国土交通省 国土交通研究政策所 Policy Research Institute for Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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 国土交通政策研究所は、国土交通省におけるシンクタンクとして、内部部局による企画・立案機能を支援するとともに、 政策研究の場の提供や研究成果の発信を通じ、国土交通分野における政策形成に幅広く寄与することを使命としています。
  

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 ● 報告書概要


 社会資本整備の合意形成円滑化のためのメディエーション導入に関する研究

◆要旨

 本研究は、社会資本整備の是非をめぐる住民と行政の間の紛争を未然に防ぎ、円滑な合意形成を図るための一手法として、中立的第三者による「メディエーション」の活用可能性を検討し、導入・普及させるための条件や方策を明らかにしたものである。 具体的には、米国における社会資本整備に関するメディエーションの背景を、関係者からのヒアリングや文献調査等により把握し、有識者から構成される研究会の議論のもと、わが国の社会資本整備への導入・普及のための条件・方策について検討を行った。
 第1章においては、わが国の社会資本整備をとりまく背景、司法制度改革の動き、既往研究などについて概観し、研究会のメンバー、米国におけるヒアリングの実施先等研究の進め方について記述した。
 第2章においては、わが国の社会資本整備へのメディエーションの導入・普及に向けた論点を整理した。
 第3章においては、第2章で整理した論点について、米国の行政機関やメディエーターに対して実施したヒアリング等をもとに、米国におけるメディエーションの実態についてまとめた。
 第4章においては、米国の実態を参考に、わが国へのメディエーションの導入・普及について研究会において議論した結果を記述した。
 主な結論は次の通りである。
・メディエーションを導入することで、社会資本整備の是非をめぐる紛争を回避し、関係者がお互いにとってメリットがある結果を得る可能性を高めることができること。
・メディエーションの結果と行政の最終的な意思決定は区別する必要があるが、行政がメディエーションの結果と異なる意思決定を行う場合には、その理由が具体的に説明可能でなければならないこと。
・対立点が発生し、又は予見される段階において、当事者同士がお互いの利益を高められるような問題解決が図られるような場合には、メディエーションが有効であること。
・メディエーションには、事業部局以外の関係する行政機関も参加することが望ましく、参加しない場合も極力サポートを行うべきであること。
・メディエーションの参加対象者を特定するため、まずは「紛争アセスメント」(関係者分析)を実施すべきであること。
・メディエーターは、コミュニケーション能力等に加え、社会資本整備に関する専門性を有することが望ましく、バックグラウンドの異なる複数のメディエーターがチームを組むことも有効であること。また、その選定に当たっては中立性の確保が重要であること。
・わが国への導入・普及のためには、メディエーターの名簿の作成やトレーニング等を行う支援組織が必要であること。また、現場での実験を先行することにより、メディエーターの育成を図る必要があること。
・制度的には、ADR法や弁護士法との関係が検討課題であること。




◆キーワード

合意形成、第三者、メディエーション、紛争アセスメント、ADR(裁判外紛争解決)、和解、行政

◆発行

国土交通政策研究第70号/平成18年7月

◆在庫

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◆詳細

詳細(PDF:4.1MB)

◆事後評価

内部評価シート(PDF:12KB)
有識者評価シート(PDF:16KB)