報道・広報

今後の市街地整備の目指すべき方向について
~「今後の市街地整備制度のあり方に関する検討会」における検討結果のとりまとめ~

平成20年6月6日

 「今後の市街地整備制度のあり方に関する検討会」(委員長:岸井隆幸 日本大学教授)は、昨年12月に設置されて以降4回にわたり、少子高齢化の進展等の社会経済状況の変化等を踏まえた今後の市街地整備施策、制度のあり方について検討してまいりましたが、このたび、報告が取りまとまりましたので公表いたします。

【背景】

 本格的な人口減少社会の到来を目前に控える今日、持続可能な都市を目指し、集約型都市構造の実現へと都市政策の転換が急務。こうした認識のもと、昨年7月、社会資本整備審議会「新しい時代の都市計画はいかにあるべきか(第二次答申)」において、集約型都市構造の実現を目指し、都市交通施策と市街地整備施策を両輪とした「総力戦」を展開すべきこと等の方向性が提示。
 一方、市街地整備施策については、都市機能の集積が求められる集約拠点では依然として市街地整備水準が低く、良質な市街地ストックの形成が求められている一方、これまでのような「旺盛な土地・床需要を背景とした開発利益」を原動力とした従来の市街地整備のメカニズムはその普遍性を失いつつあるなど、大きな転換期を迎えており、制度・手法の再構築が急務。

【報告のポイント】

 『事業実施(つくる)』に主眼をおいた市街地整備から、『ストック形成(企画し、つくり、使う)』に主眼をおいた市街地整備へ転換を図ることを基本とし、計画制度、事業制度、さらには整備された市街地の質の維持・管理・向上を図る枠組み等のあり方に関し、以下のポイント等を提言。
 [1]市街地の計画、整備、管理体系の構築 ~市街地整備のトータルマネジメント~
  市街地全体を俯瞰した重点的な整備・改善区域の明示及び投資・施策の集中と、当該区域におけるビジョンの共有と段階的かつ整合的な事業・施策展開による良質な市街地ストックの形成
 [2]市街地整備事業とエリアマネジメント活動の一体的展開
  事業初動期段階から、事業後の市街地の適切な維持・管理まで、市街地整備事業とエリアマネジメント活動を一体的に展開することによる市街地ストックの質や価値の創造、維持、向上
 [3]拠点的な市街地における柔軟で弾力的な市街地整備手法の充実
  虫食い状に散在し市街地の更新を妨げている空地等に対応した市街地整備手法など、既成市街地における弾力的かつ機動的な市街地の整備・改善を可能とする手法の充実
 [4]荒廃化する懸念のある郊外市街地のスマートシュリンクに向けた手法の充実
  区画整理手法を活用した「みどり空間」への土地利用転換手法や、集約拠点と郊外市街地との一体的な市街地整備手法など、今後の人口減少等に伴い急速に荒廃化することが懸念される一部の郊外市街地への対応方策の充実
 
 国土交通省においては、今後、本報告を踏まえ、有識者、民間団体や地方公共団体等との幅広い議論を行いつつ、市街地整備に係る制度・手法の充実に向けた検討を進めていくこととしております。
 
 
 ※各検討会における資料等は、以下のホームページから入手可能です。
  国土交通省 都市・地域整備局 市街地整備課のページ 
   http://www.mlit.go.jp/crd/city/sigaiti/information/council/arikata/index.html

お問い合わせ先

国土交通省都市・地域整備局 市街地整備課 
TEL:(03)5253-8111 (内線32713)

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