ある観光地域の形成

2 宿泊施設、食事施設、案内施設その他の旅行に関連する施設及び公共施設の整備



  (1) ホテル・旅館の振興

 訪日外国人旅行者に対する接遇の向上の観点から、「国際観光ホテル整備法」に基づき訪日外国人旅行者の宿泊に適するものとして一定の基準を満たした登録ホテル・旅館については、地方税の不均一課税(平成24年3月末現在で登録ホテル・旅館が存在する497市町村中266市町村が軽減規定を設けている)が適用されている(第I部第3章を参照)。

  (2) 観光振興等に資する地域づくり・街並み整備


  1) 広域的な連携による地域活性化の推進

 広域観光振興等による地域の自立と活性化を図るため、都道府県が民間と連携して作成する「広域的地域活性化基盤整備計画」に対する支援等を実施している(図II-5-1-1)。平成24年度は、広域観光の活性化を目的とした計画を策定している30府県55地域に対して、「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律」に基づき交付金を交付した。

図II-5-1-1 複数県が連携した広域観光活性化の取組事例



  2) 官民連携による地域活性化のための基盤整備の推進

 クルーズ船誘致のための港湾施設整備の検討など、官民が連携して策定する地域戦略に資する事業について、基盤整備の構想段階から事業実施段階への円滑かつ速やかな移行を支援することにより、民間の活力を最大限に生かしながら、観光を核とした広域的な地域活性化を推進した(図II-5-1-2)。

図II-5-1-2 官民が連携した広域的地域活性化に向けた基盤整備のための調査事例



  3) 都市再生整備計画への支援

 観光振興等に資する地域づくり・街並みの整備を推進するため、市町村が作成した都市再生整備計画に基づき実施される観光振興や観光交流促進等の地域のまちづくりの目標に沿ったハード事業からソフト事業まで幅広い事業を支援した。また、土地区画整理事業の施行者と住民等が協力したまちづくり委員会等の設置・運営、地域の特性に応じた公共施設のグレードアップ等を支援しており、引き続き実施する。

  (3) 都市再生・地域再生に資する市街地再開発事業の推進

 駅周辺をはじめとした中心市街地等において、地域の観光の拠点となる商業施設等の建築物や、道路、広場等の公共施設の整備を行うことにより、観光地にふさわしい魅力ある都市空間の形成を促進しており、引き続き実施する。

  (4) 景観等に配慮した道路整備の推進

 「街なみ環境整備事業」により、住宅等の外観の修景、電線の地中化、道路・公園等の地区施設の整備、景観重要建造物の整備等を行っており、引き続き実施する。
 住民と連携しつつ、周辺の環境と調和した防護柵の設置や道路緑化等の景観に配慮した道路整備を推進しており、引き続き実施する。また、良好な街並み景観の形成、歴史的街並みの保全、観光地の魅力向上、伝統的祭り等の地域文化の復興、安全で快適な通行空間の確保等を図るため、幹線道路に加え、主要な非幹線道路も含めた面的な無電柱化を推進しており、引き続き推進する。

街なみ環境整備事業による住宅等の外観の修景、電柱の地中化等の実施事例【今井町地区(奈良県橿原市)】



美観を損ねる電柱・電線



  (5) 観光振興に資する道路空間の有効活用等

 道路空間の有効活用等、先進的又は斬新な施策の効果や影響を把握するための社会実験を実施した。また、平成23年10月より、「都市再生整備計画」で都市再生に資する施設として位置づけられたオープンカフェをはじめとした食事施設・購買施設や広告塔等については、道路管理者が指定した区域内において占用許可基準が緩和された。同制度の適切な活用等により、道路交通環境の向上やまちの賑わいの創出を実現するなど道路空間をより幅広く、有効に使う「道路空間のオープン化」を推進している。

  (6) 河川空間、都市内水路等の保全・活用のための取組

 散策できる河川管理用通路など治水上及び河川利用上の安全・安心に係る河川管理施設の整備を通じ、まちづくりと一体となった水辺整備を支援することで、川を活用したにぎわいのある水辺空間を創出する、かわまちづくりを推進する。また、都市の中の水路も観光資源として大きな可能性を有しているため、せせらぎ水路の整備等に対して引き続き支援を実施する。
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