C.3.2.3 計測高さ(bldg:measuredHeight)
建築物の属性「計測高さ」は、「計測により得られた建築物の地上の最低点から最高点までの高さ」である。その取得方法には、①地上測量による直接計測、②航空写真測量による直接計測、③航空写真測量・数値表層モデル(DSM:Digital Surface Model)による間接計測、④航空レーザ測量・DSMによる間接計測等、様々な方法が存在する。このうち、③及び④の方法により取得する場合、DSMには、建築物の屋根以外を計測した点(以下、「ノイズ」と称す)が含まれる(図C-16)。
そのため、このノイズを除去したうえで、建築物の最高点までの高さを取得する必要がある。
ノイズを除去する場合、最高値から一定の割合(例:5%)を除去する、又は標準偏差の2σに含まれない点群を除去するというように閾値を設定しなければならない。しかしながら原典資料の状態や対象地域の地形により点群に含まれるノイズは一律でないことから、これらの条件を踏まえ、データ作成者が設定してよい。
例えば、2020年度に実施されたProject PLATEAUでは、テストエリアにおいて
点群データの最高値から1%、3%、5%、7%を除去した値と、図化により作成した「LOD2」の建築物の高さとの相関性を確認し、最高値から5%を除去することを決定した。
なお、DSMに含まれる点群が建築物の最高点となる場所に存在することは保証されないため、ノイズを除去しても、取得した計測高さが必ずしも建築物の最高点までの高さにはならないことに留意する必要がある。特に、本属性を必要とするユースケースがこれを許容しない場合には、直接計測等の他の取得方法の採用を検討する必要がある。