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第III部 平成25年度に講じようとする施策

第5章 国際競争力の高い魅力ある観光地域の形成

第2節 観光資源の活用による地域の特性を生かした魅力ある観光地域の形成

3 優れた自然の風景地に関する観光資源の保護、育成及び開発



  (1) 優れた自然の風景地を生かした地域づくりの推進


  1) 国立・国定公園の利用の推進

 日本の国立公園は、日本を代表する美しい自然を有する地域であり、亜熱帯から亜寒帯まで、原生的な自然から里地里山まで、多種多様な自然が存在する。その優れた自然の風景や自然に根差した文化は、観光資源として極めて高い価値を有しており、国民や地域住民をはじめ、訪日外国人旅行者の関心も高い。こうした国内外の人々に向けて日本の魅力を発信し、日本の自然を生かした地域活性化を推進するため多言語化したパンフレット等により国立公園に関する情報を海外に向けて発信していくことや、質の高い景観を楽しむ施設の整備をする等、日本観光の高付加価値化を図り、魅力ある観光地域づくりに寄与する。

  2) 森林等の観光への活用

 平成25年1月、政府は、「奄美・琉球」を世界自然遺産として我が国の世界遺産暫定一覧表に記載することを決定した。このことを踏まえ、「奄美・琉球」の希少な野生生物の生育・生息地である森林の適切な保護等を推進する。また、国有林野において、自然環境の保全に重要な役割を果たしている貴重な森林を「保護林」等に設定し厳正な保全管理を行うとともに、来訪者に対するマナーの普及啓発を行うなど、「奄美・琉球」の世界自然遺産推薦に向けた取組を推進する。

  3) 日本風景街道の推進

 多様な主体による協働の下、道を舞台に、地域資源を生かした美しい国土景観の形成を図り、観光の振興や地域の活性化に寄与することを目的とする「日本風景街道」の取組において、地域の方々による沿道の植樹・植栽、ビューポイントの整備や清掃活動など、道路を活用した美しい景観形成や地域の魅力向上に資する活動について引き続き推進する。

  4) 北海道の美しい自然景観の観光への活用

 自然とのかかわりの中で育まれてきたアイヌの人々の独自の伝統文化や現在の姿に触れてもらうことを通じて、文化に関心を持つ旅行者の増加や国内観光の振興に資するため、アイヌ語の挨拶「イランカラプテ」(こんにちは)をおもてなしのキーワードとして、アイヌの伝統文化の普及と一体となった観光振興の取組等を展開する。
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