4.2.1.3.1 建築物モデル(LOD2)の概要

建築物モデル(LOD2)では、建築物の形状を、屋根形状を含む立体として表現し、立体の境界面を、屋根面、外壁面及び底面に区分するとともに、建築物の外側の付属物を区分する。

建築物モデル(LOD2)は、含むべき地物により、LOD2.0、LOD2.1及びLOD2.2に区分する(4-11)。LOD2.0、LOD2.1及びLOD2.2は、航空写真等上空から取得したデータの利用を前提とした区分であり、屋根形状を含む建築物の上面を詳細化する。

標準製品仕様書は、原則としてLOD2.0を採用する。ただし、ユースケースの必要に応じてLOD2.1又はLOD2.2を採用できる。

4-11 — LOD2.0,LOD2.1及びLOD2.2の区分

建築物モデル(LOD2)に含むべき地物

対応するCityGMLの地物型

LOD2.0

LOD2.1

LOD2.2

建築物

Building

屋根

RoofSurface

射影の短辺の実長3m以上

射影の短辺の実長3m以上
又は射影の短辺の実長1m以上かつ正射影の面積3m2以上

射影の短辺の実長1m以上
又は正射影の面積1m2以上

底面

GroundSurface

外壁面

WallSurface

建築物部分

BuildingPart

一棟の建築物を主題属性の異なる複数の部分に分ける場合に必須とする。

一棟の建築物を主題属性の異なる複数の部分に分ける場合に必須とする。

一棟の建築物を主題属性の異なる複数の部分に分ける場合に必須とする。

閉鎖面

ClosureSurfacce

BuildingPartを使用する場合に必須とする

BuildingPartを使用する場合に必須とする

BuildingPartを使用する場合に必須とする

屋外床面

OuterFloorSurface

屋外天井面

OuterCeilingSurface

屋外付属物

バルコニー、屋外階段、スロープ、手すり、エレベータ、エスカレータ、庇、アンテナ、煙突、看板等

BuildingInstallation

射影の短辺の実長3m以上
又は射影の短辺の実長1m以上かつ正射影の面積が3m2以上

射影の短辺の実長1m以上

必須

条件付必須

任意(ユースケースに応じて要否を決定してよい)

建築物モデル(LOD2)に含むべき地物は、建築物の以下に示す部分をいう。建築物モデル(LOD2)では、屋外天井面を使用しないため、下の階よりも上の階が張り出したような構造は表現されない。

4-3 — 建築物モデル(LOD2)に含むべき地物

LOD2.0、LOD2.1及びLOD2.2それぞれの取得イメージを4-12に示す。

4-12 — 建築物モデル(LOD2)の取得例

LOD

LOD2.0

LOD2.1

LOD2.2

取得例

説明

屋根の主要な外形が再現される。LOD2.0では付属物は取得しないため、バルコニーも屋根として取得する。
なお、LOD2では屋根面は詳細化されるが外壁面は詳細化されないため、バルコニーの下部も建築物の一部として表現される。

小屋根のうち規模が大きいものが再現される。LOD2.0では切妻屋根として表現されたが、LOD2.1の条件を満たしたため、小屋根として表現された。
また、LOD2.1の条件を満たすバルコニーが、付属物として区分される。

小屋根のうち規模の小さいものが再現される。LOD2.1では無視された屋根窓の屋根がLOD2.2の条件を満たしたため、この屋根形状が表現された。
また、LOD2.2の条件を満たす屋根上の煙突が付属物として、さらに区分される。

4-4