報道・広報

不正登録船舶による不法行為への対策強化について合意
~国際海事機関(IMO)第112回法律委員会(LEG112)の開催結果概要~

令和7年4月3日

 令和7年3月24日から28日まで開催された第112回法律委員会(LEG 112)において、不正登録船舶による不法行為への対策強化、温室効果ガス(GHG)排出削減に向けた代替燃料に関する適切な賠償責任・補償制度の構築及び海上安全保障に係わる脅威への対応に向け、審議を開始することが合意されました。

1.不正登録船舶による不法行為への対策強化
 不正登録により旗国の適切な管理を受けず条約基準を満たさないサブスタンダード船舶が、航行安全及び海洋環境保護並びに公正な国際海運市場に悪影響を与えていることから、旗国の管理能力の強化に向けた船舶登録に関するガイドラインの策定及び途上国への技術協力等も含む更なるサブスタンダード船舶対策の検討が必要との提案があり、次期2ヶ年(2026-2027)の新規議題として合意されました。
 
2.代替燃料に関する適切なIMO賠償責任・補償制度の構築
 「2023 IMO GHG削減戦略」において掲げられている「2050年頃までにGHG排出ゼロ」といった目標の達成に向け、今後の利用拡大が期待されている国際海運の代替燃料(アンモニア、メタノール、水素、バイオ燃料、LNG等)について、その特性・毒性等のリスクを鑑み、現行のIMOにおけるバンカー条約※1やCLC条約※2のような汚染損害等に関する賠償責任・補償制度の必要性を検討すべきとの提案がなされ、審議の結果、多くの国の賛同を受け、次期2ヶ年の新規議題として合意されました。
 ※1:二千一年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約
 ※2:千九百九十二年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約


3.海上安全保障に係わる脅威への対応
 現代においては、従来よりIMOが対応してきた海賊行為及び武装強盗のみならず、サイバーセキュリティやテロリズム等、海上安全保障に係わる脅威が多様化していることを踏まえ、その脅威に対して法的な観点から包括的な検討を行うことが必要であるとの提案を受け、次期2ヶ年の新規議題として合意されました。

添付資料

報道発表資料(PDF形式:128KB)PDF形式

お問い合わせ先

国土交通省海事局総務課国際企画調整室 中尾、高橋
TEL:03-5253-8111 (内線45-601、45-611) 直通 03-5253-8656

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