C.3.2.10 建築物のデータ品質属性(uro:DataQualityAttribute)

建築物の3D都市モデルを作成する場合、様々な原典資料を組み合わせて作成することが想定される。例えば、地図情報レベル2500の数値地形図を用いてLOD1の建築物を都市全域で作成したが、一部の地域についてはより新しい航空写真が得られたため、これを用いて図化する、又は一棟の建物であっても、屋根形状は地図情報レベル2500の航空写真からの図化により作成し、開口部はMMSにより撮影した地図情報レベル500のレーザ点群データの図化により作成することが考えられる。

位置正確度の異なる原典資料を用いて作成した3D都市モデルを作成した場合、位置正確度の異なる建築物がデータ集合内に混在することになる。同様にして、異なる原典資料を使用したことにより、同じデータ集合内のLOD2の建築物であっても屋根形状のみしか再現されていない建築物と付属物まで取得された建築物とが混在する可能性がある。

3D都市モデルでは、データ集合全体としての品質はメタデータに記録する。しかしながら、メタデータでは、個々の建築物に対して位置正確度や適用したLOD等の品質を記述することが困難である。

そこで、標準製品仕様書では、個々の建築物に対してデータ品質に関する情報を記述するための属性として、「データ品質属性」(uro:DataQualityAttribute)を定義している。データ品質属性は、属性としてデータ作成に使用した原典資料の地図情報レベル、その他原典資料の諸元、精緻化したLOD及びLOD1の押し出しに使用する建築物の高さ(C.3.2.11)をもつ。

3D都市モデルに含まれる全ての建築物オブジェクトは、このデータ品質属性を必ず作成しなければならない。ただし、建築物(bldg:Building)又はその部分(bldg:BuildingPart)に対してデータ品質属性を付与することはできるが、これを構成する屋根面や外壁面(bldg:_BoundarySurface)ごとにデータ品質属性を付与することはできない。