報道・広報

第3回日米海事協議の開催結果について
~ 海事分野における安全・環境問題を中心とした諸課題への対応に向け、日米両国が共同歩調をとることで一致 ~

平成28年8月29日

1. 日時: 平成28年8月16日(火)9:00~16:00

2. 場所: 米国運輸省海事局(ワシントンD.C.)

3. 出席者 ・日本側  国土交通省海事局   羽尾 一郎 局長         ほか
       ・米国側  運輸省海事局(MARAD) ポール・ジェニヘン 長官
              連邦海事委員会(FMC) ダニエル・マフェイ副委員長  ほか

ポイント

 ➢日本及び米国の海事当局(日本:国土交通省海事局、米国:運輸省海事局及び連邦海事委員会等)による第3回日米海事協議が以下のとおり 開催されました。

➢海事環境分野においては、我が国から米国に対して、環境に優しく安全な船舶の解体について定めた「シップリサイクル条約」の早期発効のための協力を求めるとともに、シップリサイクルに関するEUの域内規則に関する国際法上の問題点等の懸念を日米間で共有しました。 
 
➢また、造船分野においては、一部の国で実施している公的支援が生産性の劣る企業の市場退出を妨げ、造船市場における供給能力過剰問題の是正を遅らせ、世界の造船市場を歪曲する原因となりうることに対する懸念を日米間で共有しました。
 
➢今次協議においては、上記の懸念の共有にとどまらず、海事分野における安全や環境問題への対応に向けた日米両国間での連携・協力策や日米海事当局間の交流強化策等幅広い議論を行い、海事分野における諸課題への対応に向け、日米両国が共同歩調をとることで一致し、本協議の継続実施についても合意しました。

主な協議結果

(1) 海事分野における環境問題
米国が実施しているバラスト水※1の管理に関する地域規制に関し、未だ米国がバラスト水処理設備の型式承認を発行していないことから、今後の処理設備の十分な市場への供給に関する懸念を表明するとともに、円滑な海上輸送を阻害しないため、各国で型式承認を取得した設備を米国においても承認する等の柔軟な対応を要請した。また、温室効果ガス対策について、IMO(国際海事機関)において二国間が引き続き協力していくことを確認するとともに、EUが域内の地域規制として実施予定のEU MRV制度※2について、IMOでグローバルな制度として実施予定の燃料消費実績報告制度と整合を図るよう、二国間で連携してEUに要請していくことを確認した。また、環境に優しく安全な船舶の解体について定めたシップリサイクル条約の早期発効のため、両国での協力を呼びかけるとともにシップリサイクルに関するEU域内規則に関する国際法上の問題点等の懸念を共有した。
※1 船舶の安定性を保つため、「おもし」としてバラスト水タンクに注水される水 ※2 2018年1月からEU域内を航行する5,000GT以上の船舶に対して燃料消費量等のデータ報告義務を課すもの。

(2) 海事分野における安全対策  船舶の安全運航に関わるサイバーリスクに対応するため、海事サイバーセキュリティ暫定ガイドラインが本年5月にIMOで策定された。今後同ガイドラインの具体的内容をIMOにおいて検討していく上で、日米間で協調して対応すること、及び、関連情報の交換を行っていくことを確認した。  また、IMOにおいて我が国が取り組んでいる係船作業の安全対策や船上クレーンの安全対策について、米側に対して支持を求めたところ、米側からはこれら課題の重要性について理解が示された他、特に係船安全に関する米国内の取組事例が紹介された。

(3) 造船業における協力 世界の造船市場における供給能力過剰問題について、一部の国で実施されている公的支援が生産性の劣る企業の市場退出を妨げ、供給能力過剰問題の是正を遅らせ、また、世界の造船市場を歪曲する原因となり得ることに対する懸念を共有した。

 (4) 拡張パナマ運河の開通  米国から、拡張パナマ運河の開通に伴う通航船舶の大型化に対応するため米国東岸主要港の整備(深水バース、大規模ターミナル、鉄道等陸上輸送との結節強化)が行われている旨の説明があった。我が方からは、通航船舶の大型化による輸送の効率化、及び、シェールガスなど今後のエネルギー輸送への期待を説明した。

(5) 日米海事当局間の交流強化  両国の海事当局の若い世代が交流することによる相互協力の強化を目指して、両国における研修制度等を活用した職員の相互派遣の可能性について検討を進めていたところ、今次協議において、米側から我が国海事当局からの研修員の受け入れ環境が整った旨、報告があった。これを受け、我が方としても早期派遣に向けて準備を進める旨説明を行った。

(6) その他  先方から日米海事当局による定期的会合の重要性について言及があるとともに、本会合の継続的開催及び次回は来年中を目処に日本で開催することが合意された。

添付資料

プレス資料(PDF形式)PDF形式

別紙(PDF形式)PDF形式

お問い合わせ先

国土交通省海事局総務課国際企画調整室 臼井、平川、太田
TEL:03-5253-8111 (内線45-601、44-401、45-612) 直通 03-5253-8656 FAX:03-5253-1642

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