令和元年7月3日
令和元年6月25日から27日まで、英国ロンドンのIMO本部において第69回技術協力委員会(TC69)が開催され、2020-2021年の2カ年の統合技術協力プログラム(ITCP)の計画が承認されました。 また、前IMO事務局長の関水康司氏が、2020年から世界海事大学(WMU)に、ご自身の名を冠した博士課程用のフェローシップを立ち上げたことが発表されました。 |
主な審議結果は以下のとおりです。
1.統合技術協力プログラム※1について
IMOにおける技術協力を定めた2020-2021年の2カ年の統合技術協力プログラム(ITCP)の計画が承認されました。今回のITCPの重要テーマとして、加盟国が国連の2030 アジェンダ※2を導入するにあたって生じる技術支援のニーズ(ワークショップの開催や訓練コースの実施)への対応などが掲げられています。また予算として、2カ年で合計約1,450万ドル規模の技術協力を実施していくこととされました。我が国からは、PSC検査官育成のための東京MOU※3による研修事業に対しIMOの支援を要請したところ、同事業が他の地域も含めたグローバルな取組みであり世界のPSCの調和に貢献する重要な事業であると各国から支持され、引き続き支援が行われることとなりました。この他、技術協力活動の取組として、国際協力機構(JICA)の船舶安全研修、マラッカ・シンガポール海峡の航行安全対策「協力メカニズム」への協力等について紹介しました。
※1 統合技術協力プログラム(ITCP: Integrated Technical Cooperation Programme)とは、受入国のニーズ、供与国の優先度及びテーマ別の優先課題を整理統合して技術協力を実施するもの
※2 2015年9月の国連サミットで採択された、2016年から2030年までの国際開発目標
※3 アジア太平洋地域におけるポートステートコントロール(PSC)に関する覚書(Memorandum of Understanding on Port State Control in the Asia-Pacific Region)」のこと。また、同覚書により運営されている国際組織体のこと。
2.関水フェローシップについて
今次会合において、前IMO事務局長の関水康司氏が、2020年から世界海事大学(WMU)において、ご自身の名を冠した博士課程用のフェローシップを立ち上げたことが発表され、各国から賞賛の意が示されました。
募集人数は3年間で1名、研究内容は、海事ガバナンス※4に関する研究を想定しています。募集HPは以下の通りです。
(関水フェローシップ募集HP)
https://www.wmu.se/docs/wmu-koji-sekimizu-phd-fellowship-maritime-governance
※4 関係する国連機関(UN、UNCTAD、ILO等)の歴史と活動を踏まえた上で、IMOの設立から現在までの活動を評価し、将来的な海事ガバナンスのあり方を研究することとしている。
会議の様子 中央:関水前事務局長
報道発表資料(PDF形式:244KB)
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