鉄新幹線が開通することによって便利になる反面、 その地域の良さがなくなってしまいませんか? |
新幹線は、国土の骨格となる高速交通機関であり、その整備により、移動時間が大幅に短縮されます。例えば、博多から鹿児島中央まで約3時間40分かかっていましたが、九州新幹線が新八代~鹿児島中央まで開業した結果、約2時間10分となりました。 また、新幹線の開業により、沿線地域にはたくさんの人々が訪れ、地域開発や経済の活性化に大きな効果があります。一例として、九州新幹線(新八代~鹿児島中央)が開業した結果、鹿児島地区での観光施設を利用した人が前年度と比べて約12万人(約11%)増えています。 このように、新幹線などの鉄道ができることによって、人々にとって移動が便利になるとともに、さらに地域が発展するものと考えています。平成27年3月には北陸新幹線長野~金沢間が開業し、平成28年3月には北海道新幹線新青森~新函館北斗間が開業することで、新幹線の効果がさらに広がることが期待されます。 |
東京の鉄道にはどのような問題があり、どのような対策をとっていますか? |
鉄道は、地球環境にとてもやさしい乗り物で、1人を1㎞運ぶのに排出する二酸化炭素はマイカーの約1/9です。このため、通勤・通学や買い物、旅行などで乗り物に乗るときによりたくさんの人に鉄道を使ってもらえるよう、各鉄道会社や国土交通省は以下のような様々な取組によって、鉄道をより便利にするための努力をしています。 ○車内混雑の解消に向けた取組 東京の鉄道は、多くの路線では、通勤や通学の時間を中心に、非常に車内が混み合っています。どのくらい混み合っているかというと、座席が満席なのはもちろんのこと、立って乗っている人と人の間隔が狭く、新聞などを広げて読むのが難しいくらいです。 このため、路線を新たに建設して、通勤通学方法の選択の幅を増やしたり、迂回しなければ行けなかった駅の間に新たな線路を引いて、余計な乗り換えを減らしたりするなど、鉄道の整備に関する対策を行っているほか、企業に対して、通勤の時間が集中しないよう、仕事が始まる時間をずらしてもらうように呼びかけたりといった対策も行っています。こういった対策の結果、徐々にではありますが、年々混雑は解消されてきています。 ○ICカード乗車券の導入 首都圏の鉄道においては、ICカード乗車券を導入して複数の会社の間でお互いに利用できるようにすることで、乗り換えるたびに乗車券を購入する手間を省き、鉄道を利用する人にとって便利なサービスを提供しています。 ○ホームの安全性の向上 ホーム上が非常に混雑する駅では、ホームからの転落事故を防止し、目の不自由な方やお年寄りなど全ての人々が安心して鉄道駅を利用できるようにするため、ホームドア(可動式ホーム柵)を設置しています。 ただし、ホームドアの設置には、扉数の異なる列車への対応や、多額の設置費用といった課題があるため、国土交通省では、設置費用の補助や技術開発により、ホームドアの整備を推進しています。 |
鉄道をつくる費用はどこが負担していますか? |
日本の鉄道は、一部の地下鉄・路面電車を除き、全て民間会社が運営しています。このため、基本的には、普通の会社と同じように、会社が建設資金を借り入れて鉄道を建設し、その後お客さんから受け取る運賃で返済しています。 しかしながら、新幹線や地下鉄、大都市の鉄道の複々線化などは、多くの費用がかかりますし、またこれらの鉄道により、その地域のみならず広く日本全体の人々が便利になることから、こうした鉄道の建設に当たっては、国や地方自治体が建設費の一部を補助しています。特に現在建設中の新幹線については、国と地方が建設費を全て負担しています。 |