平成22年4月6日
スカイマーク社については、社長及び安全統括管理者が機長の安全優先の判断を尊重せず運航を指示した事案、操縦室内でデジタルカメラを使用した事案、管制指示を逸脱した運航を行った事案が連続して発生したことから、平成22年3月15日から4月2日まで3週間にわたり、本社、主要基地及び運航便に対し、航空事業安全監査チームによる特別安全監査を実施しました。
この結果を踏まえ、本日、スカイマーク社に対して、安全管理体制、運航体制及び整備体制等の改善について、別添のとおり業務改善勧告を行いましたので、お知らせします。
なお、同社に対しては、改善勧告事項について具体的な改善計画書を作成し、本年4月13日までに提出することを求めています。
今回の特別安全監査では、運航、整備、安全管理の全ての業務分野を対象に、個別不適切事案を取り上げたうえ、その背景要因について、関係者からの徹底的な聴き取りを行うことにより、会社の管理の方法や体制の問題点を明らかにしました。
1.安全管理体制について
運航安全上に支障を及ぼす可能性のある事象が社内で把握されているにもかかわらず、適切な是正措置が取られていない事例が認められたため、このような事象に対して適切な対策が講じられるよう安全管理体制の見直しを行うとともに、安全統括管理者が十分に責務を果たすよう、その職務の改善を求めています。
2.運航体制について
乗務員の安全意識の不足、会社による運航乗務員の日常的な技量管理や運航全体にわたる実態の把握が不十分であることに起因する事案が認められたため、運航乗務員等に対する教育訓練を拡充するとともに、日々の運航実態を的確に把握し、運航安全上の問題を未然に防止する体制の構築を求めています。
3.整備体制について
機体構造点検に関する技術判断及び整備処置が不適切であった事案や定時整備において誤った作業指示がなされた事案が認められたため、整備の計画段階において適切に整備内容や実施時期の確認を行う体制の構築等、整備管理の改善を求めています。
4.安全意識の再徹底と個別事案の再発防止策について
安全に直結する業務に従事する者の安全意識の不足が認められることから、これらの者に対し、安全意識の再徹底や教育訓練などを求めるとともに、個別事案毎の原因究明と再発防止策の徹底を求めています。