J.3.2.4 原典資料の異常値や欠損値の取り扱い

原典資料となる浸水想定区域データに異常値(0やマイナス値)が含まれていた場合、データ提供元に問い合わせ、対処方法(正しいデータの再提供依頼、異常値の削除、異常値を近傍の浸水深に置換等)を確認する。データ提供元の確認なく、原典資料を加工してはならない。

原典資料に地盤高や浸水深など、必要なデータが入っていない場合、データ提供元に問い合わせし、修正データの再提供を依頼することを原則とする。そのうえで、修正データが入手できない場合は、3D都市モデルの整備主体と対処方法を協議し決定する。必要なデータが得られない場合の災害リスク(浸水)モデルの作成可否と対処方法をJ-6に示す。

J-6 — 必要なデータが得られない場合の対処方法

必要なデータ

災害リスク(浸水)モデルの作成可否と対処方法

浸水深

地盤高

  • 地盤高の代替として、地形モデル又はその他の標高データ(例:DEM)を得られる場合に、災害リスク(浸水)モデルを作成できる。

    ただし、浸水深の計算に用いた地盤高と代替するデータの標高に差異がある場合は、作成した浸水面の高さに差異が生じることを3D都市モデルの整備主体と合意する必要がある。

  • 災害リスク(浸水)モデルを作成できない。

  • 災害リスク(浸水)モデルを作成できない。

原典資料に「浸水深」が存在しない場合は、高さをもった浸水面を表現することはできないため、災害リスク(浸水)モデルの作成対象外とする。「浸水深」が存在しない浸水想定区域は、汎用都市オブジェクト(gen:GenericCityObject)を用いて、高さのない区域のデータとして作成できる。また、「地盤高」がなく、地形モデル等で地盤高の代替を行わない場合であっても、浸水深がある場合や浸水ランクがある場合は、建築物(bldg:Building)に災害リスク属性として、浸水深や浸水ランクを付与することができる。