平成21年3月27日
平成21年3月3日、東京航空交通管制部にある航空路レーダー情報処理システム(RDP)において通信障害が発生し、航空機の運航に遅延が発生しました。
航空局内において原因究明を行ってきたところ、次のとおり判明しましたので、原因と対策についてお知らせします。
1.原因(別添資料)
RDPにおいて、ホストコンピュータ(CPU)と他管制機関のシステムとの間の情報の授受を行う通信制御装置(FEP・S)に装着されている基板にハードウェア障害が発生した。
FEP・Sには、実際に使用されているものとは別に同じ機能を持つ予備基板がバックアップ用として用意されており、今回も正常に切り替えが行われた。
しかしながら、この障害が発生した基板の一部(通信制御部)が機能していたため、当該基板を再度FEP・Sに自動的に組み込んで基板として有効に機能させるための初期化処理が繰り返し行われた結果、当該FEP・Sは、CPUの確認に対して応答を返せなくなり、CPUは、当該FEP・Sがダウンしたものと認識し、障害が発生したもの。
2.対策
(1)オペレーティング・システム(OS)の改修
一旦障害が発生した基板に対し、FEP・Sのオペレーティング・システム(OS)が組み込み処理を行わないように、本年7月末を目途に、ソフトウェアの改修を行う。
(2)上記(1)を実施するまで当面の措置
[1]FEP・Sの点検強化
これまで、監視端末に出力されるメッセージを定期的(1日3回)に点検していたが、この点検回数を1回増やし4回とし、この4回目の点検時にはエラー情報を採集し、記録内容を点検することとした。(3/16より実施済み)。
[2]FEP・Sの定期診断の強化
これまで6ヶ月ごとに実施していたシステムの再起動による自己診断点検を毎月実施する。
(3)障害発生時の対応要領を再確認し、迅速な障害の発見と円滑な復旧を図る。
(4)次期RDPでのバックアップ機能
今年度より導入している次期RDPでは、基板単位の二重化ではなく、同じ装置をペアで備えシステム構成そのものを二重化することにより安全性、信頼性の高いものとしている。
この次期RDPは、札幌管制部及び福岡管制部においては既に導入されているが、東京管制部、那覇管制部においても平成21年度着実に整備を進めることとしている。