国土交通省
 「建築基準法等の一部を改正する法律の施行期日を定め
 る政令案」及び「建築基準法等の一部を改正する法律の施
 行に伴う関係政令の整備等に関する政令案」に関するパブ
 リックコメントの募集結果について
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平成14年11月6日
<連絡先>
住宅局市街地建築課
(内線39613、39614)
都市・地域整備局都市計画課
(内線32682、32633)
 市街地整備課
(内線32752、32725)

電話:03-5253-8111(代表)


 

 国土交通省では、平成14年10月8日から平成14年10月28日までの期間において、「建築基準法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案」及び「建築基準法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案」に関するパブリックコメントの募集を行いました。その結果、17件の御意見を頂きました。頂いた御意見の概要及び国土交通省の考え方を以下のとおりまとめましたので、公表いたします。
 なお、本政令案に直接関係する御意見のみ掲載させていただきましたが、掲載しなかった御意見についても今後の施策の推進に当たって、参考にさせていただきたいと考えております。


 

「建築基準法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案」及び
「建築基準法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に
関する政令案」について頂いた御意見とそれに対する国土交通省の考え方

<施行期日政令>

(頂いた御意見)

 法律の公布から施行期日までの期間が短く、地方公共団体において施行に向けた対応ができないおそれがあるのではないか。
(国土交通省の考え方)
 建築基準法等の一部を改正する法律(以下「改正法」といいます。)は、国政の最重要課題の1つである都市再生に密接に関連するものです。このため、改正法においてシックハウス対策に関係する改正規定以外の改正規定の施行は、公布の日(7月12日)から6か月以内とされております。
 こうした経緯を踏まえ、施行期日政令において施行期日を1月1日としたものであり、現在、関係地方公共団体に対し、円滑な施行に向けた準備作業をお願いしているところです。

(頂いた御意見)
 建築基準法第52条に第7項を加える改正規定中、特定行政庁による区域の指定及び数値の決定のための都道府県都市計画審議会の議決に係る部分は、政令の公布の日から施行することとされているが、既に都道府県都市計画審議会の議決を終えている場合、その議決は有効か。
(国土交通省の考え方)
 御指摘の規定は、特定行政庁からの要望を踏まえ、改正法の施行期日前に新たな手続として設けられた建築基準法第52条第7項に規定する区域の指定及び数値の決定のための都道府県都市計画審議会の議決を有効であるものとするため設けるものであり、政令の公布の日以降のものが有効になります。

<建築基準法施行令>

 【建築基準法第52条第7項関係】

(頂いた御意見)
 一定の住宅について用途地域に関する都市計画で定める容積率の緩和の上限の数値の算出方法にあるVcとは、指定容積率なのか、それとも基準容積率なのか。
(国土交通省の考え方)
 Vcは、建築物がある用途地域に関する都市計画において定められた容積率の数値を表しています。

(頂いた御意見)
 一定の住宅が有するべき空地及び道路に接して有効な空地の部分に関して、工作物等の設置、一般への公開性、接道長さ、フェンス等の設置に係る制限はあるのか。また、「道路に接して有効な部分」の意味を明確にするべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 一定の住宅が有するべき空地の部分のうち道路に接して有効な部分に関しては、できるだけまとまりのある形状と連続性を確保する観点から、道路に面していること、敷地の奥行の一定範囲内にあること等に該当するものを指すものであると解されています。
 これらの点については、改正法の施行に合わせて解釈の明確化のための通知を発出する予定です。

(頂いた御意見)
 一定の住宅が有するべき敷地面積の規模に関して、条例による最低敷地面積の上限は「当該市街地の街区規模等を勘案した適切な規模」とするべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 最低敷地面積の上下限値は、土地利用の状況等を考慮して条例で別の定めができるようにしておりますが、本制度の適用に伴う権利制限が厳しくなりすぎないようその限度を定めたものです。

(頂いた御意見)
 道路に接して有効な空地に関しては、有効な空地が接する道路は、混在系用途地域内に存することとし、少なくとも敷地の過半が適用区域内にあることを条件とすべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 現行の容積率制度は敷地の属する用途地域等の面積按分により当該敷地の容積率を定めることとされており、これとのバランスから御指摘の要件を加味することは必要ないものと考えます。

 【建築基準法第56条第7項関係】

(頂いた御意見)

 各種高さ制限に適合する建築物の天空率以上の天空率を建築しようとする建築物が確保したとしても、建築を群として捉えた場合には、街中における天空率が低下することとなるため、従前建築基準法が確保していた、社会的な基準を満たしているとは言えないのではないか。
(国土交通省の考え方)
 各種高さ制限は敷地単位で適用されているところであり、天空率についても敷地単位で比較して各種高さ制限を適用しないこととすることには十分な合理性があります。

(頂いた御意見)
 天空率が建築物の形態を規制する基準となるのであれば、地区計画制度における規制概念に天空率を加えるべきである。
(国土交通省の考え方)
 地区計画の区域においても高さ制限として天空率を用いることは否定されておりません。

(頂いた御意見)
 天空率の敷地の地盤を含めて天空率の算定・比較を行うことの意味がわかりづらい。
(国土交通省の考え方)
 例えば、前面道路と建築物の敷地の地盤面に高低差があり天空率を算定する位置が建築物の敷地の地盤面よりも低くなる場合には、採光、通風等に全く影響を与えない建築物の底や地盤面下の部分が、天空率の算定に影響を及ぼすこととなり、天空率の適正な評価が損なわれるおそれがあるため、建築物の敷地の地盤を含めて天空率の算定・比較を行うこととしたものです。

(頂いた御意見)
 道路高さ制限、隣地高さ制限及び北側高さ制限を適用しない建築物の基準等における天空率の算定位置がわかりづらい。
(国土交通省の考え方)
 各高さ制限を適用しない建築物の基準等における天空率の算定位置を図示すると以下のとおりです。
 1道路高さ制限を適用しない建築物の基準等における天空率の算定位置
 (1)計画建築物の敷地の前面道路に面する部分の両端から最も近い当該前面道路の反対側の境界線上の位置
 位置図1(1)

 (2)(1)で示した位置の間の延長が前面道路の幅員の2分の1を超える場合にあっては、当該位置の間に前面道路の幅員の2分の1以内の間隔で均等に配置した位置
位置図1(2)
※低層住居専用地域の場合

 2隣地高さ制限を適用しない建築物の基準等における天空率の算定位置
 (1)建築基準法第56条第7項第2号に規定する外側の線の計画建築物の敷地に面する部分の両端上の位置
位置図2(1)
 なお、(1)で示した位置の間の延長が、当該位置が隣地境界線からの水平距離が16mだけ外側の線上にある場合には8m又は12.4mだけ外側の線上にある場合には6.2mを超えるときは、当該位置の間にそれぞれ8m又は6.2m以内の間隔で均等に配置した位置となります。

 3北側高さ制限を適用しない建築物の基準等における天空率の算定位置
 (1)計画建築物の敷地の真北に面する部分の両端から真北方向の建築基準法第56条第7項第3号に規定する外側の線上の位置
位置図3(1)

 (2)(1)で示した位置の間の延長が、第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内の建築物にあっては1mを超えるときは、当該位置の間に1m以内の間隔で均等に配置した位置(第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあってはそれぞれ2mとなります。)
位置図3(2)
※低層住居専用地域の場合

(頂いた御意見)
 前面道路の幅員が位置によって異なる場合には、「前面道路の幅員の2分の1以内の間隔」における「前面道路の幅員」をどのように解釈するのか。
(国土交通省の考え方)
 御指摘のケースにおいては、建築物の部分が天空率に及ぼす影響をできるだけ正確に算定・比較を行うため、最小となる前面道路の幅員が「前面道路の幅員」であると解されます。
 なお、この点に関しましては、改正法の施行に合わせて解釈を明確化するための通知を発出する予定です。

(頂いた御意見)
 各種高さ制限を地域の特性に応じて柔軟に運用できるようにするため、各種高さ制限を適用しない建築物の基準及び天空率の算定位置を上乗せ条例として設定できるようにするべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 各種高さ制限を適用しない建築物に関しては、各種高さ制限に適合する建築物の天空率以上の天空率が確保される以上、制限を上乗せする合理的な理由はありません。なお、天空率の算定位置中、隣地高さ制限又は北側高さ制限を適用しない建築物の基準等における天空率の算定位置に関しましては、建築基準法第135条の3第2項又は同令第135条の4第2項に規定する特定行政庁の規則で建築物の位置の高さが別に定められている場合には、当該規則で定める高さを計画建築物の敷地の地盤面の高さとみなすこととしています。

 【建築基準法第86条第3項及び第4項並びに第86条の2第2項関係】

(頂いた御意見)

 建築基準法第86条第3項及び第4項における敷地規模は、どのように適用されるのか。
(国土交通省の考え方)
 建築基準法第86条第3項においては建築しようとする建築物が建築される一団地について、同条第4項においては建築しようとする建築物が建築される一定の一団の土地の区域について、それぞれ適用されることとなります。

<都市計画法施行令>

 【都市計画法第21条の2第1項関係】

(頂いた御意見)

 都市計画の提案制度の規模要件について、条例で0.1ヘクタールを下回る規模も定められるようにして欲しい。
(国土交通省の考え方)
 都市計画の提案は、「一体として整備し、開発し、又は変更すべき土地の区域としてふさわしい・・・規模以上の一団の土地の区域について」行うことができることとされていることから(都市計画法第21条の2)、提案に係る規模要件を条例に委任する場合についても、この一体性、一団性を確保するために、他の制度も参考にして、その下限(0.1ヘクタール)を定めているものです。したがって、本条に基づく条例において、0.1ヘクタールを下回る規模要件を定めることはできません。

(頂いた御意見)
 1都市計画の提案制度の規模要件を0.5ヘクタールとした根拠は何か。
 2規模要件を条例に委任する場合に「都市計画の種類を限り」とされているが、具体的にどのような都市計画を想定しているのか。
(国土交通省の考え方)
 1都市再生特別措置法(平成14年法律第22号)における都市計画の提案制度において提案に係る都市再生事業の規模要件が0.5ヘクタール以上とされていること、第二種市街地再開発事業の規模要件が0.5ヘクタール以上とされていること等を参考としたものです。
 2現在でも、例えば地区計画や高度利用地区等には、0.1ヘクタール以上0.5ヘクタール未満の規模のものがあり、規模要件を条例に委任する場合の下限(0.1ヘクタール)については、これらを参考にしています。また、規模要件を条例に委任する場合にその規模を引き下げることができる都市計画の種類は、各地方公共団体が地域の実情に応じて条例で定める事項であり、そこで定められる都市計画の種類について国として限定するものではありません。

 【建ぺい率に関する経過措置関係関係】

(頂いた御意見)

 建ぺい率に関する経過措置が設けられたが、建ぺい率に係る都市計画決定について、既に都市計画審議会を終えている場合、その議決は有効か。
(国土交通省の考え方)
 御指摘の経過措置は、用途地域について定められている現行の建ぺい率を改正法の施行期日以降は都市計画決定された数値とみなすものであり、改正法の施行期日において建ぺい率に係る都市計画決定がなされていない用途地域が生じるという事態を回避するために規定したものです。したがって、新たに都市計画に建ぺい率を定めようとする場合に、すでに地方公共団体において進められた建ぺい率に係る都市計画決定手続が無効になるものではなく、都道府県都市計画審議会等の議決を経ている場合には、その議決は有効です。

(頂いた御意見)
 建ぺい率に関する経過措置について、もっと早期に定めるべきではなかったか。
(国土交通省の考え方)
 御指摘の経過措置については、改正法の公布後、複数の地方公共団体より手続的に、改正法の施行期日までに建ぺい率に係る都市計画決定手続を完了することが不可能である旨の意見が寄せられたことから、今般の政令改正において規定することとしたものです。

以上


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