平成21年8月26日
1.概要
○ プレハブ住宅について型式部材等製造者としての認証を受けたパナホーム(株)が、あらかじめ認められた型式の仕様に適合しないプレハブ住宅を建築したことが判明しました。
このため、本日付けで、建築基準法に基づきパナホーム(株)の型式部材等製造者の認証※1を取り消しました。
※1:規格化された型式部材等(プレハブ住宅など)について、あらかじめ認められた型式に適合して製造・新築をする者であることについて行う認証のこと。
認証を受けた者が製造・新築をした型式部材等は、建築確認・検査の特例(審査省略)の適用対象となる。別紙1を参照。
2.内容
○ 本年7月29日、パナホーム(株)が型式部材等製造者の認証を受けた型式について、建築確認・検査の特例を用いて申請されていたにもかかわらず、
屋根の仕様があらかじめ認められた型式の仕様と異なるプレハブ住宅があることについて、同社から連絡がありました。
○ 国土交通省において調査を行ったところ、これらのプレハブ住宅については、準耐火建築物として建築するものとして、
型式では準耐火構造に適合する仕様の屋根※2とすることとなっていましたが、現に施工された屋根はあらかじめ認められた型式に含まれない仕様の構造方法
(建築基準法第63条に規定する屋根※3の構造方法)となっていました(別紙2を参照。)。これらの型式に適合しないプレハブ住宅は28棟であり、
その種別ごとの内訳は以下のとおりです。
なお、現に施工された屋根の仕様で準耐火構造の性能試験を行った結果、合格でした。
※2:火災による火熱に30分間耐えることができる屋根。
※3:屋外の火災によって生ずる火の粉により延焼しない屋根
※4:建築基準法の屋根に関する防火関係規定の違反が判明したもの。
○ 建築基準法第68条の18では、型式部材等製造者はその型式部材等(プレハブ住宅)が認証に係る型式に適合するように製造又は新築しなければならないこととされており、
本事案において、パナホーム(株)はこの型式適合義務に違反しました。
○ このような型式との不適合が生じた主な原因は以下のとおりです。
[1] パナホーム(株)の本社が作成した社内文書に間違いがあり、一定の屋根勾配の場合に建築基準法第63条に規定する屋根の構造方法を用いるよう周知されたこと。
[2] 個々のプレハブ住宅の設計において、あらかじめ認められた型式の仕様との適合性のチェックが適正に行われなかったこと。
3.パナホーム(株)への対応
○ 本事案については、間違った社内文書の周知など、同社の組織全体にわたる問題がみられます。
○ 本日付けで、本事案に係る型式部材等製造者の認証のうち、現在効力を有するものを取り消しました。取消しの対象となった認証は下表のとおりです。
なお、建築基準法第68条の12の規定により、同社は認証取消しの日から2年間、新たな認証を受けることができません。
○ また、原因を踏まえて、同社のプレハブ住宅の全体について問題がないかどうかを確認するとともに、再発防止策を検討し、国土交通省に報告するよう指示しました。
○ 型式に適合していないプレハブ住宅で、建築基準法の技術的基準に適合していなかったものについては、性能確認を行い、特定行政庁の指示に従って必要な措置を講じるよう指示しました。
○ 型式に適合しないプレハブ住宅の所有者等に連絡するとともに、相談窓口を設置し適切に対応するよう、指示しました。
4.その他の国土交通省の対応
(1)消費者の相談窓口の設置
○ (財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターに次の消費者への相談窓口を設置して、相談に対応します。
【(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの窓口】
電話番号:03-3556-5147
相談時間:午前10時~12時、午後1時~5時(土日除く。)
(2)その他
○ 本件に関与した一級建築士に対して建築士法に基づく処分を検討します。
○ プレハブ住宅について型式部材等製造者としての認証を受けているすべての企業に対し、全社的に用いられているマニュアルや周知文書等について、
型式適合義務を遵守する上で、不適切な記載がないか点検するよう指示します。
○ 今後、実際に建築されたプレハブ住宅について、設計図書等と型式の照合を行うサンプル調査を実施します。