報道・広報

海運先進国当局間会議(CSG)及び国際海運会議所(ICS)との会合を開催
~海運分野における保護主義や地政学的競争、海運の脱炭素化の推進等について議論しました~

令和7年10月10日

○9月29日(月)に海運先進国当局間会議(CSG)、9月30日(火)に国際海運会議所(ICS)とCSG間の
 会合が、デンマーク・コペンハーゲンにおいて開催され、日本から海事局(HOD:中川哲宏外航課長)が
 出席しました。
○会議では、米国の海事政策、米中をはじめとする地政学的競争への対応、海運の脱炭素化、船員の労働環境
 改善など、海運に関する幅広いテーマについて活発な議論が行われ、海運自由の原則の下、CSG関係国間又
 はCSGとICSの間で、引き続き必要な連携・連帯を図ることの重要性等が確認されました。


 海運先進国当局間会議(Consultative Shipping Group: CSG)は、国際海運市場への自由
アクセスを確保するため18の海運先進国及び欧州委員会(EC)の担当部局の協調行動に向
けた検討を行う会議で、国際海運における自由で公正な競争条件の確立に向けた取組を行っ
ている他、航行安全及び海洋環境保護等の幅広いテーマに関する意見交換を毎年1回開催し
ています。
 また、2年に1度、米国海事関係当局とCSGとの間での政策対話(US-CSG会議)を開催し
ています(今年は非開催)。
 
日 時:【CSG】令和7年9月29日(月)、【CSG-ICS】令和7年9月30日(火)
場 所:デンマーク(コペンハーゲン)
参加者:海運先進国当局間会議メンバー国※
※【CSGメンバー国(下線は今回会議の不参加国)】                   
 デンマーク(議長、事務局)、ベルギー、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、
 イタリア、日本、韓国、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、
 スペイン、スウェーデン、英国


           
               海運先進国当局間会議(CSG)の様子


≪主要議題の概要≫
海運先進国当局間会議(CSG)における主要議題の概要は以下のとおり。
 
1.不確実な時代における国際海運政策
 地政学的緊張や安全保障リスクが海運業界に与える影響について議論が行われた。特に、米
中対立、IMO(国際海事機関)交渉における政治的対立等を例とした保護主義と地域化への傾
向の高まりに対抗する上で、CSGが明確な声を上げる必要性が強調された。また、EU海域で発
生した偽造船やダークフリートの事例を取り上げ、IMOおよびEUによる監視強化の動きと国際
的な対応策についても意見が交わされた。日本からは、経済安全保障における海運業や造船業
の重要性に係る問題提起のほか、偽造船等に関する情勢等について情報提供した。
 
2.海運業界のグリーン・トランジション
 IMOにおいて審議中であるIMO Net-Zero Framework(NZF)に関して、CSGメンバー国間で、
意見交換が行われた。日本からは、今月IMOで開催される会合に向けて、CSGメンバー国を含む
関係各国と連携して対応していく必要性、EUの地域規制であるEU-ETSやFuel
-EU Maritimeの
見直しが必要である等の意見を述べた。
 
3.未来の海事人材の育成
 脱炭素化やデジタル化の進展によって変化する海事人材需要について検討が行われた。多く
の国で若者の海事業界への関心低下が懸念されていることから、ジェンダー平等性等の時代に
合わせた課題を考慮したうえで、海上・陸上双方のキャリアの魅力を発信する重要性や、技術
革新に対応した教育訓練のアップデートの必要性についても議論が行われた。
 
【CSG-ICS会合】
 グローバルな海運業界の現状と課題について、CSGとICSとの間で議論が行われた。特に、
ICSから、米国の海運政策による懸念や海運のグリーン・トランジションのためのIMO Net-Zero
Framework(NZF)採択の重要性が表明された。また、船員の労働環境や新燃料に対応する教育
訓練の重要性についても意見交換が行われた。


           
                CSG-ICS会合のCSG・ICS両議長

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式

お問い合わせ先

(全般)海事局外航課 海運渉外室 居石
TEL:03-5253-8111 (内線43-352) 直通 03-5253-8620
(海運の脱炭素化関連)海事局海洋・環境政策課 環境渉外室 木皿
TEL:03-5253-8111 (内線43-914) 直通 03-5253-8118

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