国土交通省
 製材に関する燃えしろ設計等に係る告示案に関する意見の
 募集結果について
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平成16年9月2日
<連絡先>
住宅局建築指導課
(内線39563、39537)

電話:03-5253-8111(代表)


 

 国土交通省では、平成16年2月3日(火)から平成16年3月3日(水)までの期間において、製材に関する燃えしろ設計等に係る告示案に関する意見の募集を行いました。その結果、30件のご意見を頂きました。
 頂いたご意見の概要及び国土交通省の考え方についてまとめましたので、公表いたします。
 なお、本パブリックコメントの対象である「構造耐力上主要な部分である柱及び横架材に使用する集成材その他の木材の品質の強度及び耐久性に関する基準を定める件」等については、平成16年3月22日に公布され、同日より施行されています。


昭和62年建設省告示第1898号(構造耐力上主要な部分である柱及び横架材に使用する集成材その他の木材の品質の強度及び耐久性に関する基準を定める件)

 

全般

(頂いたご意見)
 改正前と同様、告示第1898号第四号に規定された集成材についても燃えしろ設計できるよう、改正告示に入れるべきである。
(国土交通省の考え方)
 第四号のように国土交通大臣が基準強度を指定した製材については、火災による高温時の性能が担保されているのか不明であるため、燃えしろ設計の対象からは外しました。

(頂いたご意見)
 平成12年建設省告示第1452号第七号の規定に基づき国土交通大臣が基準強度を指定した製材についても、昭和62年建設省告示第1898号第一号から第六号までに規定された構造用集成材等と同様に、建築基準法施行令第46条第2項第一号イの適用除外規定の対象とすべきである。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、修正いたしました。

 

第六号

(頂いたご意見)
 含水率の許容範囲を明示すべきである。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、修正いたしました。

(頂いたご意見)
 含水率の基準を15%とすると、乾燥割れ等の弊害が大きくなると考えられるため、20〜25%を含水率の上限とすべきである。
(頂いたご意見)
 構法によっては厳しい含水率を要求する必要のないものもあるため、構法を限定することのない、20〜25%を含水率の上限とすべきである。
(頂いたご意見)
 含水率15%という数値規定ではなく、「構造強度に影響の恐れのある内部割れ等のない乾燥材」等の規定とすべきである。
(国土交通省の考え方)
 構造計算を行うにあたり、乾燥割れによる接合耐力の低下が生じないことを担保することを目的として含水率を規制しています。乾燥割れが生じない含水率は、その樹種、木理、使用環境等により異なり、何%に決めても絶対に乾燥割れが生じないという含水率は無いと考えています。以上により、我が国における標準的な温室度環境20℃、65%RHにおける平衡含水率である15%を基準としました。明確な数値を示さずに精神的な規定とすることも考えられますが、基準は明確にするべきという国民の要求に対応して明確な数値基準としました。ただし、乾燥割れが生じても著しく接合耐力が低下するおそれの無い接合方法を用いる建築物については、多少規制を緩和し、20%以下を基準としました。

(頂いたご意見)
 無等級材も構造設計に用いることができるようにすべきである。JAS規格材は流通量が少なく、また、無等級材は構造計算上耐力も目視等級や機械等級に比べて低く抑えられているため、JAS規格材にこだわる必要はないのではないか。
(国土交通省の考え方)
 無等級材も基準強度を与えていますので、構造設計に用いることができます。しかし、建築物の構造性能を担保するためには、その根幹となる材料の性能、品質を確保する必要があります。木材の品質を担保する規格は我が国の場合、日本農林規格(JAS)しかありません。本来、構造計算を要しない小規模な建築物においても使用材料の品質を確保する必要がありますが、流通量が少ないことを勘案して構造設計を行う場合についてのみ使用材料の品質が確保されているJAS規格材を用いることを原則としました。

(頂いたご意見)
 背割りされた木材も燃えしろ設計ができるのか。
(国土交通省の考え方)
 適用できます。実験によると背割りされた部分は他の部分より炭化が進みますが、通常、背割り部分を見せるように使用するとは考えにくく、直接火熱を受けることが少ないと思われます。

(頂いたご意見)
 製材を用いた在来工法でも、構造計算によって釣合い良い壁の配置(偏心)に関する規定をはずすことが可能になってしまうので、在来木造建築物について釣合い良い壁の配置(偏心)に関する規定を設けるべきである。
(国土交通省の考え方)
 建築基準法施行令第46条第2項に基づく構造設計を行う場合、水平構面の剛性によって各壁線に作用する水平力を分配する必要があり、釣合いが良くない壁配置であれば、それだけ設計が厳しくなるとともに、厳しい設計条件を満たすものになるので、構造安全性は確保されると考えています。


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