平成22年2月26日
国土交通省では、膜分離活性汚泥法(MBR)が全国に適用可能な一般的な下水処理方法であるかどうかを評価するため、昨年度より水処理技術委員会(委員長:松尾友矩東洋大学常勤理事)の下に膜分離活性汚泥法評価検討分科会(委員長:味埜俊東京大学大学院教授)を設置して、審議してまいりました。2月22日、同委員会より、下表左欄の処理方法に掲げるMBRについては、一般的な下水に適用した場合、同表右欄に掲げる計画放流水質を達成できる、との評価を得ました。
MBRは最終沈殿池が不要になるため、省スペースで良質な処理水が得られるなどの特長を有しています。今後、老朽化した下水処理施設を、既存の反応タンク等を活用しながら高度処理化することが可能になるなど、下水道事業が直面する様々な課題を解決するコア技術として期待されます。
処理方法 |
計画放流水質(mg/L) | ||
BOD |
T-N |
T-P | |
膜分離活性汚泥法 (循環式硝化脱窒法であって膜により活性汚泥を分離するもの) |
10以下 |
10以下 |
- |
膜分離活性汚泥法 (凝集剤を添加して処理する循環式硝化脱窒法であって膜により活性汚泥を分離するもの) |
10以下 |
10以下 |
0.5以下 |
注釈1 一般評価: 新たな処理方法について、計画放流水質区分への対応を明確にするとともに、採用にあたっての留意事項等を明らかにし、全国に適用可能な一般的な処理方法として位置づけることが適当かどうかを評価すること。
2 水処理技術委員会: 一般評価を行うため、国土交通省が設置するもの(事務局: 国土技術政策総合研究所下水道研究部)。
3 計画放流水質: 下水道からの放流水が適合すべき水質。下水道法施行令第5条の6第2項に基づき、下水道管理者がBOD、T-N、T-Pについて定めるもの。
<参考資料>
別紙1 MBRの概要
別紙2 水処理技術委員会名簿、膜分離活性汚泥法評価検討分科会名簿
別紙3 評価結果
別紙4 委員会、分科会の開催経緯
別紙5 参考データ
BOD: U浄化センター、T-N: O浄化センター、T-P: F浄化センター