報道・広報

平成19年度乗合バス事業の収支状況について
(調査対象事業者は、保有車両数30両以上の256者)

平成20年10月1日

経常収支率

平成12年度より改善傾向であり、前年度から0.1ポイント増の93.0%。

運送収入・支出

収入は前年度と比較して0.1%の増加、支出については0.01%減少。

輸送人員

減少傾向であるが、前年度と比較して0.1%減と緩やかな減少。

軽油価格の高騰により、全体の燃料油脂費の原価に占める割合は前年度の8.3%から8.8%に上昇。また人件費は、前年度59.9%から57.9%と減少。

1.事業主体別の収支状況等について

(1)民営バス
  経常収支率は、前年度より0.3ポイント下がり、95.0%となった。平成9年の92.2%を底に、人件費を中心とする経費削減等の経営努力によって改善傾向であったが、人件費の削減幅の鈍化、軽油価格の高騰等により、3年連続の悪化となった。
  輸送人員・収入については、輸送人員が対前年度比+0.1%となり、収入も対前年度比+0.3%とプラスに転じた。
  支出については、燃料費が軽油価格の高騰により対前年度比+7.0%となった。燃料費は、平成18年度においても+5.6%の増となっており、2年間で+12.6%と大きな伸びとなっている。そのほか、車両の減価償却費が対前年度比+15.5%の増となり、原価の56.5%を占める人件費が対前年度比▲2.2%の減となったものの、支出全体では対前年度比+0.6%となった。
 
   ・収  入  額  5,777億円~対前年度比+0.3%(18年度:5,759億円~対17年度比▲1.3%)
   ・支  出  額  6,081億円~対前年度比+0.6%(18年度:6,044億円~対17年度比▲0.6%)
   ・黒字事業者  66者(全体の28.9%)  ・経常収支率   95.0%(18年度:95.3%)
         ※参考 原価における燃料油脂費の割合は、9.7%(18年度9.1%、17年度8.6%)まで上昇。

(2)公営バス
  経常収支率は、民営事業者と比較して高い水準にあった人件費の削減により、平成12年の78.3%を底に改善傾向であり、今年度も前年度より1.0ポイント改善し、87.1%となった。
  輸送人員・収入は引き続き減少傾向であり、輸送人員は対前年度比▲0.6%、収入は対前年度比▲0.7%となった。
  支出については、燃料費が対前年度比+5.5%(平成17年度+5.3%増、2年間で+10.8%の増)、車両の減価償却費が対前年度比+13.9%となったが、原価の62.1%を占める人件費が、合理化・効率化などにより対前年度比▲5.8%と大きく減少したため、支出全体では対前年度比▲1.8%となった。
 
   ・収  入  額  1,779億円~対前年度比▲0.7%(18年度:1,792億円~対17年度比▲2.3%)
   ・支  出  額  2,043億円~対前年度比▲1.8%(18年度:2,081億円~対17年度比▲3.9%)
   ・黒字事業者  3者             ・経常収支率   87.1%(18年度:86.1%)

2.大都市部とその他地域について(※)

(1)大都市部
 経常収支率は、平成11年の88.6%を底に年々改善しており、今年度は前年度より0.3ポイント改善し、96.6%となった。
 輸送人員、収入については、昨年度と同様に大都市部におけるバス利用の需要増により、輸送人員は対前年度比+0.3%、収入についても対前年度比+0.8%となった。
 支出については、人件費が公営企業を中心に削減が進み、人件費総額は対前年度比▲3.8%と削減が進む一方、軽油価格の高騰により燃料費が対前年度比+7.7%、車両の減価償却費が対前年度比+15.4%と大幅に増加した。この結果、経費全体についても対前年度比+0.5%の増加となった。
   
    ・収  入  額  4,538億円~対前年度比+0.8%(18年度:4,500億円~対17年度比+0.1%)
   ・支  出  額  4,696億円~対前年度比+0.5%(18年度:4,674億円~対17年度比+0.2%)
   ・黒字事業者  44事業者(全体の50.6%)
    ・経常収支率   96.6%(18年度:96.3%)

(※)大都市部(三大都市圏)とは、千葉、武相(東京三多摩地区、埼玉県及び神奈川県)、京浜(東京特別区、三鷹市、武蔵野市、調布市、狛江市、横浜市及び川崎市)、東海(愛知県、三重県及び岐阜県)、京阪神(大阪府、京都府(京都市を含む大阪府に隣接する地域)及び兵庫県(神戸市及び明石市を含む大阪府に隣接する地域))ブロックの集計値。

(2)その他地域
 経常収支率は、平成9年の88.1%以降ほぼ横ばいの状況が続いているが、今年度は、収入の減少により昨年度から0.4ポイント減の88.0%となった。
 輸送人員・収入共に長期的に減少傾向であるが、輸送人員は対前年度比▲0.7%と下げ幅は緩やかになっている。収入については、対前年度比▲1.1%となった。
 支出については、燃料費が対前年度比+5.9%、人件費総額が対前年度比▲2.5%となった。また、車両の減価償却費が対前年度比+14.4%と大幅に増加した。この結果、経費全体としては、対前年度比▲0.6%となった。

   ・収  入  額  3,017億円~対前年度比▲1.1%(18年度:3,051億円~対17年度比▲4.0%)
   ・支  出  額  3,428億円~対前年度比▲0.6%(18年度:3,451億円~対17年度比▲3.7%)
   ・黒字事業者  25者(全体の14.8%)
   ・経常収支率   88.0%(18年度:88.4%)

お問い合わせ先

国土交通省自動車交通局旅客課 
TEL:(03)5253-8111 (内線41232-41234) 直通 (03)5253-8571

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