都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律施行令の伴う
関係政令及び関係省令の整備等に関する政令及び省令案

別添

I.都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案

都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律は、平成13年5月18日から施行することとする。

II.都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案

<都市計画法施行令>

1.区域区分を義務付ける大都市に係る都市計画区域(都市計画法第7条第2項第2号関係)

政令指定都市の区域の全部又は一部を含む都市計画区域を規定する。

2.立体都市計画の対象となる都市施設(都市計画法第11条第3項関係)

以下の都市施設を規定する。
・道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナルその他の交通施設
・水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設
・河川、運河その他の水路
・電気通信事業の用に供する施設
・防火又は防水の施設

3.風致地区に関する都市計画の決定権限(都市計画法第15条第1項第5号関係)

10ha未満の風致地区に係る都市計画決定権限を、都道府県から市町村に委譲する(10ha以上の風致地区は都道府県決定)。

4.産業廃棄物処理施設に係る都市計画の決定権限(都市計画法律第15条第1項第5号関係)

産業廃棄物処理施設に係る都市計画決定権限を、市町村から都道府県に移管する。

5.国の利害に重大な関係のある都市計画(都市計画法第18条第3項関係)

都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(区域区分の有無及びその方針並びに国の利害に重大な関係がある地域地区及び都市施設に係る都市計画の決定の方針に限る。)、区域区分等を、都市計画決定に際し、国土交通大臣の同意が必要な都市計画とする。

6.都市計画区域及び準都市計画区域の開発許可不要の規模(都市計画法第29条第1項第1号関係)

市街化区域については、1000u未満。
区域区分が定められていない都市計画区域についは、3000u未満。
準都市計画区域については、3000u未満。

7.都市計画区域及び準都市計画区域外の区域の開発許可対象の規模(都市計画法第29条第2項柱書関係)

1ha以上を開発許可の対象とする。

8.都市計画区域及び準都市計画区域外の区域の許可不要の開発行為(都市計画法第29条第2項第1号関係)

政令第20条に掲げる建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為(農業施設に係る開発行為等。都市計画区域内と同じ。)とする。

9.開発区域が2以上の区域にわたる場合の開発許可対象規模(都市計画法第29条第3項関係)

1ha以上の開発は、区域のまたがりにかかわらず全て許可対象とする。
いずれか1の区域内において当該区域の許可対象規模以上(市街化区域に1000u以上存する等)の開発が行われれば開発区域全体を対象にする。
開発区域全体の面積が、開発のまたがる区域のうち最も大きい規模要件に該当するときは区域全体を許可対象とする。

10.5ha以上の開発に係る公園の設置義務の緩和

住居系以外の開発については、緑地や広場でもよいこととする。

11.終末処理施設の設置義務規定の削除

政令第26条第4号を削除する。

12.条例で技術基準の細目を強化する際の基準(都市計画法第33条第3項関係)

政令第25条第2号、第3号、第5号から第7号まで、第27条、第28条第2号から第6号まで、第28条の2から第29条までの技術的細目に定められた制限について、環境の保全、災害の防止及び利便の増進を図るために必要な限度を超えない範囲で強化を可能とする。
政令第25条第2号(敷地が接する道路幅員)の強化について、道路幅員を12m(小区間で通行上支障がない場合は6m)までを上限とする。
政令第25条第3号(市街化調整区域内の20ha以上の開発に係る幹線道路要件)について、開発区域の面積に限定して強化を可能とする。
政令第25条第5号(9m以上の道路の歩車道分離)の強化について、歩車道分離を求めることができる道路幅員を5.5m下限とする。
政令第25条第6号(0.3ha以上5ha未満の開発に係る公園等の設置基準)について
・住宅系の開発行為について、公園に限定すること
・公園等の数、1箇所当たりの公園等の面積の最低限度を定めること
・公園等の面積の合計の開発区域の面積に対する割合を、開発区域及びその周辺の状況並びに予定建築物等の用途を勘案して特に必要があると認められる場合 に、6%を上限として強化することを可能とする。
政令第25条第7号(5ha以上の開発に係る公園等の設置基準)について、公園等の数、1箇所当たりの公園等の面積の最低限度及び公園等の面積の合計の開発区域の面積に対する割合を6%まで、国土交通省令で定める基準に従い強化することを可能とする。
第27条(公益的施設の配置)について、20ha未満の開発行為においても必要とされるごみ収集場その他の公益施設の設置を求めることを可能とする。
第28条第2号から第6号まで(がけ崩れ、土砂の流出対策)について、地方の気候、風土又は地勢の特殊性により、開発行為に伴うがけ崩れ又は土砂の流出の防止の目的を達し難い場合に強化を可能とする。
第28条の2第1号(樹木の保存)について、保存の措置を講ずべき樹木の要件を条例で定めることをを可能とする。
第28条の2第2号(表土の保存)について、表土の復元、客土、土壌の改良等の措置を講ずべき切土・盛土の高さの最低限度、切土・盛土をする土地の面積の最低限度に限定して強化を可能とする。
第28条の3(緩衝帯の幅員)について、緩衝帯の幅員の最低限度を20mを超えない範囲で国土交通省令で定める基準に従い強化を可能とする。
第29条(施設の構造又は能力に関して必要な技術的細目)について、国土交通省令で定める基準に従い強化を可能とする。

13.条例で技術基準の細目を緩和する際の基準(都市計画法第33条第3項関係)

政令第25条第2号(敷地が接する道路幅員)について、4mでも許可対象とすることができることとする。
政令第25条第6号(0.3ha以上5ha未満の開発行為に係る公園等の設置基準)について、開発区域の周辺の地域で公共団体が公園の整備を行うことが予定されている場合に緩和を可能とする。

14.条例で最低敷地規模規制を付加する際の基準(都市計画法第33条第4項関係)

原則 200u(市街地の周辺その他の良好な自然的環境を形成している地域においては300u)を超えないこととする。

15.条例で区域を指定する際の基準(都市計画法第34条第8号の3、第8号の4関係)

法第34条第8号の3及び第8号の4の土地の区域を条例で定める場合、溢水、湛水、津波、高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域等を含まないこととする。

16.市街化調整区域において認められる建築行為等の追加(都市計画法第43条第1項関係)

市街化調整区域において認められる建築行為等として、都市計画法第34条第8号の3及び第8号の4の区域で行われる建築行為を追加する。

17.都市計画に道路を整備する立体的な範囲が定められている場合における、当該立体的な範囲外における建築で、安全上、防火上及び衛生上支障がない場合
(都市計画法第54条第2号関係)

都市計画施設のうち道路の区域内における建築の許可の基準について、都市計画に道路を整備する立体的な範囲を定める場合に、建築建築基準法第44条の道路内建築制限の規定との調整を図る規定を追加する。

<風致地区内における建築等の規制の基準を定める政令>

1.政令の題名の変更

政令の題名を「風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令」とする。

2.風致地区における建築等の規制を定める条例の策定主体の変更

10ha以上の風致地区における規制を定める条例については都道府県が、10ha未満の風致地区における規制を定める条例については市町村が、それぞれ定めることとする。

3.建築物その他の工作物の色彩の変更に関する規制の追加

行為の制限の対象として、建築物等の色彩の変更を追加し、建築物等の色彩の変更が当該建築物等の存する土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないことを許可基準として条例で定めるものとする。

4.土地の形質の変更等に伴う樹木等の保全又は植栽を行う場合の基準の明確化

土地の形質の変更等について、当該形質の変更等に係る土地の面積に対する残存する緑地の面積と植栽する緑地の面積の合計の割合の下限値を定め、許可基準として条例に定めるものとする。
基準は、10%以上60%以下の範囲で条例で定めるものとする。

5.土地の形質の変更におけるのりの高さの規制

面積が1haを超える宅地の造成等について、当該宅地の造成等に伴い生じるのりの高さを1.5m以上5m以下の範囲内で規制することとし、許可基準として条例に定めるものとする。
面積が1ha以下の宅地の造成等について、当該宅地の造成等に伴い生じるのりに適切な植栽を行う等により当該土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和とならないよう規制することとし、許可基準として条例で定めるものとする。

6.屋外における物件の堆積に関する規制の追加

行為の制限の対象として、屋外における土石、廃棄物又は再生資源の堆積を追加し、当該堆積に係る土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないことを許可基準として条例で定めるものとする。

<建築基準法施行令>

1.特定用途制限地域内において条例で定める制限の基準(建築基準法第49条の2関係)

特定用途制限地域内において条例で定める制限の基準を以下のとおり規定する。
・特定用途制限地域に関する都市計画に定められた用途の概要に即し、当該地域の良好な環境の形成又は保持に貢献する合理的な制限であることが明らかなこと
・法第3条第2項の規定により当該条例の規定の適用を受けない建築物について、法第86条の7の規定の例により当該条例に定める制限の適用の除外に関する規定を定めること
・個別具体的な状況から判断して、当該地域の良好な環境を害するおそれがないと認められることや公益上やむを得ないと認められることもあることから、当該地方公共団体の長の許可により適用除外とする旨の規定を定めること

2.特例容積率の限度の指定等の申請について同意を得るべき利害関係者(建築基準法第52条の2第1項及び第52条の3第1項関係)

特例容積率の限度の指定等の申請について同意を得るべき利害関係者として以下のものを規定する。
・所有権を有する者
・対抗要件を備えた借地権を有する者
・登記した先取特権、質権又抵当権を有する者
・上記の権利に関する仮登記の登記名義人
・上記の権利に関する差押えの登記の登記名義人
・その土地に関する買戻しの特約の登記の登記名義人

3.建ぺい率の制限の緩和に当たり建築物から除かれる部分(建築基準法第53条第4項関係)

壁面線等を越えない建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものは、建ぺい率制限が緩和されるが、その際当該壁面線等を越えてはいけない建築物から以下のものを除くこととする。
・軒、ひさし、ぬれ縁及び建築設備
・建築物の地盤面下の部分
・高さ2メートル以下の門又は塀

4.圧縮天然ガススタンドの取扱い

圧縮天然ガススタンドについては、市街地環境への悪影響がないものであり、これまで原則禁止とされていた第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域及び準工業地域においても建築を可能とする措置をする。

<その他関係政令の整備等及び経過措置>

以上の政令のほか、33の関係政令の整備等を行う。
現行の風致地区に関する都道府県の条例は、本政令の施行の日から3年を経過するまでの間は、本政令による改正後の風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令に規定する基準に従ったものとみなす。


III.都市計画法施行規則及び建築基準法施行規則の一部を改正する省令案

<都市計画法施行規則>

1.準都市計画区域の指定等の公告の方法(都市計画法第5条の2第3項関係)

市町村が定める方法で行うことを規定する。

2.準都市計画区域についての基礎調査の方法(都市計画法第6条第3項関係)

準都市計画区域についての都市計画に関する基礎調査は、政府又は地方公共団体が行う調査の結果の集計及び必要な調査の実施により行うことを規定する。

3.準都市計画区域についての基礎調査の項目(都市計画法第6条第3項関係)

準都市計画区域についての都市計画に関する基礎調査の項目を、世帯数及び住宅戸数、住宅の規模その他住宅事情、建築物の用途、構造、建築面積及び延べ面積、土地の自然的状況、宅地開発の状況及び建築の動態等と規定する。

4.条例で技術基準の細目を強化する際の基準(都市計画法第33条第3項関係)

省令第21条(5ha以上の開発に係る公園等の設置基準)の強化の基準
・公園等の数、1箇所当たりの公園等の面積の最低限度を強化すること
・公園等の面積の合計の開発区域の面積に対する割合を、開発区域及びその周辺の状況並びに予定建築物等の用途を勘案して特に必要があると認められる場合に、6%を上限として強化することを可能とする。
省令第23条の3(緩衝帯の幅員)の強化の基準
・1ha以上の開発行為について開発区域の面積の25%を超えない範囲内で、緩衝帯の幅員の強化を可能とする。
省令第24条から第27条までに規定する技術的細目の強化の基準
・道路、公園、排水施設、擁壁の構造又は能力に関して、環境の保全、災害の防止及び利便の増進を図るために必要な限度を超えない範囲で強化を可能とする。

5.市街化調整区域における既存宅地の確認の申請の規定の削除

既存宅地制度の廃止に伴い、省令第34条の2を削除する。

<建築基準法施行規則>

1.確認申請書、許可申請書等の様式

確認申請書、許可申請書等の様式について、今回の法改正により創設された準都市計画区域に関する欄を設ける等の改正を行う。

2.特例容積率の限度の指定の申請等(建築基準法第52条の2第1項及び第52条の3第1項)

特例容積率の限度の指定及び指定の取消しの申請に当たり、添付しなければならないものとして、付近見取図等を定めることとする。

3.特例容積率の限度の指定に関する公告事項等(建築基準法第52条の2第4項)

特定行政庁が特例容積率の限度の指定をしたときに公告する事項を、特定容積率の限度、特例敷地の位置が縦覧できる場所とする。

4.特例容積率の限度の指定等に係る公告の方法(建築基準法第52条の2第4項及び第52条の3第3項)

特例容積率の限度の指定及び指定の取消しに係る公告は、公報への掲載その他特定行政庁が定める方法により行うものとする。


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