建築基準法違反(防火・避難関係規定等)及び違法設置昇降機に係るフォローアップ調査について
平成30年3月30日
- 建築基準法(防火・避難関係規定等)違反の疑いのある個室ビデオ店等、未届の有料老人ホーム、ホテル・旅館等及び病院・診療所並びに違法設置の疑いのあると通報のあった昇降機について、平成29年10月31日時点における建築基準法への適合状況及び是正指導等の状況を取りまとめました。
<個室ビデオ店等>
違反を把握した物件は3,368件で、うち是正済みは2,279件(昨年比75件増)。
<未届の有料老人ホーム>
違反を把握した物件は620件で、うち是正済みは300件(昨年比29件増)。
<ホテル・旅館等>
違反を把握した物件は955件で、うち是正済みは381件(昨年比7件減)。
<病院・診療所>
(無確認増改築)違反を把握した物件は503件で、うち是正済みは280件(昨年比47件増)。(防火設備)違反を把握した物件は1,758件で、うち是正済みは1,336件(昨年比57件増)。
<違法設置昇降機>
違反を把握した昇降機は2,625台で、うち是正済み+使用停止中は1,923台(昨年比168台増)
- 国土交通省は、建築基準法に違反する個室ビデオ店等、未届の有料老人ホーム、ホテル・旅館等、病院・診療所及び違法設置昇降機について、所有者等に対する是正指導を徹底するよう、引き続き特定行政庁に要請してまいります。
|
※ 本調査の契機となった事案
大阪市浪速区の個室ビデオ店の火災 (H20年10月 1日発生)
渋川市の有料老人ホームの火災 (H21年 3月19日発生)
福山市のホテルの火災 (H24年 5月13日発生)
福岡市の診療所の火災 (H25年10月11日発生)
姫路市の工場に設置された昇降機における死亡事故(H21年2月25日発生)
1.個室ビデオ店等における違反是正状況に関するフォローアップ調査結果
(1)調査時点
平成29年10月31日(前回調査:平成28年10月31日)
(2)調査方法
国土交通省より都道府県を通じて全国の特定行政庁に調査を依頼
(3)調査対象
個室ビデオ店、カラオケボックス、漫画喫茶・インターネットカフェ及びテレフォンクラブの用途に供する建築物又は建築物の部分
- H20年10月1日に発生した大阪市浪速区の個室ビデオ店の火災 (排煙設備、非常用照明装置の不備等の建築基準法違反あり。16名が死亡) を契機として調査を行っているもの。
(4)調査事項
- 建築基準法令(防火・避難関係規定等)への適合状況
- 是正指導の状況等(是正済み、一部是正済み、是正計画の提出等)
(5)調査結果概要(報告)
違反を把握した物件は3,368件で、このうち是正済みは2,279件。前回調査(平成28年10月31日時点)と比べ、是正済みは75件増(2,204→2,279件)となった。
(6)都道府県別調査結果
別紙1-1~1-3のとおり
2.未届の有料老人ホームにおける違反是正状況に関するフォローアップ調査結果
(1)調査時点
平成29年10月31日(前回調査:平成28年10月31日)
(2)調査方法
国土交通省より都道府県を通じて全国の特定行政庁に調査を依頼
(3)調査対象
老人福祉法第29条による届出がなされていない有料老人ホーム※
※ その後届出を行ったものは、老人福祉法上「未届」ではなくなるが、本調査においては引き続きフォローアップの対象としている。
- H21年3月19日に発生した渋川市の有料老人ホームの火災 (老人福祉法に基づく届出を行っていなかった有料老人ホームで、主要な間仕切り壁が準耐火構造でない等の建築基準法違反あり。入居者10名が死亡) を契機として調査を行っているもの。
(4)調査事項
- 建築基準法令(防火・避難関係規定等)への適合状況
- 是正指導の状況等(是正済み、一部是正済み、是正計画の提出等)
(5)調査結果概要(報告)
違反を把握した物件は620件で、このうち是正済みは300件。前回調査(平成28年10月31日時点)と比べ、是正済みは29件増(271→300件)となった。
(6)都道府県別調査結果
別紙2のとおり
3.ホテル・旅館等における違反是正状況に関するフォローアップ調査結果
(1)調査時点
平成29年10月31日(前回調査:平成28年10月31日)
(2)調査方法
国土交通省より都道府県を通じて全国の特定行政庁に調査を依頼
(3)調査対象
次の[1]及び[2]のいずれにも該当するホテル及び旅館等。ただし、過去に消防部局が「適マーク」を交付したこと、建築基準法に基づく定期報告がなされ指摘事項がなかったこと等から、建築基準法の防火・避難規定に適合していると考えられるものを除く。
[1] 当該建築物が3階以上(地階を除く。)のもの
[2] 当該建築物(増築等が行われている建築物においては、当初の建築物)が昭和46年※以前に新築されたもの
※ 排煙設備、非常用照明装置の設置等を義務化している。
- H24年5月13日に発生した福山市のホテルの火災 (4階建 (昭和35年、43年築) のホテルで、耐火構造でない等の建築基準法違反あり。宿泊客7名が死亡)を契機として調査を行っているもの。
(4)調査事項
- 建築基準法令(防火・避難関係規定等)への適合状況
- 是正指導の状況等(是正済み、一部是正済み、是正計画の提出等)
(5)調査結果概要(報告)
違反を把握した物件は955件で、このうち是正済みは381件。前回調査(平成28年10月31日時点)と比べ、是正済みは7件減(388→381件)
*となった。
* 違反を把握した建築物の精査の結果、昭和47年以降に新築されたものであること等により除外されたものがある。
(6)都道府県別調査結果
別紙3のとおり
4.病院及び診療所における違反是正状況に関するフォローアップ調査結果
(1)調査時点
平成29年10月31日(前回調査:平成28年10月31日)
(2)調査方法
国土交通省より都道府県を通じて全国の特定行政庁に調査を依頼
(3)調査対象
次の[1]又は[2]のいずれかに該当する病院及び診療所(患者の収容施設があるものに限る。以下同じ。)。
[1] 地階又は3階以上の階を病院又は診療所の用途に供するもの
[2] 病院又は診療所の用途に供する部分の床面積の合計が300㎡以上のもの(平屋建てのものを除く。)
- H25年10月11日に発生した福岡市の診療所の火災 (建築確認の届出をせずに増築し、増築に伴い改修すべき防火戸を放置する等の建築基準法違反あり。診療所部分の面積は約400㎡。入院患者等10名が死亡) を契機として調査を行っているもの。
(4)調査事項
- 建築基準法令(防火・避難関係規定等)への適合状況
- 是正指導の状況等(是正済み、一部是正済み、是正計画の提出等)
(5)調査結果概要(報告)
[1]無届による増改築等の有無及び無届による増改築等があった場合の当該部分の建築委基準法令への適合状況
無届による増改築等が行われていることを把握した物件は609件。
当該増改築等の部分について違反を把握した物件は503件で、このうち是正済みは280件。前回調査(平成28年10月31日時点)と比べ、是正済みは47件増(233→280件)となった。
[2]防火設備の状況
違反を把握した物件は1,758件で、このうち是正済みは1,336件。前回調査(平成28年10月31日時点)と比べ、是正済みは57件増(1,279→1,336件)となった。
(6)都道府県別調査結果
別紙4-1及び4-2のとおり
5.違法設置昇降機の是正状況等に関するフォローアップ調査結果
(1)調査時点
平成29年10月31日(前回調査:平成28年10月31日)
(2)調査方法
国土交通省より都道府県を通じて全国の特定行政庁に調査を依頼
(3)調査対象
- 過去に人身事故を起こした違法設置昇降機の製造業者の製品のうち違法設置の疑いがあるものとして国土交通省が把握したもの
- 国土交通省や特定行政庁に対し、違法設置の疑いがあると情報提供があった昇降機※
※情報の多くは労働基準監督署の立入検査の際に把握され、厚生労働省から国土交通省に情報提供されたもので、これらの昇降機は、主として工場や倉庫など事業場に設置され業務に使用されている。
(4)調査事項
- 建築基準法令(防火・避難関係規定等)への適合状況
- 是正指導の状況等(是正済み、使用停止、当面の安全対策の実施、是正計画の提出等)
(5)調査結果概要(報告)
違反が判明した台数は2,625台で、このうち是正済みは1,259台。前回調査(平成28年10月31日時点)と比べ、是正済みは81件増(1,178→1,259台)となった。
(6)都道府県別調査結果
別紙5のとおり
お問い合わせ先
- 国土交通省住宅局建築指導課
-
TEL:(03)5253-8111
(内線39-564, 39-525, 39-576)
PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
左のアイコンをクリックしてAdobe Acrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。
Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご覧ください。