4.2.1.5.1 建築物モデル(LOD4)の概要

建築物モデル(LOD4)は、建築物モデル(LOD3)により表現される建築物の外側の形状に加え、建築物の内側の形状(屋内空間)を表現する。

建築物モデル(LOD4)は、BIMモデルからの変換又は屋内測量によって取得する。BIMモデルからの変換フローは、「PLATEAU Handbook #03」を参照のこと。

建築物モデル(LOD4)は、含むべき地物により、LOD4.0、LOD4.1及びLOD4.2に区分する(4-22)。

標準製品仕様書では原則としてLOD4.0を採用する。ただし、ユースケースの必要に応じてLOD4.1又はLOD4.2を採用できる。

4-22 — LOD4.0, LOD4.1及びLOD4.2の区分

建築物モデル(LOD4)に含むべき地物

対応するCityGMLの地物型

LOD4.0

LOD4.1

LOD4.2

建築物

bldg:Building

建築物部分

bldg:BuildingPart


一棟の建築物を、属性の異なる複数の部分に分ける場合に必須とする。


一棟の建築物を、属性の異なる複数の部分に分ける場合に必須とする。


一棟の建築物を、属性の異なる複数の部分に分ける場合に必須とする。

屋根面

bldg:RoofSurface

壁面

bldg:WallSurface

底面

bldg:GroundSurface

屋外天井面

bldg:OuterGroundSurface

屋外床面

bldg:OuterFloorSurface

屋外付属物

bldg:BuildingInstallation

部屋

bldg:Room

天井面

bldg:CeilingSurface

内壁面

bldg:InteriorWallSurface

床面

bldg:FloorSurface

閉鎖面

bldg:ClosureSurface


BuildingPartを使用する場合、及び、内壁面、天井面、床面が無いが建築確認申請上部屋として区分されている空間を区切る場合に必須とする。


BuildingPartを使用する場合、及び、内壁面、天井面、床面が無いが建築確認申請上部屋として区分されている空間を区切る場合に必須とする。


BuildingPartを使用する場合、及び、内壁面、天井面、床面が無いが建築確認申請上部屋として区分されている空間を区切る場合に必須とする。

bldg:Window

bldg:Door

屋内付属物

階段

bldg:IntBuildingInstallation

スロープ

bldg:IntBuildingInstallation

輸送設備

bldg:IntBuildingInstallation

bldg:IntBuildingInstallation

デッキ・ステージ

bldg:IntBuildingInstallation

bldg:IntBuildingInstallation

パネル

bldg:IntBuildingInstallation

手すり

bldg:IntBuildingInstallation

家具

bldg:BuildingFurniture

grp:CityObjectGroup

任意設定空間(例:防火区画)

grp:CityObjectGroup

必須

条件付必須

任意(ユースケースに応じて要否を決定してよい)

建築物モデル(LOD4)に含むべき地物を、4-6に示す。

4-6 — 建築物モデル(LOD4)に含むべき地物

LOD4.0、LOD4.1及びLOD4.2それぞれの取得イメージを4-23に示す。

4-23 — 建築物モデル(LOD4)の取得イメージ

LOD

取得イメージと説明

LOD4.0

LOD4.0は建築物の外形(上図1)に加え、建築物の内部を表現する。このとき、建築物の内部を部屋(bldg:Room)に区切り、各部屋の形状を立体として表現する(上図2)。また、部屋の立体の境界面を、天井面(bldg:CeilingSurface)、内壁面(bldg:InteriorWallSurface)、床面(bldg:FloorSurface)又は閉鎖面(bldg:ClosureSurface)のいずれかに区分する(上図3)。さらに、各部屋の天井面、内壁面又は床面に存在する扉(bldg:Door)及び窓(bldg:Window)を区分する(上図4)。
閉鎖面は、内壁面や天井面、床面はないが、建築確認申請では部屋となっている空間を区切る場合に仮想的な境界面として使用する。
建築物の階を表現する場合は、CityObjectGroupを使用する。上図1のように、建築物が複数の階から構成される場合、上図4に示す同じ階の部屋を、CityObjectGroupを使用してグループ化する。このとき、CityObjectGroupの名称(gml:name)は階を識別する名称となる。
なお、CityGMLでは、壁面や天井面などは全て面として表現する。一方、現実世界の壁には厚みがある。1つの壁が建築物の外形を示す外壁と部屋の外形を示す内壁との機能を備えていた場合(上図5)、建築物の外形となる面(bldg:WallSurface)と部屋の外形となる面(bldg:InteriorWallSurface)の2枚の面として表現され、それらの面の間には隙間(壁の厚み)ができる(何もない)。
また、LOD4.0では建築物の内部に存在する付属物や家具を表現しない。

LOD4.1

LOD4.1ではLOD4.0に、屋内付属物(bldg:IntBuildingInstallation)として、階段、スロープ、輸送設備(エスカレータ、エレベータ及び動く歩道)、柱及びデッキ・ステージが追加される。
上図の例では、LOD4.0に加えて、階段、踊り場、エレベータ、柱が付属物として追加された。

LOD4.2

LOD4.2ではLOD4.1に屋内の付属物(bldg:IntBuildingInstallation)として、手すり、パネル及び梁が付属物として追加される。
また、机やいすなどの移動可能な家具(bldg:BuildingFurniture)が追加される。
上図の例では、LOD4.2に加えて屋内付属物として階段の手すりとパネル(間仕切り)、また、家具として机及び椅子が追加された。