報道・広報

日本主導で策定した国際基準が国連で合意!
~さらに高度な自動運転システムやバックアラームなど~

令和4年6月24日

 国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP.29*)において、日本から提案し議論をリードした国際基準が多数合意されました。
  1. 自動車線維持システム(ALKS)、トラック、バス等の衝突被害軽減ブレーキシステム(AEBS)などの自動運転や安全運転支援の技術の高度化に対応する国際基準等の改正
  2. トラック、バス等の後退時に歩行者等へ注意を促す警報音の要件等を規定する後退時警報装置にかかる新たな国際基準の策定
  3. 自動車の騒音対策を強化する追加騒音規定の適用拡大を含む国際基準の改正

 これらの国際基準の策定・改正等は、国土交通省及び交通安全環境研究所が連携して国際会議における議論を主導し合意に至ったものです。

* WP.29は自動車安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場であり、
 日本も積極的に参画しています(別添1参照)。


 令和4年6月21日(火)~6月24日(金)の間、スイス・ジュネーブにおいて、第187回WP.29会合が開催され、
日本からは、野津自動車局次長他が出席しました。
 今次会合において合意された国際基準の概要等は次のとおりです。

[1]自動運転や安全運転支援の技術の高度化に対応する国際基準改正の合意
 日本は、WP.29の自動運転分科会(GRVA)において副議長※1を、また同分科会の下に設
置された専門家会議において議長※2をそれぞれ務め、自動運転や安全運転支援の技術に関連
する国際基準の策定等を主導してきました。 
 今般、それら技術の高度化に対応するため、自動車線維持システム(ALKS)、トラック、
バス等の衝突被害軽減ブレーキシステム(AEBS)の国際基準等の改正が合意されました。
(国際基準の改正の概要等は別添2及び別添3参照)

[2]後退時警報装置の国際基準の合意
 
車両後退時に警報音を発する後退時警報装置については、トラック、バス等の周辺の
歩行者等の安全対策として、環境面への影響も踏まえた音による適切な情報提供等のあり方や
技術要件などをWP.29傘下の分科会に設置された専門家会議において議論をしてきました。
日本は、この専門家会議の議長※3として議論をまとめ国際基準案の作成を主導しました。

[3]自動車騒音対策強化に対応する国際基準改正の合意
 
自動車騒音の国際基準においては、加速走行試験、追加騒音規定(加速走行試験の試験
条件から外れたエンジン回転数における騒音試験)等が定められています。
 今般、この国際基準について、実走行における車両の騒音値を下げることを目的として
より実際の交通環境を反映した試験条件とする改正が合意されました。本改正についても
WP.29傘下の分科会に設置された専門家会議において日本が副議長※4として議論を主導しました。

【日本が担った役割】
※1 自動運転分科会(GRVA) 共同副議長 交通安全環境研究所 審議役(当時)斧田孝夫
※2 衝突被害軽減ブレーキシステム(AEBS)専門家会議 共同議長 芝浦工業大学 工学部機械機能工学科 准教授
廣瀬敏也(元交通安全環境研究所客員研究員)
※3 後退時警報専門家会議 議長 交通安全環境研究所 主任研究員 宝渦寛之
※4 追加騒音規定専門家会議 共同副議長 交通安全環境研究所 審査官 岡本和弘
※当該国際基準案が自動運転分科会で承認された2022年1月当時。現中部運輸局次長

 また、野津自動車局次長は、1958年協定の加入に向けWP.29にベトナム政府代表と
して参加していたダン・ビェト・ハ運輸省登録局長と会談し、同国の協定加入に向けた
動きを歓迎するとともに、協定加入後のWP.29における両国の協力を確認しました。
 国土交通省では、「インフラシステム海外展開戦略2025」(経協インフラ戦略会議
決定)等を踏まえ、我が国制度・技術の国際標準化等を引き続き推進して参ります。

 WP.29に出席する野津自動車局次長

 WP.29の様子

 ベトナム運輸省との会談
写真左から
汲田邦彦 JASIC本部研究部長
堀江暢俊 JASICジャカルタ事務所長
野津真生 自動車局次長
ダン・ビェト・ハ ベトナム運輸省登録局長
グエン・ヴァン・フォン ベトナム運輸省課長補佐

お問い合わせ先

国土交通省自動車局車両基準・国際課 諸川、山田
TEL:03-5253-8111 (内線42502、42504)

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