P.5 繰り返しオブジェクト
繰り返しオブジェクト(ImplicitGeometry)は、地物毎に幾何オブジェクトを作成する代替として、一つのプロトタイプモデルを作成し、そのプロトタイプモデルを複数の地物が参照する仕組みである。地物毎に、どのプロトタイプモデルを使用するのか、どこに配置するのか、また、プロトタイプモデルをどう変形するのかを情報としてもつことができる。
CityGMLでは、都市設備(frn:CityFurniture)や単独木(ve:SolitaryVegetationObject)など特定の地物型が、繰り返しオブジェクトを使用可能と定義されている。例えば信号機のように、都市に複数設置されており、個々の形状が同じである地物の場合や、個々の形状は異なっていても、個々の形状の差異を表現することは不要な場合に、繰り返しオブジェクトを使用することでデータ量を軽減することができる。
しかしながら、ソフトウェアによりその仕様の解釈が異なり、3D都市モデルでは、変形のための変換行列の記述方法が一意に定まらないという課題があった。これは、3D都市モデルが採用する空間参照系が経緯度参照系であることに対し、プロトタイプモデルに適用される空間参照系が直交座標系であることが要因である。しかしながら、地下埋設物モデルは平面直角座標系を採用できることから、ソフトウェアによる解釈の違いの影響が生じず、変換行列の記述方法を一意に定めることができる。そこで、地下埋設物モデルを平面直角座標系で整備する場合に限定し、標準製品仕様書では繰り返しオブジェクトの使用を可としている。
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主題 | 妥当な地下埋設物データセットの要件 |
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条文 | 繰り返しオブジェクトは空間参照系が平面直角座標系の場合のみ使用できる。 |