平成25年12月10日
国土交通省では、社会的な影響や反響の大きい重大事故や整備不良に起因する事故について、その発生を防止するため、「使用過程車の保守管理に関する調査分析検討会」を開催し、ユーザーへの情報提供等に向けて取り組んでいるところです。
今般、整備不良が原因となった事故の中で、ブレーキ装置の整備不良に関する事故が約2割(平成22年においては、741件中128件)と多いことから、これに着目して分析したところ、ブレーキ装置のメンテナンスを怠ると次のようなブレーキ液の劣化や漏れが発生し、自動車の停止距離が長くなること等のブレーキ性能への影響が確認されました。このため、定期的にブレーキの点検整備を行っていないユーザーに対して、注意喚起をすることとしました。
【注意すべき事例】
ブレーキ液は、交換を怠ると、その劣化(空気中の水分の吸収)により沸点が下がります。これにより、ブレーキ使用時の熱によってブレーキ液が沸騰して気泡が発生し、油圧がかからなくなり、ブレーキの利きが悪くなる現象(ベーパーロック)が発生する確率が高まり、停止距離が長くなる恐れがあります。
【必要な対策】
ブレーキ液は、自動車の使用の有無にかかわらず、経年劣化するため、メーカーが車両毎に推奨するブレーキ液の交換時期を参考にして定期点検等の機会を捉えて整備工場等で交換しましょう。
【注意すべき事例】
ブレーキホース等の点検整備を怠ると、経年劣化や外的要因により亀裂や損傷が発生した場合、そのまま放置すると、やがてはホースに穴が開き、ブレーキ液の漏れにつながる恐れがあります。液漏れが発生すると、ブレーキをかけたときの停止距離が長くなり、最悪の場合、ブレーキの効きが悪くなる恐れがあります。
※車齢11年以降は整備が必要となる割合(要整備率)が急激に増加し、車齢15年の要整備率は車齢11年に比べて約5倍に達することが確認されています(別紙図1参照)。
【必要な対策】
ブレーキホース等については、亀裂や損傷がないか、定期点検(マイカーの場合は1年ごと)をはじめ、適切な点検により容易に発見できるので、整備工場等で確実に点検しましょう。
報道発表資料(PDF形式)
【別紙】ブレーキ装置のメンテナンスを怠ったことによるブレーキ性能への影響について(PDF形式)
【別添1】検討会委員名簿(PDF形式)
【別添2】劣化によるブレーキ性能の低下にかかる再現実験(PDF形式)
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