国土交通省
 建築基準法関連告示(薄板軽量形鋼造の建築物又は
 建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な
 技術的基準を定める等の件他)制定・改正に関する意見の
 募集結果について
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平成14年4月30日
<連絡先>
住宅局建築指導課
(内線39537)

電話:03-5253-8111(代表)


 

 国土交通省では、平成13年8月6日(月)から平成13年9月6日(木)までの期間において、建築基準法関連告示(薄板軽量形鋼造の建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める等の件他)制定・改正に関する意見の募集を行いました。その結果、31件の御意見を頂きました。
 頂いたご意見の概要及び国土交通省の考え方についてまとめましたので、公表いたします。
 なお、本パブリックコメントの対象である「薄板軽量形鋼造の建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める等の件」等については、平成13年11月15日に公布され、同日より施行されています。


建築基準法関連告示の制定・改正案に寄せられた
ご意見の要旨と国土交通省の考え方

(告示名はパブリックコメント実施段階のものですので、
実際に公布されたものと異なる場合があります。)

全体
(頂いた御意見)
 「施行令第八十条の二第一号」ということは、「特殊な鉄骨造」として、法第六条の「三号建築物」という理解でよいか。
(国土交通省の考え方)
 貴見の通りです。

(頂いた御意見)
 この告示を適用すべき建築物及び建築物の構造部分が明確でないように思われる。例えば、板厚6mm以下の薄板軽量形鋼を用いた部分等の適用範囲を明記すべきである。
(国土交通省の考え方)
 板厚が2.3mm以上の構造用鋼材を用いた構造部分は、建築基準法施行令(以下「令」という。)第三章第五節の規定によることとなります。

(頂いた御意見)
 薄板軽量型鋼造枠組壁工法として別途告示化し、内容的(ボリューム、表現方法、考え方等)には木造の枠組壁工法に準じたものとしてほしい。
 枠組壁工法の枠材に代替部材として薄板軽量形鋼を使用したスチールハウスを対象としているから、耐力壁の壁量の規定を設けるべきであり、また壁倍率の規定を設ける方が明確である。
(国土交通省の考え方)
 薄板軽量形鋼造は特殊な鉄骨造として位置付けているので、木造の建築物(枠組壁工法を用いた建築物を含む。)で規定している壁倍率のような仕様規定は、ここでは規定していません。

(頂いた御意見)
 「薄板軽量形鋼造の建築物及び建築物の部分の構造方法・・・」と「薄板軽量形鋼造の建築物又は建築物の構造部分の構造方法・・・」とでは、どちらが正しいのか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け修正致しました。後者が正しい表現となります。

(頂いた御意見)
 薄板軽量形鋼造の定義を明確にして欲しい。告示第五十六号及び一般鉄骨造(板厚2.3mm以上)との比較において、第三第一号を定義と考えてよいか。
(国土交通省の考え方)
 定義を柱書きに明記しました。具体的には、「薄板の構造用鋼材で、冷間成形による曲げ部分(当該曲げ部分の内法の寸法を当該薄板の構造用鋼材の厚さの数値以上とする。)又はかしめ部分を有するものを使用した枠組を構造耐力上主要な部分に用いる構造」としています。

(頂いた御意見)
 薄板軽量形鋼造の場合、第九第三号の規定により、ボルト接合が可能となるが、令第67条の規定では、鉄骨造で軒高さ9mを超える場合等はボルト接合が適用されない。薄板軽量形鋼造の場合は3階建て以下の規定のみで、軒高さ等の規定がないが、軒高さが9mを超える場合等でも使用は可能か。これが可能であれば、一般の鉄骨造においても3階以下は軒高さに関係なくボルト接合を可能として欲しい。又は今回の告示に鉄骨造の部分と併用する場合を含め、3階以下はボルト接合ができるよう追加して欲しい。
(国土交通省の考え方)
 第八第二号に令第六十七条に規定するボルト接合によることを定めており、令第六十七条に規定するボルト接合と適用の範囲は同じです。

(頂いた御意見)
 ただし書により、構造計算を行い構造耐力上安全であることが確かめられた場合は適用除外となる項目が多数あるが、実験等によって確認する必要があるのではないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、例示として規定する断面形状以外の薄板軽量形鋼を用いる場合等に対して、必要に応じて、枠組材の実況に応じた一方向又は繰り返し加力実験による確認を位置づけました。

第一
(頂いた御意見)
 「屋根版、床版」と「野地板、床板」及び「屋根、床」の定義を明確にして欲しい。「版」は水平力を伝達する能力のある場合、「板」は鉛直力のみを負担する場合と考えてよいか。
(国土交通省の考え方)
 基本的に屋根版と床版は構造耐力上主要な部分であり、構造計算をするにあたっては鉛直荷重のみならず水平力に対する安全性の検討も必要となるので、その意味で屋根版と床版は水平力も担保することとなります。

(頂いた御意見)
 下階の1/8以下の面積のPH階を入れて欲しい。
(国土交通省の考え方)
 令第二条第一項第八号で規定されています。

(頂いた御意見)
 地階の壁は、薄板軽量形鋼造の建築物又は建築物の構造部分に含まれるのか。
(国土交通省の考え方)
 薄板軽量形鋼造の建築物の地階については、令第三章第五節に定める鉄骨造と同じ取り扱いとなります。

(頂いた御意見)
 「屋根版、床版その他これらに類する部分・・・」の表現で床根太等の部材も読めるのか。
(国土交通省の考え方)
 床根太も含みます。

(頂いた御意見)
 胴縁や母屋等の三次部材も対象となるのかが不明確である。
(国土交通省の考え方)
 胴縁や母屋等も構造耐力上主要な部分としての横架材(はり、けたその他これらに類するもの)と判断されれば、これらも対象となります。

第二
(頂いた御意見)
 構造部分の構造計算の方法として、令第八十二条、第八十二条の六を指定してしまうと、当該建築物全体の計算になってしまい、部分の計算では済まなくなってしまわないか。
(国土交通省の考え方)
 令第六十九条の規定に基づき国土交通大臣の定める構造計算の基準と同様です。

第二第一号
(頂いた御意見)
 第一号の構造方法で対応できる建築規模が明確ではない。高さ13m以下、軒高9m以下かつ延べ床面積500平方メートル以下の建築物を対象としてほしい。
(国土交通省の考え方)
 告示案第一号の構造方法で対応できる建物の規模は、法第六条第一項の規定により平屋かつ200平方メートル以下となります。

第二第一号
(頂いた御意見)
 第一号の構造方法の場合でも、法第20条第2号の規定による構造計算は必要なのかどうか明らかにして欲しい。
(国土交通省の考え方)
 告示案第一号の構造方法は、構造計算を要しない場合です。

第二第三号、第四号
(頂いた御意見)
 第三号及び第四号の規定で限界耐力計算又は時刻歴応答解析を行なった場合でも、第一(適用範囲)の地階を除く階数が三以下とする規定を守る必要があるのか。
(国土交通省の考え方)
 第一の規定は耐久性等関係規定ではないので、限界耐力計算又は時刻歴応答解析等を行う場合はこれによらなくても構いません。

第二第二号
(頂いた御意見)
 延べ面積3000平方メートル以下と規定した根拠が不明確である。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、修正致しました。

第三
(頂いた御意見)
 特定の工法を想定したものと思われる材料の断面形状及び寸法が定められているが、その根拠は何か。特に細かい寸法の規定をするのは何か意図があるのか?
(国土交通省の考え方)
 薄板軽量形鋼の各断面形状及び最小寸法の規定は、旧法第38条の規定に基づく認定実績を踏まえたものであり、薄板軽量形鋼として使用する場合の安全性が十分確認されているものと考えております。なお、別に構造計算又は一方向若しくは繰り返し加力実験によって、構造耐力上支障のある断面形状のゆがみ等が生じないことが確かめられた場合は、ここで規定している断面形状及び寸法以外のものも用いることができます。

第三第一号、第二号
(頂いた御意見)
 第一号は、「厚さは〇・八ミリメートル以上二・三ミリメートル未満とすること。ただし、構造計算又は実験等により安全性が確認された場合は〇・四ミリメートル以上とできる。」又は「〇・八ミリメートル未満の場合は、スキンパネルの面材又は構造上安全な閉鎖型断面に成形したものとする。」のいずれかにすべきである。なお、面材として用いるのなら薄くても問題ないと思われる。
(国土交通省の考え方)
 旧法第三十八条の規定に基づき、天井根太や間仕切壁のたて枠材等としての実績があり安全性が十分確認されており、構造耐力上支障がないものと考えております。なお、柱、横架材又は斜材として用いる場合は、厚さ0.8mm以上の薄板軽量形鋼を用いることとし、同様に小屋組のトラスとして用いる場合は、厚さ0.8mm(構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合は、厚さ0.6mm)以上の薄板軽量形鋼を用いることとしています。

第三第一号
(頂いた御意見)
 板厚を2.3mm未満とする規定があるが、厚さ2.3mm〜6mm程度までの軽量形鋼材は広く一般的に使用されている。構造計算により安全性が確かめられた構造方法にあっては、第三の規定を適用しないとできないか。
 材料の厚さは0.4〜2.3mmとなっているが、構造耐力上主要な部分の一部に強度上、耐久上2.3mm以上の鋼材を一部に使用することが可能なようにしてほしい。
(国土交通省の考え方)
 厚さ2.3〜6mmの構造用鋼材を用いる場合は令第三章第五節の規定の対象となります。同一の建築物であってもそれぞれの部分を「建築物の構造部分」とみなして2.3mm未満の薄板の構造用鋼材による部分は本告示、2.3mm以上の構造用鋼材による部分は令第三章第五節の規定にそれぞれよることになります。

第三第三号
(頂いた御意見)
 「形状等」の等で、第二号の形状以外も薄板軽量形鋼となると理解してよいか。
(国土交通省の考え方)
 貴見の通りです。別に、構造計算又は一方向若しくは繰り返し加力実験によって構造耐力上支障のある断面形状のゆがみ等が生じないことが確かめられた場合は、ここで規定している断面形状以外のものも用いることができます。

第三第三号
(頂いた御意見)
 昭57建告第56号改正案と若干定義が異なるが、こちらの定義で整理願いたい。
(国土交通省の考え方)
 平13国交告第1540号(昭57建告第56号の全部改正)における定義を修正し、整合をとりました。

第三第三号
(頂いた御意見)
 第三第三号の「かしめ」と第九第三号ロに定める「かしめ」の違いを明確にして欲しい。
(国土交通省の考え方)
 告示案第三第三号に規定する「かしめ」は、あらかじめ工場で鋼板等を冷間成形によりかしめ加工して形鋼とする場合、告示案第九第三号ロの「かしめ」は、部材同士の接合について規定したものです。

第三第三号
(頂いた御意見)
 規定の趣旨を下記の2つに分けるべきである。「ロールフォーミング加工又はプレス加工の曲げ部分の内法半径は当該薄板鋼材の公称板厚の数値以上とする」「折り曲げた板が密着するような形式の連続カシメを角形断面の成形などに使用する」
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、薄板軽量形鋼の定義を、「薄板の構造要項材で、冷間成形による曲げ部分(当該曲げ部分の内法の寸法を当該薄板の構造用鋼材の厚さの数値以上とする。)又はかしめ部分を有するもの」としました。

第三
(頂いた御意見)
 第三の規定のどこかに、接合金物、独立柱、鋼製土台及びワッシャー等の補強材では板厚上限の制限はないものとする旨を位置付けるべきである。
(国土交通省の考え方)
 本告示は、薄板軽量形鋼造の構造方法を規定するものであり、令第三章第五節に規定する鉄骨造の構造方法において使用できるものは、特に規定していません。

第四
(頂いた御意見)
 耐力壁下部の両端部には、ホールダウン金物又は類似の金物で基礎に緊結するといった規定を追加すべきである。小規模・平屋であっても耐力壁端部はこのようにすべきである。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、第五第二号ホの規定において、連続する耐力壁相互の接合部となるたて枠を除く端部のたて枠に対して、鋼板添え板を用いた緊結の規定を位置づけました。

第四
(頂いた御意見)
 第四の規定に、小屋組に薄板軽量形鋼を使用した場合の対応についても触れていただきたい。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、小屋組等の規定を設けました。例えば、第七第三号の規定において、小屋組を形成するトラスに薄板軽量形鋼を用いる場合における板厚等について規定しています。

第四
(頂いた御意見)
 耐力壁の配置については、耐力壁線の隅角部にはどちらかの方向に耐力壁を設けることが必要ではないか。また、「その他これらに類する材料」とは具体的に何をさすのかが不明確である。
(国土交通省の考え方)
 隅角部のどちらかに耐力壁を設けることが必要であるというより、水平力及び鉛直力に対して釣合い良く配置されることが必要です。
 「その他これらに類する材料」とは、例えば枠組壁工法の耐力壁に使用している面材等が該当します。

第五
(頂いた御意見)
 斜材のなかにトラスも含まれることを明示願いたい。また第一号にて「厚さ0.8mm以上・・・」を「厚さ0.6mm以上・・・」と変更して欲しい。旧法第38条認定取得済みの屋根トラスの弦材の板厚は0.6mmとなっている。
(国土交通省の考え方)
 屋根トラスについては、小屋組等の規定の中で小屋組を構成するトラスとして規定しており、構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合は、厚さ0.6mm以上の薄板軽量形鋼を用いることが出来ます。

第七
(頂いた御意見)
 耐力壁がどのようなものかの説明がない。木造の枠組壁工法における定義と同じとしていただきたい。
(国土交通省の考え方)
 耐力壁が適合すべき構造方法を第五第二号に規定しています。ただし、構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合は、当該構造方法によらないことが可能です。

(頂いた御意見)
 既に旧法第38条の認定を受けているスチールハウスシステムが採用している壁量計算に使われている耐力壁の仕様やその計算方法をどのようにしたらよいか明らかにして頂きたい。
 計算に用いる耐力壁の強度は、どのように求めたらよいか、実験値が使えるのかどうか明らかにしてほしい。
(国土交通省の考え方)
 個別の建築確認を受ける際の審査を円滑化するための方法として、建築基準法施行規則第一条の三の規定に基づく認定(確認申請添付図書の省略の認定)を受けることが可能な場合があります。

(頂いた御意見)
 片面は構造用合板等、反対面はせっこうボードの仕様の耐力壁を認めて欲しい。
 耐力壁の1mあたりの耐力を表示し、面材とねじ及び釘打ちピッチのマトリクスで耐力を設定して欲しい。
  構造用合板等片面張り  5,500N/m以上
  せっこうボード両面張り  3,500N/m以上
  構造用合板当片面張り+せっこうボード  6,900N/m
 せっこうボードを耐力壁の面材として使用した場合の接合具として、スクリュー釘を認めて欲しい。
(国土交通省の考え方)
 薄板軽量形鋼造は特殊な鉄骨造として位置付けているので、枠組壁工法を用いた建築物を含む木造の建築物で規定している壁倍率のような仕様規定は、ここでは措置していません。耐力壁に用いる壁材の種類と接合の方法を規定していますが、構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合は、別の仕様を用いることが可能です。

第七第一号
(頂いた御意見)
 第一号に示されているイ〜ニとした場合、耐力壁の耐力をどのように考えればよいか明示して欲しい。第九第一号ハ(2)で示されているせん断耐力から逆算するということか。
(国土交通省の考え方)
 ここで定める仕様は、旧法三十八条認定の実績を踏まえて定めたものです。これらを壁倍率の数値にあてはめると概ね三倍程度となります。

第七第一号
(頂いた御意見)
 第一号ニで示されているくぎの間隔の規定で、壁材の外周部分にあっては7.5cm以下となっているのは、あくまでもシングルの場合と考えてよいか。ダブルに外枠材を使用する場合は、15cm間隔で同等の性能と考えてよいか。
(国土交通省の考え方)
 たて枠材がシングルであってもダブルであっても、面材を留め付けることで得られるせん断抵抗力は同じであるから、基本的には7.5cm以下となります。なお、たて枠材をダブルにする理由は、たて枠の圧縮耐力を向上させるためであると考えられます。

第七第一号
(頂いた御意見)
 以下の規定で、確かめる方法はどういったものか。
  「・・・ただし、・・・同等以上の効力を有するものであることを確かめた・・・構造計算を行い構造耐力上安全であることが確かめられた・・・」
 本規定により、耐力壁の許容耐力を計算することができるのか。
(国土交通省の考え方)
 実験方法等の考え方については解説書に記載する予定です。

第七第一号ハ
(頂いた御意見)
 構造耐力上支障のある開口部とは、大きさがいくらまでか。また開口部つき耐力壁(大きさ等の条件をつけ、開口面積に応じた低減率を算出する)の規定を設けてはどうか。
(国土交通省の考え方)
 開口部付き耐力壁の許容耐力については構造計算により算出することが可能です。

第八第二号
(頂いた御意見)
 アンカーボルトによる仕様規定の適用を外すために、次の趣旨の内容を追加すべきである。「第十二第一号イに規定する構造計算を行い、構造耐力上安全であることが確かめられた場合は、アンカーボルト間隔はその計算結果によることができる。」
 アンカーボルトセットの最低間隔を3m以下としてほしい(構造計算で確認した場合)。
 枠組壁工法と同様に、アンカーボルトの設置で土台の端部から最低150mm逃げるなどの措置を入れたほうが良いと考える。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、構造計算により安全であることを確かめた場合にあっては、仕様規定によらないこととしました。

第七第二号
(頂いた御意見)
 「地階の壁は、一体の鉄筋コンクリート造としなければならない。」とあるが、なぜ鉄筋コンクリート造に限定しているのか。鉄骨造ではいけないのか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、地階の壁を鉄筋コンクリート造とする制限を削除しました。薄板軽量形鋼造の建築物の地階については、令第三章第五節に定める鉄骨造と同じ取り扱いとなります。

第九第一号
(頂いた御意見)
 ただし書は、ねじ等による接合を前提としたものと解してよろしいか。
(国土交通省の考え方)
 貴見のとおりです。

第九第一号
(頂いた御意見)
 ハの規定は(2)の表をみると耐力壁のことが言いたいように思える。また、表そのものも変である。規定の趣旨は何か。
(国土交通省の考え方)
 第八第一号に、規定を明確にしました。

第九第一号
(頂いた御意見)
 薄板軽量形鋼の接合において「・・・当該ねじ等の先端が十分に埋まるように打ち抜くことによって・・・」とはどういうことか。薄板同士だと貫通するのでは。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、修正致しました。

第九第一号ロ(3)
(頂いた御意見)
 柱の仕口の接合について、鋼板添え板によりねじ8本以上で緊結するとあるが、耐力壁の端部たて枠も柱とみなすならば、壁倍率3程度の耐力壁の緊結としては過剰であり、6本以上とすることが妥当である。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、修正致しました。

第九第一号ハ(2)
(頂いた御意見)
 仕様規定であるので、表中の許容せん断耐力の数値は削除し、本文を「・・・ただし、当該接合部の許容せん断耐力が存在応力以上であることが確かめられた場合は・・・」としてはどうか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、修正致しました。構造計算又は実験によって同等以上に存在応力を伝えることができるものであることが確認された場合は、別の本数等にすることが可能です。

第九第一号ハ
(頂いた御意見)
 (2)の表のねじ等の種類を特定する根拠を明示願いたい。また表中の(一)の「土台又は頭つなぎが鋼材等の場合」のねじ等の種類に旧法第38条認定品のスクリューくぎを追加して欲しい。
(国土交通省の考え方)
 本表中の(二)項は屋根版又は床版の仕様規定であるので、内容を見直した上で修正しました。なお、(一)項では鋼製の枠材から土台又は頭つなぎに向かってスクリューくぎを打ち込むという方法が旧法第38条認定に実績にないので措置していません。

第九第一号ハ
(頂いた御意見)
 スクリュー釘について、その径を2.5mm以上とするとしているが、一般的な仕様としては3.5mm以上であるべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 スクリュー釘は、その部分の存在応力を伝えるものとして規定上位置付けました。

第九第三号
(頂いた御意見)
 リベットその他の接合は不可か。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け旧法第38条の規定による認定の実績を踏まえて、ドリリングタッピンねじ等による接合と併せて、溶接接合、リベット接合若しくはボルト接合又はかしめによる接合を規定しました。

第九第三号イ
(頂いた御意見)
 「ばね座金を用いるものに限る。」を「有効な戻り止めを施す」旨に変更頂けないか。
 「ばね座金を用いるか又は有効な戻り止めが施されたものに限る。」としたほうがよい。
(国土交通省の考え方)
 ボルト接合の具体的な仕様については、令第67条の規定に基づき大臣が定める構造方法(平12建告第1464号)によることとなります。

第九第三号ロ
(頂いた御意見)
 旧法第38条認定となっている「かしめ」「かしめリベット」も含むと解してよろしいか。この場合、板厚2.3mm以上のものもあるが、これは読めないと思われる。
(国土交通省の考え方)
 旧法第38条の規定に基づき認定を受けたかしめリベットも、実況に応じた実験によって耐力に関する性能がドリリングタッピンねじ等による接合等と同等以上であることが確かめられれば、告示で規定するかしめによる接合となると考えられます。ただし、接合する部材のうち片方が2.3mm未満の薄板軽量形鋼であれば、規定の対象となります。

第九第三号ロ
(頂いた御意見)
 かしめ接合に関し、「構造上有害な曲がり、ゆがみ」等は鋼造計算によっては確認できないと考える。
(国土交通省の考え方)
 かしめ部分の成形後の形状及び接触の実況に応じた実験によって、ドリリングタッピンねじ等による接合や溶接接合等と耐力に関する性能が同等以上であることが確認された場合は、かしめによる接合を用いることが可能です。

第九第三号ロ
(頂いた御意見)
 「圧着後のかしめ(薄板鋼材の曲げ半径を・・・に限る。)による接合・・・」とあるが、旧法第38条認定を取得していたかしめ接合では、この条件に当てはまらないため、括弧内の記述を削除して頂きたい。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、修正致しました。

第九第三号ロ
(頂いた御意見)
 かしめに関する許容応力度、材料強度に関する規定がないが、その安全性については建築主事の判断と考えてよいか。
(国土交通省の考え方)
 貴見のとおりです。

第九第三号ロ
(頂いた御意見)
 「被接合材を密着させた後に施工されるカシメ」のような表現にできないか。
(国土交通省の考え方)
 「かしめによる接合」は貴見の施工方法も該当します。

第十第一号
(頂いた御意見)
 イ〜ニの規定は告示第五十六号改正案に準じたものであるが、ロも規定する必要があるのか。
(国土交通省の考え方)
 土台の防腐措置に関する規定も耐久性等関係規定として必要な規定としています。

第十第二号
(頂いた御意見)
 鋼材の防腐処理等について、ただし書ロにおいて、常時湿潤ではなく「・・・断続的に湿潤・・・」となっている理由は何か。
(国土交通省の考え方)
 常時湿潤状態は、屋根版や外装材などの風雨に常にさらされている部分における状態であり、通常の使用状態における薄板軽量形鋼については、通常「・・・断続的に湿潤・・・」より劣悪な使用環境は考えられないためです。なお、当該規定は、ご意見を受け、修正致しました。

第十第二号
(頂いた御意見)
 鋼材倶楽部規格のY18(5%アルミニウム亜鉛メッキ鋼板)も使用できるようにしてほしい。
(国土交通省の考え方)
 第九第二号イ、ロに規定する場合であれば、Z27以外のめっき付着量のものを用いることは可能です。ただし、令第37条の耐久性等関係規定を満足する必要があります。

第十第二号
(頂いた御意見)
 構造耐力上主要な部分である薄板鋼材にあっては、いかなる構造とした場合であっても最低限の規定としての腐食を防止する措置が必要と思われる。告示案で示されるイ又はロで除外されるおそれの強い大部分の鋼材に何も処理が施されないようなことになれば、著しく建築物全体での均衡を欠くことになるので、防錆仕様はZ27より少し落としても耐力部材の全てにそれを要求するほうが安定した性能向上に資すると考えられる。
(国土交通省の考え方)
 この規定と併せて、令第37条の耐久性等関係規定にも適合する必要があり、当該条文では腐食しにくい材料を用いるか又は有効なさび止めのための措置をした材料を使用することとされています。

第十二
(頂いた御意見)
 圧縮及び曲げの座屈の許容応力度は、構造用合板等で拘束されていても、材料強度の0.4倍以下の規定が適用されないのみで、告示式はそのまま用いることとなる。解析等により妥当性を確かめられれば、座屈の許容応力度の低減をしなくても良いようにして頂けないでしょうか。
(国土交通省の考え方)
 第十一第五号の規定に基づき弾性座屈強度を固有値解析等により計算した場合も、構造用合板等に緊結した場合と同様に、座屈の許容応力度又は令第90条の圧縮の許容応力度の数値を用いることとしました。

第十二第一号
(頂いた御意見)
 「ハ 時刻歴応答計算」が追加されるべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 「時刻歴応答計算」は令第81条の2の規定によるものなので、追加することはありません。

第十二第三号
(頂いた御意見)
 天井野縁は構造計算の対象ではないと思われるので、削除して頂きたい。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、削除しました。

第十二第三号イ
(頂いた御意見)
 座屈拘束のただし書において「・・・若しくはこれらに類する場合又はこれらに類する場合を除き・・・」という表現で、角形鋼が読めるのか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、軽角形鋼を用いた場合を追加しました。

第十二第三号ロ
(頂いた御意見)
 箱型閉断面材の場合には、ねじり剛性は極端に大きくなり、横座屈に対する配慮は一般に行わなくても良いとされている。薄板軽量形鋼造の告示においても、平13国交告第1024号第1と同様な箱型閉断面材の曲げ材の座屈の許容応力度の算定を追加して頂きたい。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、軽角形鋼を使用した場合や横座屈に対して有効に補強された場合は、横座屈に対する検討は要しないこととしました。

第十二第三号ニ
(頂いた御意見)
 支圧の許容応力度は、鋼材の支圧の許容応力度と同様に1.25Fとして頂けないか。
(国土交通省の考え方)
 支圧の許容応力度については、鋼材の引張強さの関数とする設計式が提案されており、この設計式によれば、薄板軽量形鋼では、基準強度が向上する分、係数が1.25→1.05に低減されます。

第十二第三号ホ
(頂いた御意見)
 本規定は鋼板間の接合部の許容応力度の規定であるが、第九(接合)第一号ハ(2)の規定等に関連して、構造用面材―鋼板間接合部の許容応力度を規定しておく必要があるのではないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘の接合部の破壊が、構造用合板等のめりこみで決まる場合は構造用合板等の特性値を使えば計算でき、また、薄板軽量形鋼からの抜け出しや支圧で決まる場合は本規定で計算できると考えています。

第十二第三号ホ
(頂いた御意見)
 被接合材の有効断面から決まる許容せん断力=0.5AeF(Ae:ドリリングタッピンねじ穴による断面欠損を考慮した被接合有効断面積、F:被接合材のF値)の計算も必要であることをどこかに示す必要がある。
(国土交通省の考え方)
 鋼板等の破断で決まる許容せん断力であるので、令第三章第五節の鉄骨造と同様に断面欠損を考慮して確認する必要はあると考えます。

第十二第四号
(頂いた御意見)
 ロ、ハ、ニ、ホに規定されている材料強度は短期に生ずる力に対する許容応力度と同等となっているが、許容応力度等計算による場合と限界耐力計算による場合で荷重の組み合わせの分だけ結果に差が出ることになる。材料強度による場合の材料強度を短期に生ずる力に対する許容応力度よりも割り増せるようにならないか。
(国土交通省の考え方)
 材料強度については短期に生ずる力に対する許容応力度と異なり、限界耐力計算を行う場合では、基準強度の数値を1.1倍を超えない範囲で割り増しすることが出来ます。
 ドリリングタッピンねじを用いた接合部の引張り及びせん断に関しては、実験結果に対して3以上の安全率を見込んだものを長期の許容応力度とし、長期の許容応力度の1.5倍を短期の許容応力度としていました。ご意見を受け、材料強度として長期の許容応力度の3倍をとることが出来ることにより、ドリリングタッピンねじを用いた接合部の引張り及びせん断の材料強度の数値を修正致しました。

第十二第四号
(頂いた御意見)
 ホの規定ですが、材料強度についてはもう少し高めの値を採用した方が良い(保有水平耐力計算を行う場合の計算上の辻褄で苦しい場面が出てきそう)。また、スクリュー釘の許容せん断応力度、せん断応力度の材料強度も規定するか、又は、実験結果が採用できるといった規定が必要であると思われる。
(国土交通省の考え方)
 第三号ホに規定する長期に生ずる力に対する許容応力度は実験から得られた最大強度の保証値(最大強度の平均値−2シグマシグマ:標準偏差))に対して安全率3程度を考慮して設定されたものとなっています。ご指摘を受け、材料強度については、短期に生ずる力に対する許容応力度の2倍まで引き上げることとしております。

第十二第四号
(頂いた御意見)
 スクリューくぎのせん断及び引張りの許容応力度は独自に設定してよろしいか。
 ドリリングタッピンねじやスクリュー釘の基準強度の数値は、別の告示などに示されるのか。
(国土交通省の考え方)
 ドリリングタッピンねじについては、法第37条の規定に基づく指定建築材料として位置付け、併せて基準強度の数値は平13国交告第1024号に規定されます。なお、スクリューくぎについては構造用合板等の木質系面材との接合しか想定していないので、接合部分の許容応力度等は面材の特性値を用いて計算することが可能です。

第十二第四号イ
(頂いた御意見)
 保有耐力等を計算する場合に用いる有効幅は、第十二第二号で求めたものを使用するのか不明確である。
(国土交通省の考え方)
 保有水平耐力を算出する場合の有効幅を求める場合には、1.1Fを用いる方がより正しい有効幅を算出することが出来ますが、計算の簡便性を優先させて、1.0Fで計算します。この場合、有効幅を5%程度大きく評価することになりますが、設計上無視できる値に納まっています。

第十二第五号
(頂いた御意見)
 この規定を第十二の始めに置くほうが親切である(見やすい)。
(国土交通省の考え方)
 規定の体裁上、各計算式の中で用いられる数値については、一連の計算式の規定の後に位置付けています。

第十二第五号
(頂いた御意見)
 イに有効幅の計算に用いる板要素の座屈係数に関する規定があるが、圧縮を受けるZ形鋼(リップ及びリップなし)に対する表現がないので、これを追加することはできないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、修正致しました。

第十二第五号
(頂いた御意見)
 座屈係数及び弾性座屈強度を固有値解析等により算出した場合は当該数値によることができるとあるが、実験により確認できることも明記できないか。
(国土交通省の考え方)
 実験では、鋼材の降伏の影響が現れるため、ここで扱っている弾性座屈強度を直接的に導出するのは困難であると考えています。

第十二第五号ロ (頂いた御意見)
 例えば、板等で拘束されている場合などの有効座屈長さの設定方法が不明確である。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、板等で拘束された場合の座屈強度計算の簡便化を図り、一部規定を修正しました。

第十二第五号ハ
(頂いた御意見)
 「(一)と(二)のうちいずれか小さい方」の意味が不明である。またシグマlの算定式は次元がN/m平方メートルとならないが、正しいのか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、修正致しました。

第十二第五号ハ
(頂いた御意見)
 式に修正すべきである。
 ZXは、断面二次モーメントではなく、断面係数ではないか。
 ZXは、「曲げを受ける軸に対する断面二次モーメント(単位ミリメートルの四乗)」とあるが、「断面係数(単位 ミリメートルの三乗)」ではないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を受け、修正致しました。

第十二
(頂いた御意見)
 耐力壁の許容せん断耐力、保有水平耐力、Ds値については、陽に数値を記述しない場合は「構造計算又は実験により安全性が確かめられた値を用いることができる」といった内容の記述があるのが良いと考えられる。なぜならば、耐力壁の性能は下部(特に端部)の補剛も含めた詳細に、その構造性能が依存するからである。
 薄板軽量形鋼造による構造は、その特殊性から局部座屈の検証は計算では難しく、実験によって実証される場合が多い。スチールハウスも種々の実験が行われ、耐力が検証されているが、構造計算の根拠に実験値の採用も認めて欲しい。
(国土交通省の考え方)
 耐力壁の許容せん断耐力、保有水平耐力、Ds値等については、実験結果に基づき適切な評価を行えば、構造計算に使用することが可能です。

第十二
(頂いた御意見)
 アンカーボルトを含む接合金物類の確認方法が告示案に示されていない。また、構造用間柱材(stud)、トラス弦材等の変形限界に関する規定も告示案に示されていない。これらについて告示に確認方法及び設計に関する詳細を示して欲しい。
(国土交通省の考え方)
 接合金物類又は構造用間柱材(stud)若しくはトラス弦材等については、必要に応じて当該部分に作用する荷重や変形に対して安全であることを確認することとなります。


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