報道・広報

ソマリア沖海賊行為に対するアジア太平洋域内の連携強化のためのワークショップの結果概要について

平成21年7月29日

 国土交通省海事局は、海洋政策研究財団(OPRF)、シンガポール運輸省、同海事港湾庁等との協力により、シンガポールにおいて、ソマリア沖海賊行為に対するアジア太平洋域内の連携強化のためのワークショップを、アジア太平洋経済協力(APEC)第32回交通ワーキンググループにおけるイベントとして開催しましたので、結果概要を下記のとおり報告します。

 また、本ワークショップは、昨年11月のAPEC首脳宣言において海賊対策の必要性が触れられ、それを受けた会議の本年4月の交通大臣宣言において、海賊対策についての協調した取り組みの必要性が謳われたことに対応するものであり、海洋政策研究財団の平成21年度海外交流基金により実施されたものです。

 交通ワーキンググループ会合初日の全体会合においては、議長(フィリピン海事産業庁バウチスタ長官)より、大臣宣言への迅速、かつ、的確な対応に謝意が示されました。
 
                        記

1.開催日時:平成21年7月29日(水) 9:00~12:00

2.場所:シンガポールEnterprise and Mercury Rooms at Raffles City Convention Centre

3.出席者:日本、韓国、中国、香港、台湾、ロシア、フィリピン、インドネシア、マレーシア、
       タイ、シンガポール、ベトナム、オーストラリア、パプア・ニューギニア及び
       カナダの政府当局並びにシンガポールの海運事業者

4.結果の概要:
(1) 議事
 秋山海洋政策研究財団会長の開会挨拶に引き続き、以下の議事が行われた。
 [1]基調講演
   国際海事機関(IMO)関水海上安全部長、国際商業会議所国際海事局(IMB)ムクンダン
  局長、アジア海賊対策地域協力協定・情報共有センター(ReCAAP-ISC)テオ事務局次長等
  の基調講演において、ソマリア沖海賊対策の現況、海賊事案の最新状況、アジアにおける
  海賊対策等が報告された。
 [2]各国の海賊対策の取り組み
   国土交通省西田海事局外航課海運渉外室長、シンガポール海事港湾庁タン政策課長、
  フィリピン海事産業庁バウチスタ長官等から各国の取り組みが紹介された。
 [3]討議
   ソマリア沖海賊対策に関しアジア太平洋地域の海事当局の連携強化を図る方策について
  議論が行われた。フィリピン等から、ソマリア沖のオペレーションに関して、船籍に関わらず
  平等な保護活動をして欲しい旨及び海運サイドの意見を吸い上げてほしい旨の要望が示さ
  れた。

(2) 結果
 以下について合意し、交通ワーキンググループで審議されることとなった。
 [1]APEC海事専門家会議参加者は、ソマリア沖海賊問題の深刻さとその対応の重要性を認識
  し、この地域における海賊対処のための努力を評価した。
 [2]更に、アジア太平洋地域の海事当局として、IMOとの連携の下で以下の対応が必要である
  との認識に至った。
  (イ)より効率的で安全なオペレーションのために他の海事当局と連携し、必要に応じ、権限あ
    る当局や国際組織に対して、オペレーションの改善を求めていく。
  (ロ) 海賊対処のためのベストマネジメントプラクティス※を中小海運会社にも伝達し、海運業
    界に対してベストマネジメントプラクティスの船員への教育を求める。
   ※ベストマネジメントプラクティス:国際海運関係団体を中心に策定された、アデン湾及びソマ
    リア沖における海賊に対処するための船舶側における有効な対処行動(事前の軍事オペ
    レーションへの通報、見張りの強化、通航のテクニック等)をまとめた規範集。IMOも関係業
    界に対しこれに従って行動することを推奨している。

(3)わが国の取り組みへの反応
  7月24日(金)の海賊対処法施行後の我が国の最初の護衛活動について、護衛可能な範囲内
 で日本関係船舶以外の護衛を受け入れる用意があること、そのための申請手続き等について
 説明するとともに本日(29日:日本時間)から最初の外国船舶の護衛を行う旨発言したところ、
 諸外国からは大いなる期待と賞賛が示された。

添付資料

結果概要(PDF形式:56KB)PDF形式

お問い合わせ先

国土交通省海事局外航課 北林、増田
TEL:(03)5253-8111 (内線43363、43344)

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