国土交通省
 建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する「技術的基準」に係るガイドライン
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平成13年3月30日
総合政策局建設業課
(内線24754)
電話:03-5253-8111

1.はじめに

 国土交通省では、適切な電子商取引の普及を通じて、建設産業の健全な発達を確保するため、平成12年に成立した書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律(平成12年法律第126号)において、建設業法(昭和24年法律第100号)を改正し、書面の交付、書面による手続等が義務付けられている規定について、一定の技術的要件の下に情報通信技術の利用による代替措置を認めることとしたところである(平成13年4月1日施行)。
 今般、契約当事者間の紛争を防止する等安全な電子商取引を促進する観点から、自己責任の下に情報通信の技術の利用により建設工事の請負契約を締結しようとする者の参考として、同法施行規則(以下「規則」という。) 第13条の2第2項(建設業法施行規則等の一部を改正する省令(平成13年国土交通省令第42号)により追加)に規定する「技術的基準」に係るガイドラインを定めることとする。

2.見読性の確保について(規則第13条の2第2項第1号関係)

 情報通信の技術を利用した方法により締結された建設工事の請負契約に係る建設業法第19条第1項に掲げる事項又は請負契約の内容で同項に掲げる事項に該当するものの変更の内容(以下「契約事項等」という。)の電磁的記録そのものは見読不可能であるので、当該記録をディスプレイ、書面等に速やかかつ整然と表示できるようにシステムを整備しておくことが必要である。
 また、電磁的記録の特長を活かし、関連する記録を迅速に取り出せるよう、適切な検索機能を備えておくことが望ましい。

3.原本性の確保について(規則第13条の2第2項第2号関係)

 建設工事の請負契約は、一般的に契約金額が大きく、契約期間も長期にわたる等の特徴があり、契約当事者間の紛争を防止する観点からも、契約事項等を記録した電磁的記録の原本性確保が重要である。このため、情報通信技術を利用した方法を用いて契約を締結する場合には、以下に掲げる措置又はこれと同等の効力を有すると認められる措置を講じることにより、契約事項等の電磁的記録の原本性を確保する必要がある。

(1)公開鍵暗号方式による電子署名

 情報通信の技術を利用した方法により行われる契約は、当事者が対面して書面により行う契約と比べ、契約事項等が改ざんされてもその痕跡が残らないなどの問題があり、有効な対応策を講じておく必要がある。
 このため、情報通信の技術を利用した方法により契約を締結しようとする場合には、契約事項等を記録した電磁的記録そのものに加え、当該記録を十分な強度を有する暗号技術により暗号化したもの及びこの暗号文を復号するために必要となる公開鍵を添付して相手方に送信する、いわゆる公開鍵暗号方式を採用する必要がある。

(2)電子的な証明書の添付

 (1)の公開鍵暗号方式を採用した場合、添付された公開鍵が真に契約をしようとしている相手方のものであるのか、他人がその者になりすましていないかという確認を行う必要がある。
 このため、(1)の措置に加え、当該公開鍵が間違いなく送付した者のものであることを示す信頼される第三者機関が発行する電子的な証明書を添付して相手方に送信する必要がある。この場合の信頼される第三者機関とは、電子認証事務を取り扱う登記所、電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第4条に規定する特定認証機関等が該当するものと考えられる。

(3)電磁的記録等の保存

 建設業を営む者が適切な経営を行っていくためには、自ら締結した請負契約の内容を適切に整理・保存して、建設工事の進行管理を行っていくことが重要であり、情報通信の技術を利用した方法により締結された契約であってもその契約事項等の電磁的記録等を適切に保存しておく必要がある。
 その際、保管されている電磁的記録が改ざんされていないことを自ら証明できるシステムを整備しておく必要がある。また、必要に応じて、信頼される第三者機関において当該記録に関する記録を保管し、原本性の証明を受けられるような措置を講じておくことも有効であると考えられる。

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