報道・広報

貸切バスの乗務距離に基づく交替運転者の配置指針を試行的に定めました!

平成20年6月27日

1.経緯
 平成19年2月に大阪府吹田市で発生した貸切バスによる事故を契機として、同年6月、国土交通省、貸切バス事業者、旅行業者、両業界の団体、労働組合の実務者をメンバーとして「貸切バスに関する安全等対策検討会」が設置され、貸切バスに係る安全性の確保、質の向上に向けた方策について検討が行われ、同年10月に報告が取りまとめられました。
 当該報告において、現行の「時間」による交替運転者の配置基準では、個々の運行において交替運転者の配置が必要なケースに該当するか不明確で、旅行業者にも説明しにくいとの指摘があり、国土交通省において、「乗務距離」に基づく交替運転者の配置基準のあり方を検討することが盛り込まれました。
*「旅客自動車運送事業運輸規則第21条第1項の規定に基づく事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準」(平成13年国土交通省告示第1675号。以下「勤務時間等基準告示」という。)で定められた条件(運転時間が2日を平均して1日9時間を超えないこと)を超えて引き続き運行する場合
 
2.交替運転者の配置指針の概要
 交替運転者の配置指針の概要は、次のとおりです。
(1)指針の形式
 乗務距離による交替運転者の配置の指針について、勤務時間等基準告示を遵守するための目安として、通達により試行的に定める。
(2)指針の対象となる乗務
 貸切バス事業に係る乗務であって、高速道路における走行を伴うもの
(3)指針
 勤務時間等基準告示で定められた2日を平均した1日当たりの運転時間の上限(9時間)に相当する乗務距離の上限は670kmとする(高速道路における乗務距離に、一般道路の乗務距離を2倍(北海道のみにおいて乗務する場合は1.7倍)に換算したものを加算すること。)。
(4)主な留意事項
イ乗務距離が指針の上限を超えないものの、渋滞等の影響により勤務時間等基準告示に抵触し、法令違反となる場合等があり得るので、同告示の遵守について十分に留意すること。
 また、夜間運転に従事する場合であって、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、交替運転者の配置が必要であることに留意すること。
ロ本指針は、処分等に繋がる拘束力をもつものではない。
ハ本指針の乗務距離の上限は、実際の乗務距離ではなく、一般道路の乗務距離を2倍(北海道にあっては1.7倍)に換算したものであるので、十分留意すること。
ニ労使協定等により、本指針よりも乗務距離が短い交替運転者の配置基準を既に定めている場合にあっては、本指針を理由として運転者の労働条件を低下させないよう努めること。
(5)施行時期
イ本指針は、平成20年9月1日から施行する。
ロ本指針の適用については、次のとおりとする。
a施行日以降に締結された運送契約に係る乗務から適用する。
b運送契約が旅行業者に係る乗務にあっては、
・受注型企画旅行及び手配旅行の場合は、施行日以降に旅行業者が旅行者と締結する旅行契約に伴う運送契約に係る乗務から適用する。
・募集型企画旅行にあっては、平成20年10月1日以降に旅行を開始する企画旅行に係る旅行契約に伴う運送契約に係る乗務から適用する。
 
<適用例> 
例1 TDR~新宿~大阪難波 574km(高速558、一般16)+回送70km
    558+86×2=730km>670km   ・・・2人乗務
例2 東京~名古屋 360km(高速353、一般7)+回送70km
    353+77×2=507km<670km   ・・・1人乗務
例3 白馬~大阪 490km(高速385、一般105)+回送70km
    385+175×2=735km>670km   ・・・2人乗務
例4 札幌~旭川~富良野~札幌 322km(高速176km、一般146km)+回送70km
    176+216×1.7=543km<670km  ・・・1人乗務
 
3.国土交通省の今後の対応
(1)本指針の周知を図るため、地方バス協会に対する説明会を開催するとともに、同協会非加入事業者に対しても、運行管理者の研修等あらゆる機会を捉え、本指針の周知徹底に努めていきます。
(2) 本指針の施行から1年後を目途に本指針の効果及び問題点等について検討を行うこととします。
 

お問い合わせ先

国土交通省自動車交通局安全政策課 
TEL:(03)5253-8111 (内線41632)
国土交通省自動車交通局旅客課 
TEL:(03)5253-8111 (内線41254)

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