D.2.1 使用可能な地物型とLOD

CityGMLには、道路を記述するための地物型が用意されている。詳細度(LOD)ごとに、使用すべき地物型やその空間属性が異なる。

D-2 — 要件D-1: 道路記述のLOD対応条件

ID

/req/tran/1

主題

妥当な交通(道路)データセットの要件

分類

要件分類D-1: 妥当な交通(道路)オブジェクト

条文

道路の記述には、指定されたLODに対応する地物型及び空間属性を使用する。

道路は、CityGMLのTransportationモジュールに定義されたtran:Roadを用いて記述する。tran:Roadは道路面に該当する。

道路面は歩道や車道のように、機能の異なる複数の要素から構成される。この道路を構成する要素は、tran:TrafficArea又はtran:AuxiliaryTrafficAreaを用いて記述する。tran:TrafficAreaは、車線や歩道のように、通行の用に供される領域である。

一方、tran:AuxiliaryTrafficAreaは、中央帯や植樹帯のように補助的な役割を果たす領域である。tran:Roadは、tran:TrafficArea及びtran:AuxiliaryTrafficAreaの集まりとして構成される。

tran:Roadの空間属性は、LOD0では、線として表現する。LOD1以降では面として表現する。tran:TrafficArea及びtran:AuxiliaryTrafficAreaは、いずれも面として表現する。ただし、これら二つの地物型はLOD2以降でのみ使用可能となる。

すなわち、LOD1では道路は歩車道の区別がない道路面として表現され、LOD2以降では道路の歩道や車道あるいは車線など、道路内の構造を区別できるようになる。

各LODにおいて使用可能な地物型とその空間属性を、D-3に示す。

D-3 — 交通(道路)モデルの記述に使用する地物型と空間属性

地物型

空間属性

LOD0

LOD1

LOD2

LOD3

適用

tran:Road

tran:lod0Network

LOD0はネットワークを原則とするが、数値地形図との互換性を保つために、道路縁を選択できる。

uro:lod0Geometry

tran:lod1MultiSurface

tran:lod2MultiSurface

tran:lod3MultiSurface

tran:TrafficArea

tran:lod2MultiSurface

tran:lod3MultiSurface

tran:AuxiliaryTrafficArea

tran:lod2MultiSurface

tran:lod3MultiSurface

必須

条件付必須

任意(ユースケースに応じて要否を決定してよい)