平成20年9月3日
国土交通省では、最近になって、建築物における吹付け材からアクチノライト、アンソフィライト、トレモライト(以下「トレモライト等」という。)が検出された事案があることが判明し、これまでの実態把握においては、トレモライト等を対象としていない可能性があることから、その状況を把握するために、国家機関の建築物を管理する各機関に対して、吹付けアスベスト等の使用実態に関する調査を依頼したところです。このたび、別添のとおり調査結果をとりまとめましたので、お知らせします。
1.調査概要
・調査施設 : 各省各庁の所管する建築物等のうち、国有財産(行政財産に限る。以下同じ)に該当するもの
・調査材料 : 「吹付けアスベスト」及び「アスベストを含有する吹付けロックウール」
*アスベストとは、繊維状を呈する次の6種類を、重量比で0.1%を超えて含有する物が該当します。
・アモサイト、クリソタイル、クロシドライト(以下「クリソタイル等」という。)
・アクチノライト、アンソフィライト、トレモライト(以下「トレモライト等」という。)
・調査方法 : これまでに実施した調査結果に関する資料の確認、分析調査機関へのヒアリング等によりその内容を確認
(必要に応じて分析調査を実施)
・調査期間 : 平成20年5月31日時点
2.調査結果概要
(平成20年5月31日時点の件数:別添参照)
○調査対象件数(報告件数) :83,312棟 (100%)
1)吹付けアスベスト等の有無及び飛散防止対策状況
・使用の可能性があり把握が必要な吹付け材がある件数 : 5,638棟 (6.77%)
・うち吹付けアスベスト等が使用されている件数 : 500棟 (0.60%)
うち封じ込め等の飛散防止対策を実施済みの件数 : 363棟 (0.44%)
・うち吹付けアスベスト等の使用が確認できていない件数 : 5,138棟 (6.17%)
うちクリソタイル等が使用されていない件数 : 2,542棟 (3.05%)
2)トレモライト等の把握状況
・使用の可能性があり把握が必要な吹付け材がある件数 : 5,638棟 (6.77%)
うちトレモライト等の使用状況が把握できている件数 : 112棟 (0.13%)
うちトレモライト等の使用状況が把握できていない件数 : 5,526棟 (6.28%)
3.今後の対応
国家機関の建築物を管理する各機関において、吹付けアスベスト等の使用の有無の把握及び除去等の飛散防止対策が推進されており、国土交通省では、引き続き各機関に対し、除去等の対策の実施、吹付けアスベスト等の有無の把握等、必要な措置を適切に講ずるよう、保全指導・支援及び情報提供を行っていきます。