報道・広報

大阪市北区ビル火災を踏まえた今後の防火・避難対策等に関する検討会報告書の公表

令和4年6月28日

 令和3年12月17日に大阪市北区において多数の死傷者を伴うビル火災が発生したことから、総務省消防庁と国土交通省では、「大阪市北区ビル火災を踏まえた今後の防火・避難対策等に関する検討会」において、階段が一つしか設けられていないビルにおいて今後取り組むべき防火・避難対策等について検討してきました。
 このことについて、今般、報告書がとりまとめられましたので公表します。

1 検討結果のポイント(詳細は別添参照)
○ 火災シミュレーションによる避難可能性の検証の結果
 火災発生時には、速やかに火災発生場所と避難場所を閉鎖の確実性に配慮された扉で区画することが効果的。

○ 今後の防火・避難対策等の基本的な考え方
  1. 大阪市北区ビル火災は、以下の理由から、建物における失火等の現行法令が想定する「一般的な火災」ではなく、「特殊な火災」にあたるものと考えられる。
    (1) 建物内に存することが通常は考えられない大量のガソリンに着火した火災であり、一般の建物における可燃物の火災に比べ、延焼拡大が極めて速いものであったと考えられること。
    (2) 在館者の避難を困難とする方法で放火されたものであること。

  2. このような特殊な火災に係る対策は、社会への負担の大きさを鑑み、規制的な手法によらず、誘導的な対策を基本とすべき。
  3. 今般の火災建物のような直通階段が一つの建築物は、構造上、リスクを常に抱えており、リスクを平時から下げることが必要。

○ 具体的な対策
【直通階段が一つの建築物に係る対策】
  • 直通階段から離れた位置にある居室等の退避区画化等が有効。また、こうした建築物を対象とした避難行動のガイドラインを示すべき。
  • 既存不適格建築物に関する制限の合理化措置により、増改築等時の遡及適用に係る負担を軽減しつつ、現行基準に準じた性能向上を促進することが有効。
  • 消防法令違反が確実に是正されるよう重点的に立入検査を実施するとともに、違反については、法的手段による厳格な措置を徹底するべき。
  •  建築基準法に基づく定期調査報告制度の指定可能対象範囲を拡大するとともに、継続的に建築基準法令違反の是正指導等に取り組むべき。
【研究開発】
  • ガソリン等による火災の被害軽減に資する製品の技術開発を促進することが有効。
【危険物の取扱い】
  • 現在義務付けられている顧客の本人確認等の適正な運用等を徹底するべき。


2 今後の予定
 総務省消防庁及び国土交通省では、本検討結果を踏まえ、直通階段が一つの建築物向けの火災安全改修や避難行動のガイドラインの策定、消防法令違反及び建築基準法令違反の是正強化などの対策を講じることとしています。


3 その他
 報告書の全文は、総務省消防庁ホームページに掲載します。
 https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/post-109.html


 

お問い合わせ先

国土交通省住宅局参事官(建築企画担当)付 
TEL:(03)5253-8111 (内線39563,39546)
消防庁予防課 
TEL:(03)5253-8111  直通 03-5253-7523

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