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第II部 平成24年度に講じた施策(平成24年度施策)

第8章 観光旅行の促進のための環境の整備

第3節 観光旅行者の利便の増進

1 高齢者、障害者、外国人その他の観光旅行者が円滑に旅行できる環境整備



  (1) 公共施設等のバリアフリー化

 公共交通機関等の旅行関連施設のバリアフリー化については、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)等を踏まえ、関係者が必要に応じて緊密に連携しながら、バリアフリー法に基づく移動等円滑化の促進に関する基本方針に定められた目標を達成することを目指す等一体的・総合的なバリアフリー化を推進している。

  1) 公共交通機関等

 旅客施設においては、地域の実情に鑑み、高齢者、障害者等の利用の実態等を踏まえてバリアフリー化を推進し、原則として1日当たりの平均的な利用者数が3,000人以上である旅客施設のバリアフリー化を優先的に行っている。また、車両等においては、鉄軌道車両やバス車両、タクシー車両について、バリアフリー化を行っている。

  2) 歩行空間

 誰もが安心して歩ける歩行空間を形成するため、「バリアフリー法」に基づき、駅、官公庁施設、病院を結ぶ道路等において、幅の広い歩道等の整備、歩道の段差・傾斜・勾配の改善、無電柱化、視覚障害者誘導用ブロックやバリアフリー対応型信号機、道路標識等の整備を実施しており、引き続き実施する。

  3) 都市公園

 都市公園においては、高齢者や障害者を含むすべての人々が快適に利用できるよう、平成21年度に創設した「都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業」により、「バリアフリー法」に基づくバリアフリー化の取組を支援している(平成21年度から5年間に限定)。また、国営公園では、障害者福祉に一層寄与するため、障害者本人及び介添者(対象1名)の入園料を免除しており、引き続き実施する。

  (2) ユニバーサルデザインの考え方に基づく観光の促進

 高齢者や障害者を含め誰もが安心して参加できるユニバーサルツーリズムの定着・普及を図るため、受入環境の整備、地域の支援団体や旅行会社等の関係者の連携の促進等のための検討を行った。

  (3) 地域公共交通の活性化・再生

【再掲】第5章第3節4(1)

  (4) バスの利便性向上

 地方公共団体、道路管理者、警察署、都道府県バス協会、バス事業者等の幅広い関係者の連携によるバス交通を中心としたまちづくりを目指すオムニバスタウンについて、14都市を指定している。また、GPS等を利用し、停留所やウェブ上でバスの位置情報が得られる「バスロケーションシステム」については、平成24年3月末現在11,065系統で導入されている。

  (5) 道路交通の円滑化

 カーナビゲーションシステムに道路交通情報をリアルタイムに提供する「道路交通情報通信システム(VICS)」の情報提供エリアの拡大等、情報内容や提供精度の改善・充実により、効率的な観光周遊に資する交通の円滑化を図った。
 上記に加え、高速道路上を中心に設置したITSスポットによる広範囲の渋滞データに基づきカーナビが賢いルート選択をするダイナミックルートガイダンスサービスの活用等により、更なる道路交通の円滑化を図ることで、観光旅行者の来訪の促進や利便性の向上を図っていく。
 観光客が多く通行する道路等において、季節や時間による交通流の変動に的確に対応するため、信号機等の交通安全施設等の整備を推進した。また、自動車の走行履歴情報(プローブ情報)を活用した交通管制システムの高度化、プロファイル信号制御方式による信号制御の高度化等を推進したことにより、交通渋滞を緩和し、交通アクセスの改善を図った。

  (6) 自転車利用環境の整備

 平成24年11月、道路管理者や都道府県警察が自転車ネットワーク計画やその整備、通行ルールの徹底等を進めるため、国土交通省と警察庁が共同で「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を策定し、その周知を行った。これらを踏まえ、環境負荷の小さい都市内交通体系の実現と自転車等の事故対策のため、道路空間の再配分などにより、歩行者・自転車・自動車を適切に分離し、安全で快適な自転車通行空間のネットワーク化の推進及び観光振興の支援を引き続き行う。

  (7) 身体障害者等の運賃等の割引等

 各公共交通機関において、身体障害者手帳、療育手帳又は精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた利用者に対し運賃割引を実施しており、引き続き身体障害者等の運賃等の割引等について理解と協力を求めていく。

  (8) 公共交通事業者等による情報提供促進措置の促進

 「外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律」により公共交通事業者等に対して作成、実施が義務付けられている「情報提供促進実施計画」に基づき、246件の公共交通事業者等(平成25年4月現在)が外国語等により情報提供している。平成24年度には、計画書を電子化するとともに全事業者の取組状況を改めて把握し、全事業者の整備水準を各事業者にフィードバックすることにより、各事業者の取組の促進を図った。

  (9) 道路における案内表示の充実など外国人観光旅行者への対応

 地理に不案内な観光客等に対し、ルート番号等を表示した案内標識等による目的地への分かりやすい道案内等を実施した。
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